バンコクで今行くべき、ヒップなナイトクラブ&バー5選

常に変化し続ける街、バンコク。中でも、ナイトクラブやバーの流行りの移り変わりは激しいため、今、本当に現地の音楽・クラブ好きの間で盛り上がっている場所を見つけることは、旅行者にとっては至難の技。というわけで、HereNow Bangkokのキュレーターでもあり、現地の音楽事情に精通した、音楽コミュニティーサイトFungjai(ファンジャイ)編集部が厳選するバンコクで今訪れたいナイトクラブ&バーをご紹介します。

※本記事は『HereNow』にて過去に掲載された記事です。

世界中から音楽ファンが訪れるバー『Studio Lam』

まず最初にFungjaiがオススメするのが、2014年にオープンして以来、バンコク唯一無二の存在感を放つバー『Studio Lam(スタジオ・ラム)』。BTSトンロー駅から徒歩3分、Soi 51(Soi=小道)の入り口近くにある一角に佇んでおり、レコードのグラフィックが描かれた重たいドアを開けると、木のぬくもりを感じるオーディオルームのような空間が広がります。

バンコクに遊びにやって来た音楽ファンやミュージシャンが決まって立ち寄るのが、まさにここ。オーナーの一人は、タイ東北部~ラオスの伝統音楽であるモーラムやルクトゥンを再発掘し、世界に広めたことで有名なタイ人DJのMaft Saiです。店内では、彼のDJスタイルと同じく、タイのモーラムや、ワールドミュージック、ルーツミュージック、ファンク、ソウルなど様々なジャンルを絶妙にミックスしたアナログレコードのサウンドを、アルテックのビンテージホーンスピーカーを使用したこだわりの音響下で堪能できます。

Maft Sai(オーナー):僕がロンドンでDJを始めてから、60~70年代のオリジナルのモーラムのレコードを発見した時は、その個性的で実験的な音づくりに驚かされました。それまでモーラムは、タイではトラック運転手などが聴く音楽とされていたのですが、そんなモーラムをミックスしてプレイする僕のスタイルが海外で評判となり、逆輸入される形でバンコクでも受け入れられたんです。

バーカウンターのうしろにずらりと陳列されたガラスのボトルの中身は、自家製の薬草酒「ヤードン」。こちらも、かつてはタクシードライバーが道端で飲んでいたような、昔ながらのタイのお酒。ここではタイの焼酎ラオカオやジンをベースに、ハーブと果物を漬け込んで、現代的な飲みやすい味にアレンジしたものとなっています。とはいえ、ストレートで飲むには強烈なお酒なのでカクテルにしていただくのが定番です。

Fungjai:タイを訪れる人の多くは、タイのローカルカルチャーに興味があるのではないかと思います。音楽もそのひとつ。この店はモーラム、ルクトゥン、タイファンクなどのオリジナルなローカルタイ音楽をかける、バンコクでは希少なお店です。ほぼ毎月開催しているMaft Saiのイベント「Esan Dancehall」も常に進化していて見逃せません。ぜひモーラム音楽で踊って、タイのローカルカルチャーに触れてください。

普段は数グループの客で満席になる小さなバーのため、ライブやDJイベント時には入場規制がかかることも。スケジュールをチェックして、イベント時は早めに訪れるのが吉。また、数軒先にあるMaft Saiのレコードショップ『ZudRangMa Records』もあわせて足を運んでみてください。

Studio Lam
住所:3/1 Sukhumvit 51, Klongton-Nua, Wattana, Bangkok
営業時間:18:00~ till late
定休日:月曜
電話番号:02-261-6661
最寄り駅:BTS Thong Lo駅
Webサイト:https://www.facebook.com/studiolambangkok/

最先端の技術が詰まった、トンローエリアの大型ナイトクラブ『BEAM』

グルメや夜遊びの流行発信エリアであるトンロー通り。その中でも、とりわけスタイリッシュなバーが多く入居するコミュニティーモール『Courtyard 72』の2階にあるのが、次にFungjaiがオススメする『BEAM』。タイの大型パブやバーはダンスフロアが小さく、友人グループとテーブル席に着いてき飲みながら過ごすスタイルが主流ですが、こちらはヨーロッパや日本からやって来たひとが思い浮かべる「クラブ」に近いスポットです。

店内に入り、セキュリティーとクロークを抜けたところにあるのが、ヒップホップやR&Bがかかるラウンジスペースとバー。そして2階に上がると、およそ500人を収容するメインフロアが現れます。ウェアハウススタイルのシンプルな内装のダンスフロアには、アジア初のボティー・ケネティックを採用。色鮮やかなビームや3Dマッピングは、ロンドン五輪やグラストンベリーフェスの照明デザインも手がけたイギリスのデザイン事務所「Immersive」によるものです。サウンド面では世界最先端と言われるVoidのサウンドシステムを導入しており、まさに五感をフルに使って音楽を体感できる設計となっています。

Chet(マネージャー):2016年にオープンして以来、月に1度は海外からの有名DJやアーティストを招いていて、ものすごい盛り上がりを見せています。そんな特別な夜に合ったスペシャルドリンクも用意しているので、そちらも是非チェックしてみてください。実はこれからリノベーションのためにお店を閉めますが、9月半ばに再開する際には、ロンドンのダンスポップデュオ・SNAKEHIPSを招いた大きなパーティーを予定しています。ぜひ、アップグレードした『BEAM』をお楽しみに。

Fungjai:ハウス、ディープハウス、テクノ、EDMが好きな人にとって、最初に思い浮かぶクラブといえばこの『BEAM』。トンロー通りの真ん中にある、ライティングやサウンドシステムが優れたナイトクラブです。DJが入れ替わり立ち代わりエレクトロニックな音楽を聴かせてくれて、色鮮やかで楽しい夜を過ごせます。ボディー・ケネティックを採用したダンスフロアにいると、重く響くベース音が足の裏側から振動してくるように感じられて、踊るのがさらに楽しくなるはず。シグネチャーのスペシャルカクテルも試してみてください。

こちらのクラブは、今回紹介する中でもとりわけドレスアップして訪れる地元客が多いですが、カジュアルなファッションの外国人も多いので、服装はお好みで。ただし、ビーチサンダルでは入場不可なのでご注意を。音に没頭してひたすら踊りたい方は、特に盛り上がる週末やイベント時に訪れるのがオススメです。

BEAM
住所:72 Courtyard - FL 1, 72 Sukhumvit 55 Thonglor, Khlongton-Nua Watthana, Bangkok
営業時間:21:00~till late
定休日:日曜、月曜、火曜
電話番号:02-392-7750
最寄り駅:BTS Thong Lo駅
Webサイト:http://beamclub.com/
Facebook:https://www.facebook.com/beamclubbkk

クラブミュージックからインディーロックまで。新しいバンコクの音楽発信地『De Commune』

『BEAM』から徒歩10分。トンロー通りの北端にある『Liberty Plaza』は、昼間は静かなオフィスビルですが、夜が更けると看板を掲げない怪しげなバーがちらほら営業を始める、現地の夜遊び好きには知られたスポット。その一角にある『De Commune』が、Fungjaiが次にオススメするスポットです。

サウンドエンジニアや照明スタッフ、VJなど、音楽シーンの舞台裏でキャリアを築いてきた人たちが「コミュニティー」をコンセプトに、『De Commune』をオープンさせたのが2017年末。それからジャンルの垣根を超えたDJイベントやライブを毎晩のように開催し、瞬く間に地元の音楽コミュニティーにとって欠かせない場となりました。

店内の1階には、日によってステージが設置されるメインフロアとバー、DJブースがあり、2階がフロアを望める小さなラウンジスペースとなっています。天井が2階まで吹き抜けになっており、閉塞感はなく、キャパシティーは250~300人ほど。日によってガラリと客層が変化しますが、平日でも人が集まっているのが魅力です。

New(オーナー):音楽のポリシーはインディーかアンダーグラウンドであることだけ。DJかバンドかは問いませんが、EDMはかけません。基本的にバーでなくライブハウスのような営業形態なので、できる限りイベントを入れています。中でもオススメは、最近ヨーロッパや中国ツアーにも呼ばれて注目されているタイ人DJのMendy Indigo。彼女の月に一度のレギュラーパーティーをバンコクで楽しめるのはココだけ!

他にも、ダブステップ~フューチャーガレージの「Dubway Sessions」、ドラムンベース~ベースミュージックの「PhatFunk」といった、長年バンコクのクラバーに支持されてきたイベントも近頃はこちらで開催されているので、ぜひお見逃しなく。

Fungjai:トンロー通りの奥にひっそりと佇む新しくできたスポットで、ほぼ毎晩色んなジャンルのDJやバンドによるライブが繰り広げられています。一味違う体験をしてみたい、聴いたことのない音楽を探している、という人には、『De Commune』がオススメ。特に、インディーロック、オルタナ、メタル、シンセポップ、ヒップホップなどの新人バンドや、テクノ、ドラムンベースなどの凄腕DJが迎えてくれますよ。

今のバンコクの、オールジャンルの音楽シーンを体感したい方には外せないスポット。来年からは、海外アーティストを積極的に増やす予定とのことなので、今後さらなる盛り上がりに注目です。

De Commune
住所:Liberty Plaza 1st Floor, 1000/215 and 1000/218, Klongton Tan Nuea, Watthana, Bangkok
営業時間:水曜~土曜 17:00-02:00,日曜 17:00-24:00(※イベントの時のみ営業)
定休日:月曜、火曜
電話番号:088-419-7380
最寄り駅:BTS Thong Lo駅
Webサイト:https://www.facebook.com/decommunebkk
Instagram:https://www.instagram.com/decommune/

[閉店]人気のナイトマーケット『タラートロットファイ・ラチャダー』の中に突如現れる『Sorry I’m Gay』

連日のように観光客が押し寄せる『タラートロットファイ・ラチャダー』は、MRTタイ文化センター駅の側にある巨大な屋外ナイトマーケット。外国人にはグルメやショッピングが有名ですが、リーズナブルに夜通しお酒を楽しめるローカルバーが無数にあるため、地元の学生や若者もよく利用します。そのマーケットの入り口から一番奥にある通りの一角のバー『Sorry I’m Gay』が、Fungjaiが次にオススメするスポットです。

2015年にオープンしたこちらのバーを運営するのは、カメラマン、DJ、バーテンダーの3人。マーケットではバンドの生演奏やタイポップを流す店舗が多い中、クラブミュージックを楽しめるのはここだけ。Peppe、DJ Dunk、Jack Haze、Jamie James、Teteeといった多国籍のDJがランダムに日替わりで入り、ハウスとディスコでバーを彩ります。壁がなく、開放的なつくりの店内にある座席は全てカウンター席。じっくり飲んで過ごすというより、お酒片手にDJブースの周りで踊ったり、気さくなスタッフや様々な国から訪れるお客さんとの会話を楽しみながら陽気な雰囲気で過ごしたいバーです。

いつもお店が盛り上がるのは23時頃ですが、毎晩19時~21時半のHappy Hourにやってきて、クラブホッピングのウォーミングアップに利用する人も。また、周辺では唯一本格的なカクテルを提供しており、女性にも好評。一番人気のFrozen Strawberry Mojitoは、暑い夜にぴったりの一杯です。

そして誰もが一度は聞いたら忘れられない『Sorry I’m Gay』という店名。その奇抜さから思わず足を止めて写真を撮っていく外国人観光客が後を絶ちません。

DJ Seaman(ブッキング・マネージャー):実は店のオーナーは、みんなゲイではありません。一度耳にしたら忘れないような、そして楽しい名前にしたくて付けました。もちろんゲイやレディーボーイのお客さんもよく来るし、誰でも歓迎です! ここの男性客はゲイだから安心そうだと考えて入ってくる女性客も多いですよ。

Fungjai: 『タラートロットファイ・ラチャダー』という、ショッピングや飲食を楽しむ場所に、ちょうどいいサイズ感のTikiスタイルのバー(ハワイなどのポリネシアンをテーマにしたバー)があるなんて予想外ですよね。タイ人DJや海外からのゲストDJがプレイするテクノやディープハウス、テックハウス、ディスコを、美味しいカクテルを味わいながら、夜通し楽しむことができますよ。

バンコクのほかのバーではあまり見られない、南の島のバーのような明るい雰囲気がここの持ち味。知らない客同士もすぐ打ち解け、次は友達として一緒に来店するケースも多いそう。また、ひとりでふらりと音に浸りに来る女性客もいたりと、誰でも気軽に立ち寄ることができるスポットです。

[閉店]Sorry I’m Gay
住所:Ratchada Train night market, 55/9 Ratchadaphisek Rd, Bangkok
営業時間:19:00~01:00
定休日:月曜・火曜
電話番号:099-339-9173
最寄り駅:MRT Thai Cultural Center

エッジの効いたパーティーが目白押し。シーロム通りの『SAFE ROOM』

BTS サラデーン駅からシーロム通り沿いに数分歩いたシーロムSoi 8の角に佇むバーが、2014年のオープン以来、数多くのアートイベントや音楽イベントを開催してきた『Whiteline』。その扉を開けて中に入り、むき出しのコンクリートに大きなグラフィティーが描かれたウェアハウススタイルの店内を通り過ぎ、最奥部にひっそりと佇む階段を上ったところに現れるのが、Fungjaiが最後にオススメする『SAFE ROOM』です。

毎週金曜日と土曜日のみ営業する『SAFE ROOM』は、2016年に『Whiteline』のチームがナイトクラブとして作ったスポット。この隠れ家のような場所では、ローカルのDJやミュージシャンたちが主宰するエレクトロニカミュージックのパーティーが頻繁に開催されており、時に階下の『Whiteline』のフロアも使って300人規模のパーティーになることも。

ショップハウスをそのままクラブに利用したようなシンプルな内装のメインフロアと、妖艶な照明の喫煙所兼ラウンジスペースは、まさにアンダーグラウンドという言葉がぴったりの雰囲気。シーロムというバンコク最大の歓楽街にありながら観光客は見当たらず、本気で踊り明かしたいクラバーや、地元のアーティストを中心に支持されています。この『SAFE ROOM』と『Whiteline』を運営するタイ人と欧米人のグループのひとりが、映像クリエイターであるアメリカ人のOliverさん。

Oliver:『SAFE ROOM』ではビールや簡単なドリンクのみ販売しているので、本格的なカクテルやクラフトビールを飲みたい方は『Whiteline』とあわせて楽しんでください。マヨネーズたっぷりのChicken TendersやBeef Burgerなどの軽食も用意しています。これからはバンコクビエンナーレの会場にもなったり、ハロウィンパーティーを予定していたりと、どちらのスペースでもイベントが目白押し。僕が主宰する「The 60 second film festival」も名物イベントのひとつなので、お見逃しなく。

Fungjai:シーロムといえばナイトライフのメッカで、バーからクラブまで幅広く楽しめます。その中でも、アンダーグラウンドエレクトロニックミュージックのエキスパートにとって、まず思い浮かぶのは『SAFE ROOM』でしょう。『Whiteline』というバーを隠れ蓑にしたクラブで、腕利きのDJが様々な音楽を聴かせてくれます。Sunju Hargun、Latchodrom、HexerといったDJによるテクノ、テックハウス、ディープハウス、ベースミュージックのパーティーは、ナイトライフを退屈させないでしょう。

ディープな音楽に身を任せて踊りたい方はもちろん、音楽やアートの垣根を超えて様々なクリエイターが集まる場となっている『SAFE ROOM』。ぜひ、いろいろな人との交流を楽しみに足を運んでみてください。

Safe Room
住所:132 Silom Soi 8, Suriya Wong, Bang Rak, Bangkok
営業時間:20:00~02:00定休日:日~木
電話番号:087-061-1117
最寄り駅:BTS Sala Deang,MRT Silom
Webサイト:https://www.facebook.com/saferoombkk/
Whiteline
住所:132 Silom Soi 8, Suriya Wong, Bang Rak, Bangkok
営業時間:20:00~03:00
定休日:日~火
電話番号:087-061-1117
最寄り駅:BTS Sala Deang,MRT Silom
プロフィール
Fungjai
Fungjai

Fungjaiは、タイのミュージックシーンのコミュニティとして、アーティストとファンをオンライン・オフラインに限らず繋げるプラットフォーム。音楽ストリーミングプラットフォームやEコマース、オンラインマガジンからコンサートやセミナー、そしてMeet upイベントまで、その活動は多岐に渡る。2014年に設立されたにも関わらず、タイのシーンでは既に欠かせない存在となり、世界にタイミュージックを届ける。



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