NHK2026年度後期連続テレビ小説『ブラッサム』の主人公・葉野珠役を石橋静河が演じることが発表された。
第115作の連続テレビ小説となる『ブラッサム』は明治、大正、昭和を駆け抜け自由を求め続けた作家・宇野千代をモデルとした物語。小説を書きたいという幼き日の夢を諦めず、故郷の山口・岩国を飛び出し、魅力的な人々との出会いによって夢を手繰り寄せ、大正、昭和の激動の時代へと突き進んでいく姿を描く。作は櫻井剛。
開花を意味するタイトル「ブラッサム」には「咲き誇れ」という思いを込めたほか、「チェリー・ブラッサム」の「桜」は宇野千代のトレードマークだという。

【櫻井剛のコメント】
くれぐれも『ブラッサム』です。ブ『ロ』ッサムではなく、『ラ』です『ラ』。さぁ声に出してみましょう。
『ブラッサム』…ほら、花咲く感じがしませんか?作家・宇野千代さんは、小説家、着物デザイナー、雑誌の編集と、さまざまな花を咲かせた人物。宇野さんをモデルにした本作の主人公・葉野珠もまた、たくさん書いて書いて働いて、そして華やかに恋もして、色とりどりの花を咲かせてくれると思います。
人生の喜びも痛みも、その全部を養分にして珠がどんな花を咲かせるのか、みなさん是非お楽しみにして下さい。
【制作統括・村山峻平のコメント】
世の中では「人生100年時代」と言われています。受け止めは人それぞれですが、正直、途方もなくて大変そうだなと感じていたところ、宇野千代さんの本と出会いました。明治、大正、昭和、平成を駆け抜け、98歳までご健在であった宇野さん。
どんなにつらく苦しいことがあっても「生きること」を選択してきた、およそ100年の生き様に心を動かされました。同時に、目の前にある一日の大切さにも気づかされました。一日を迎える自分の心や気分、そして相手にかける言葉や表情次第で、その日がたのしいものに変わりうる。そんな一日をちょっとずつ積み重ねていくことが、愉快で幸せに思える人生につながる、のだと。
『ブラッサム』の作者の櫻井剛さんは、夜ドラ『あなたのブツが、ここに』でご一緒しました。日常の人々の息づかいを優しい目線でありながらも鋭く切り取る櫻井さんだからこそ、主人公・珠の生きる激動の時代に新しい光を当てられるのではないかと思い、お願いしました。主演の石橋静河さんは、自然体でありながら、その独特の雰囲気と「まなざし」が印象的で目が離せず、主人公・珠として生きる石橋さんを見たいと思い、オファーしました。
珠が生きる一日一日は目まぐるしく、時に苦しみや悲しみに襲われることもありますが、戸惑い悩みながらも、愉快に痛快に前に突き進んでいく珠の姿によって、見ている皆さんの一日一日に、ぱっと花を咲かせるようなドラマを半年間お届けできればと思っています。
【物語】
明治三十年(1897年)、主人公・葉野珠(はの・たま)は山口県の岩国に生まれました。実母は珠が2歳の時に亡くなり、父と後妻である継母によって育てられました。女学校を卒業後、代用教員として働き始めますが解雇され、故郷の岩国を追われることになります。親戚を頼って上京したことで、珠は幼き日の夢を強く意識し、小説の懸賞応募から、作家の道を切り開きます。
しかし、世の中は価値観が大きく揺れ動く時代。
大正から昭和にかけて、関東大震災と戦争、結婚と離婚、倒産そして借金…と、珠は、さまざまな困難にのみ込まれながらも、作家として生きることに向き合います。そうした中で、小説家として花を咲かせるのです。
時には敵を作り誤解され、傷つけ傷つきながらも、自由を求めて生きることに正直であり続けた珠は、小説に思いを忍ばせることで、読む人に「幸せ」を運んでいくのです。
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