佐久間由衣とKitriが愛を語る「でも愛って、永遠の修行ですよね」

「たくさんの男に『好き』って言われて、私の自信がチャージされればオッケーっしょ!」。

そんなパンチワードが冒頭で飛び出す映画、その名も『“隠れビッチ”やってました。』が、12月6日に全国公開される。入り口では「ビッチ」にまつわるラブコメ映画かと思いきや、全112分のあいだにストーリーや登場人物たちの心情は何層にも描かれていき、様々な角度から恋愛・友情・家族・自己の「愛」を問う作品となっている。

そんな映画の主演を務めるのが、今クールの話題ドラマのひとつ『ニッポンノワール-刑事Yの反乱-』(日本テレビ)にも出演する、女優・佐久間由衣。そして主題歌“さよなら、涙目”を作り上げたのは、姉妹でユニットを組み、そのおしとやかで上品な佇まいの中に揺るがない熱き芯を秘めている、Kitriだ。

今回の対談では作品の制作話だけにとどまらず、両者が想う、「自己愛」や「他者愛」について話をしてもらった。人が人を想う気持ちを「愛」と呼ぶならば、やっぱり、社会を持続させていくために一番大切なのは愛なのだと思う。

私は、本当に自己肯定感が低くて、なにをやってもなかなか自信が出ないんですよね……。(Mona)

―今日は、映画『“隠れビッチ”やってました。』と主題歌“さよなら、涙目”の表現の奥にある、それぞれが普段の生活の中で感じたり考えたりしていることや、「愛」の捉え方、といった話も、ぜひおしゃべりできればなと思っています。

Mona:去年撮影現場へお邪魔させていただいたんですけど、撮影中でご挨拶くらいしかできなかったので、今日ゆっくりお話できることがすごく嬉しいです。

佐久間:ほんと、一瞬だけしか話せなかったですもんね。

左から:Mona(姉)、Hina(妹)、佐久間由衣

―映画の鍵となるセリフのひとつに、佐久間さん演じる荒井ひろみが言う、「たくさんの男に『好き』って言われて、私の自信がチャージされればオッケーっしょ!」があって、まずはこれについてお話できればなと。ひろみの場合は幼少の頃の経験がそうさせているところもありますが、20代になって、社会に出て世界の広さを知ると、自信を失うことってきっと多くの人にあると思うんです。みなさんは、「自信」に対してどういう考え方を持っていますか?

Mona:私は、自信がまったくなくて。本当に自己肯定感が低くて、なにをやってもなかなか自信が出ないんですよね……。

デビューさせていただいて10か月になるんですけど、一つひとつのライブでお客さんの笑顔が見れたり、新しい曲を喜んでくれたり、そうやって「喜んでくれる人がいるんだ」って思えることが、最近は喜びや活力になってきました。自信とは少し違うかもしれないんですけど……自信を持てるようになりたいな、と思っている最中です。

Mona / Kitri(きとり)
Mona(姉)とのHina(妹)によるピアノ連弾ボーカルユニット。Monaはボーカル、ピアノ低音部(Secondo)を担当、Hinaはコーラス、ピアノ高音部(Primo)を担当。2015年より京都を拠点に音楽活動を開始。2016年ライブで京都を訪れていた大橋トリオの手に自主制作盤が渡り、絶賛される。2019年1月23日にメジャーデビュー。2020年1月29日にはアルバム『Kitrist』をリリースする。

佐久間:私も自信はないですね。

Mona:そうなんですか?

佐久間:人に肯定していただいた言葉はちゃんと受け止めたいなと思うんですけど、自分の物差しで測って、できたこと / できないことは常に自分の中にあって。だから自信はないけど、でも自信がないまま終わらせるのは嫌だなっていう気持ちがあるから、それ以上に努力をしなきゃなって思えるのかな。

常に自分を鼓舞しながら、求めていただいているのならば、それ以上にお応えするものを作り上げなきゃいけないなとは思っているんですけど……うーん、自信はずっとない気がするなあ。

佐久間由衣(さくま ゆい)
1995年3月10日生まれ。2014年女優デビュー。2015年『トランジットガールズ』でドラマ初主演。2017年NHK連続テレビ小説『ひよっこ』でヒロインの親友役を演じ注目を集める。主な出演作はドラマ『明日の約束』『チア☆ダン』、映画『あの日のオルガン』など。現在は日本テレビ系10月期日曜ドラマ『ニッポンノワール-刑事Yの反乱-』に出演中。12月13日(金)に映画『屍人荘の殺人』が公開される。

Mona:私も、特に音楽においては、自分の理想としているところに届いていないという気持ちが常にあって。子どもの頃から常に「上には上がいる」ということを目の当たりにしてきて、「私がピアノを弾く意味ってあるのかな」って、自分が音楽をやる意味を見出せなかったんです。でもそんな中で、Hinaとなら音楽ができるって、そこだけは自信があったから今も音楽をやれていて。

日々素敵な人をたくさん見て、比べてしまって自信をなくした、ということなのかなと思います。私は本当に「自分なんて」という考え方をしてしまうので、今はまさに自分を少しでも変えていきたいと思っている最中です。

Hina:姉は、私が「すごいな」と思っても、「全然そんなことない、私なんか」って言うタイプなんです(笑)。

私は、実は自信がないタイプなんですけど、あえてそれを表に出さないようにしてます。「自分は自信がある」って見せることで、「自分は自信があるんだ」って勘違いしていけるというか。そうすると、緊張感もほぐれていくんですよね。姉が本当に自信のないタイプなので(笑)、「自信持って」って背中を押せる役割ができたらいいなと思っていて。

Mona:そう。背中を押してもらって、「そっか、頑張ろう」って。お互い違う役割で切磋琢磨しています。

佐久間:そうなんですね……!

―素敵な関係性ですね。

Hina(妹)
二人が連弾している様子を見る

Hina:映画の中で、ひろみは自信がないけれど、「自分がモテている」ということに関しては自信を持っていると見せかけつつ、でも心の中では「自分なんか全然ダメだ」と思っている、というのを佐久間さんが素晴らしく演じられていて。

それで、この映画はただ「ちやほやされて嬉しい」というだけのストーリーじゃなくて、心の葛藤とか感情の動きを伝えられているんだなって、すごく感じました。

佐久間さんは、ご自身の気持ちと役柄の言葉をどうやってつなげていらっしゃるんですか?(Mona)

―今Hinaさんが言ってくださったように、この映画は『“隠れビッチ”やってました。』というインパクトの強いタイトルがついているけれど、ただ「ちやほやされるラブストーリー」ではなくて、恋愛・友情・家族・自己など、人間のあらゆる「愛」を問う作品ですよね。愛の表現の仕方は、10人いれば10通りあって、自分が思う愛され方を相手からされなくても、愛されてないとは限らない。だけど、そういう他者と交換する「愛の表現方法」について、ひろみは悩んだり混乱したりするわけで……Monaさんは、まさにひろみと正反対で、人前で一喜一憂しないことを大切にされているそうですね。

佐久間:ええ! 武闘派ですね……。

Mona:なんか……本当は一喜一憂しちゃっているんですけど、気持ちをフラットにしていたほうが見えてくるものがあると思っているというか。一旦引くことで、落ち込まずに、喜び過ぎずにいられて、そのうえで見えてくるものがあるタイプで。

―そう考えるようになったきっかけとかあったんですか?

Mona:嬉しいこと、悲しいこと、悔しいこととか、大きくなくともいろんなことが日常的に起こって、自分が疲れちゃったときがあって。喜んだと思ったら落ち込んで、というのを繰り返しているうちに、自分の気持ちが分からなくなったことがあったんですよね。だから、一旦落ち着こう、というふうになったのかな。

佐久間:そもそもは一喜一憂することが多かったんですか?

Mona:他の人にとってはどうってことないことで気にしたり、「今の自分の発言大丈夫だったかな」とか思ったり。実際はすごく小さな世界で喜んだり悲しんだりしていて、それこそHinaにしてみたらどうってことないことでも、考えすぎちゃうのかなと思います。

佐久間:でも、だからこそ音楽をやられているんですね。

Mona:そう言っていただけると……!

佐久間:そういうのを感じられる人と感じられない人がいるじゃないですか。

佐久間:私は、表現したいことってないんです。台本があって、それを演じるという目的があるだけで、自分自身が伝えたいことはないんですよ。でも、音楽って本当にまっさらな状態から作っていくじゃないですか。パーソナルなお仕事というか。

Mona:おっしゃっていただいた通り、あまり人にものを言わないからこそ、音に歌詞に落とし込むことで自分が救われた時期があって、それが今にもつながっているかなと思います。人に言わずに完結しちゃうことを歌にするときが多いです。

音の世界はいつでも味方でいてくれるし、自由でいられるので、その世界に入り込むのが心地よかったりしますね。まずは自分の気持ちを音にしたことで安心して、さらにそれを「いい」って言ってくださる方がいるのはすごく嬉しいことだなと思うし、表現する意味をすごく感じています。

佐久間:素敵ですね。

Mona:逆に質問させていただいてもいいですか? 私たちだったら音にして表現できるんですけど、佐久間さんの場合、ご自身の気持ちと役柄の言葉を、どうやってつなげていらっしゃるんですか? というか、そもそも一緒にはしてないのかな?……役の気持ちとご自身の気持ちって、どういう状態になっているんだろうと思って。

佐久間:いろんなタイプの役者さんがいらっしゃると思いますし、私自身も日々模索で、いろんな方法を試しているところなんですけど……今思うのは、自分が経験してきたことには限りがあるし、いい意味でも悪い意味でも、私は私自身以外の何者でもなくて。なので自分とはかけ離れたタイプの役をやるときは、想像力だけ、というか。「どうしてこういう台詞を言うのかな」「このときどんな気持ちなのかな」とか、想像することしかできない。台本の中にある「目的」みたいなものを考えて、辿りつくまで掘り下げて、想像して、という作業ですかね。

そうやって自分で自分に魔法をかけることもあるけど、監督とかに魔法をかけてもらうこともあります。無限大の想像の世界を自分の中で掘り下げられないときは、監督から厳しい指導をいただくこともありますし、相手の役者さんから引き出されることもたくさんありますね。

Mona:全然違うとは思うんですけど、私たちも空想とか想像をしながら曲を進めていくことが多いので、同じ「想像」というものを使ってるんだなって思いました。体験や経験には限りがあるので自分の想像力を使って世界を広げていく、というは近いところがあるのかなと思って、嬉しかったです。

佐久間:想像は無限大ですもんね。

Mona:そうですよね。

佐久間:なんでもできる。

本当に苦しくなったときに向き合うのは自分しかいなくて、その中で肝心なことは言えないし、甘え方も分からない。(佐久間)

佐久間:お聞きしたかったのが……いつ主題歌の制作に取り組んだのかな? ということで。

Mona:撮影現場でお会いするちょっと前に台本をいただいていたんです。なので去年の冬頃に台本をいただいて、「佐久間由衣さんが主演をされる」ということを頭に置きながら台本を読んで、それこそ想像の世界の中で曲を作っていきました。

歌詞を途中まで作ったところで、編集中の映像を見せていただいたんですけど、そこからより自分の想像が広がっていって。ひしひしと心に訴えかけてくる映画なんだと思って、そこから歌詞を完成させていきました。

佐久間:じゃあ、徐々に作ってくださったんですね。

Mona:そうですね。ひろみ自身の心模様を私たちに伝えてくれるものだったので、私も、自分が感じたことのある自信のなさ、ダメさ、弱さを、自分の心と向き合いながら書こうと思って。でも一方で、希望もあるような曲にしたいなと思ったんです。自分のことも、ひろみのことも、そして聴いてくれる人も、観てくれる人も、応援できるような曲にできたらいいなとひそかに思っていましたね。

佐久間:はあ、嬉しいです……。

Kitri『さよなら、涙目』を聴く(Apple Musicはこちら

佐久間:本当に、嬉しくて。主演としての喜びを感じるのって、たとえばエンドロールで自分の名前が一番最初に出ることだとかって聞いたことがあるんですけど、私にとっては、主題歌を作り上げて提供してくださることとか、主題歌の方へコメントを書けることのほうがすごく嬉しくて。

Mona:えええ! ありがとうございます。

傘をさしても、ずぶ濡れになるのは何故だろう。
ピアノの音色が、雨の雫が滴る音のように切なく、力強く、確かに響き、歌声にのる歌詞がとてもあたたかく、全ての感情を救ってくれるような優しさに包まれました。この物語の応援歌のような、心の叫びのような、素敵な楽曲を作ってくださった二人の美しい魂に感謝致します。
(佐久間由衣が寄せたコメント / 『“隠れビッチ”やってました。』オフィシャルサイトより)

Mona:佐久間さんが書いてくださったコメントに、本当に感激してしまって。こんなふうに思ってくださったんだって。

叫びとか熱い思いは、そんなに曲には出ていないかもしれないんですけど、静かなピアノと二人のハーモニーと歌詞から、心の叫びのようなものを感じ取ってくださったのが嬉しくて。こういうふうに書いていただけるなんて……すごい感性をお持ちだなって。

佐久間:いやいや(笑)。

Mona:静かな熱い応援歌にしたいなって、まさに佐久間さんが書いてくださった通りの気持ちを込めたんです。

佐久間:静かな曲調で、すごく温かくて、優しい温度を感じます。ひろみ自身も、どうでもいいことはさらけだして言えたり、本質的じゃないことはズバズバ言えたりするように見えて、本当の苦しさはなかなか人に言えなくて。あんなに叫び散らして、暴言吐き散らしていたひろみも、本当に苦しくなったときに向き合うのは自分しかいなくて、その中で肝心なことは言えないし、甘え方も分からない。そういうところがこの曲に詰まっている感じがしました。儚さもあるし、祈りみたいなのもあるし……そういうのがウワ~って込み上げてきて(笑)。

Mona:嬉しいです。佐久間さんが演じられているのを拝見してから歌詞がすらすら出てきたので、ひろみが映像を通して訴えかけてくるものがあったんだと思います。

ひろみとはまた違った人生を歩いてきましたけど、共感できるところがあったんですよね。佐久間さんが演じられたひろみに助けてもらいましたし、救ってくれた、背中を押してくれたなと思います。

佐久間:本当に嬉しいです。

私と妹は、学生の頃は「共有し合う」ではなくて「ライバル視」みたいな方向にいってしまった。(佐久間)

―いろんな形の人間愛を問うこの映画の主題歌を、家族・姉妹という特別な愛の関係の中で活動しているKitriが担当するということにも、すごくしっくりきました。

Hina:生まれたときから一緒にいるので、いつでも自然と息が合っちゃうし、それが当たり前と思っているんですけど……よく考えたらそれも愛なのかもしれないですね。

―佐久間さんも、妹さんがいらっしゃいますよね?

佐久間:はい、います。バチバチですよ(笑)。今は何周か回って仲良いですけど、殴り合いでした(笑)。そういうことはなかったですか?

Mona:そうですね、殴り合いは……(笑)。

佐久間:(笑)。口喧嘩とか?

Mona:昔からお互い言いたいことは言って、それを聞くようにはしていて。本当はいろいろ思っていることがあっても、まず「Hinaはどう思う?」ってちゃんと聞いて、意見交換して。特に今の音楽の現場においては、そうやって高め合っているというか。必然的に切磋琢磨していいものを作りたいっていう想いで過ごしているかなと思います。

佐久間:本当にいい関係ですね。喧嘩しなくて済むならしない方がいいですもんね(笑)。

Mona:喧嘩で生まれる深い絆っていうのも……。

佐久間:いや、話し合えるなら話し合って、ということが一番素敵だなと思います。それが人として大事ですよね。

―ひろみも、森山未來さん演じる三沢さんに対して、最初は喧嘩のような行為を仕向けていたけど、話し合いをして前に進んでいくわけですもんね。

Mona:お互いがお互いを必要としていて、絶妙に支え合っていて、という関係がすごく素敵だなと思いました。そんな姿が憧れるなあって。

佐久間由衣演じる「荒井ひろみ」と、森山未來演じる「三沢光昭」(© 2019『“隠れビッチ”やってました。』フィルムパートナーズ/光文社)

―佐久間さんは妹さんとどういう関係ですか? バチバチとはいえ、思い合うところもある?

佐久間:そうですね。学生の頃は、歳が近いことが、「共有し合う」ではなくて「ライバル視」みたいな方向にいってしまっていて、特に妹が。でも本当にくだらないですよ。私のクローゼットから黙って洋服を持っていって、とか(笑)。そんなことで殴り合いになるまで元気があった、ということだとも思います(笑)。

―「何周も回った」というのは、どういう変化が起きたゆえだったのでしょう?

佐久間:弟が10個離れているんですけど、弟が生まれてから妹との関係性も変わってきたのかな。今はお互い実家を出ているんですけど、実家にいる弟のことを、妹はすごく勉強ができるので勉強を見てあげたり、私はそういうことはできないので、弟が欲しいとかやりたいって言うものがあったらしっかり用意してあげたいと思っていたりとか。

弟自身、自分の中でちゃんと遠慮を持っている子なので、本人がお小遣いを貯めて買うって言うなら「そうしなさい」って言うし、本人が本当に欲しいって言ってきたら買ってあげる、みたいな。そういう距離感を保ちながらの兄弟ではありますね。

Mona:お姉さんとしての振る舞いが、すごく素敵……そう思うと私、なにもしてないです。

佐久間:いやいや、そんなことないですよ。

Mona:むしろ、妹のほうがしっかりしている部分もあって……。

Hina:本当に、お互いがお互いを補って過ごしてきたと思います(笑)。

でも、修行ですよね、愛って。永遠の。(佐久間)

―最後にひとつ大きなテーマの質問をさせてください。佐久間さんはひろみを演じて、Kitriは主題歌を作って、今、「愛」とはどういうものだと感じられていますか? 恋愛に限らず、友達なども含めて。

Mona:上手く言えないんですけど……自分が主語ではなくて、相手のことを想うこと?

佐久間:確かに、映画の中でも三沢さんから「これは愛じゃない」って言われるシーンがあるんですけど、それを言われたときに、吐きそうになるくらいドキッとしたんですよね。

確かにひろみは自分のことばっかりなんです。「私はこう思う」「あなたはなぜこうしてくれないの?」みたいな、全部自分が主観になっている。でも、相手がどうしてそうしてくれたのかを考えられて、受け入れられて、リスペクトもできて、という関係……私も上手く言えないですけど、そういうことなのかなって思います。

Mona:うん、そう思います。

佐久間:でも、修行ですよね、愛って。永遠の。私はドライなのかもしれないですけど、血のつながってない愛だとすると、分かり合えるとは思ってなくて。それはマイナスの意味ではなくて、分かり合えないから努力しないといけないし、感情的になったときに相手のことも冷静に聞かなきゃいけないし、それの繰り返ししかないのかなって思うんです。

Mona:そうですよね。違うことも受け入れて、日々上手くいかないこともありながら、愛になっていくのかなと。

Hina:相手のことを思いやってこそ愛が生まれると思いますし、自分ひとりじゃなくて、相手をまず見る、相手と向き合うことが大事なのかなって、映画を観て感じました。

―劇中では「自分の弱さに気づくこと、それこそが人生でもっとも価値があることだと、私は思う」とひろみが言いますが、みなさんにとって、今人生でもっとも大事にしてること、価値を感じられているものって、なんですか?

Mona:まさに、今日の気持ちですね。いろいろ話させていただいて実感したのは……たくさんの方々からの愛を受けて、自分自身も愛を持って、今音楽の仕事をさせていただいてるし、私たちが作ったものに佐久間さんが「応援歌」と言ってくださったことも……そういう一つひとつが愛だなって。それを受けて成長していけるんだなとも思いました。

佐久間:私は、出会いかもしれないです。出会ったことで気づいたり感情が生まれたりするから、大事だなと思いますね。

私は仕事もプライベートも大事だと思っているんですけど、仕事の面でももっとキャリアアップしたい気持ちもあれば、パーソナルな部分でももっとステップアップさせたいっていう、両方の気持ちがあって。今まで人との出会いに恵まれて今ここにいると思うので、私は、出会いがあって前に進めていくのかなと思います。

Hina:私も、似たことにはなるんですけど、人とのつながりがすごく大事だなと思っています。いろんな方に出会って、いろんな方の愛に触れることで、新しい経験ができたり、新しい自分に出会えたりする。なので、対人やつながりは、一番価値のあることかなって。

佐久間:……心が洗われます。

Hina:こちらこそです!

『“隠れビッチ”やってました。』ポスター(© 2019『“隠れビッチ”やってました。』フィルムパートナーズ/光文社)
リリース情報
Kitri
『さよなら、涙目』

2019年11月1日(金)配信

Kitri
『Kitrist』(CD)

2020年1月29日(水)発売
価格:3,300円(税込)
COCB-54295

Kitri
『Kitrist』(LP)

2020年1月29日(水)発売
価格:4,180円(税込)
COJA-9369

作品情報
『“隠れビッチ”やってました。』

2019年12月6日(金)に全国公開

監督・脚本:三木康一郎
原作:あらいぴろよ『“隠れビッチ”やってました。』(光文社)
主題歌:Kitri“さよなら、涙目”
出演:
佐久間由衣
村上虹郎
大後寿々花
小関裕太
森山未來
前野朋哉
片桐仁
前川㤗之
栁俊太郎
戸塚純貴
渡辺真起子
光石研
配給:キノフィルムズ

プロフィール
Kitri
Kitri (きとり)

Mona(姉)とのHina(妹)によるピアノ連弾ボーカルユニット。Monaはボーカル、ピアノ低音部(Secondo)を担当、Hinaはコーラス、ピアノ高音部(Primo)を担当。2015年より京都を拠点に音楽活動を開始。2016年ライブで京都を訪れていた大橋トリオの手に自主制作盤が渡り、絶賛される。大橋が手掛けていた『PとJK』(2017/廣木隆一監督)の劇伴音楽に、ボーカルとハミングで参加。2017年過去の音源を大橋トリオプロデュースにより再録音し、ユニット名「Kitri」として、パイロット盤『Opus 0』をデジタルリリース。2019年1月23日、日本コロムビア・BETTER DAYSレーベルのニューカマーとして1st EP『Primo』でメジャーデビュー。

佐久間由衣 (さくま ゆい)

1995年3月10日生まれ、神奈川県出身。2013年ViVi専属モデル公開オーディションでグランプリを受賞(2017年に卒業)。翌年『人狼ゲーム ビーストサイド』(2014/熊坂出監督)で映画初出演。2015年には『トランジットガールズ』(CX)でドラマ初出演にして、初主演を務める。NHK連続テレビ小説『ひよっこ』(2017)でヒロインの親友役を演じ一躍脚光を浴び、結婚情報誌「ゼクシィ」の10代目CMガールに抜擢。更なる注目を集め、以降ドラマ、映画で活躍中。主な出演作にテレビドラマ『明日の約束』(2017/KTV)、『シグナル 長期未解決事件捜査班』(2018/KTV・CX)、『チア☆ダン』(2018/TBS)、『このミス』大賞ドラマシリーズ『時空探偵おゆう 大江戸科学捜査』(2019/KTV・U-NEXT)、『連続ドラマW トップリーグ』(2019/WOWOW)。映画では『あの日のオルガン』(2019/平松恵美子監督)、『劇場版 ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん』(2019/野口照夫監督)など。現在は日本テレビ系10月期日曜ドラマ『ニッポンノワール-刑事Yの反乱-』に出演中。今後の公開待機作に、『屍人荘の殺人』(2019年12月13日公開/木村ひさし監督)がある。第32回東京国際映画祭『東京ジェムストーン賞』受賞。



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