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Photo: TOMITA Ryohei
Photo courtesy: NTT InterCommunication Center [ICC]
音楽家、サウンドアーティストのevalaが、メディアアートの国際コンペティション『アルス・エレクトロニカ賞 2025』で冨田勲特別賞を受賞した。
evalaは2024年12月よりNTTインターコミュニケーション・センター [ICC](以下ICC)で開催された大型個展『evala 現われる場 消滅する像』で発表した新作『ebb tide』と、これまでの活動が評価されて冨田勲特別賞を日本人で初受賞。
ICCでは受賞を記念して、evalaがICC無響室のために制作した『大きな耳をもったキツネ』『Our Muse』を8月8日から再展示。体験予約の詳細などについては後日ICCのオフィシャルサイトで告知される。
冨田勲特別賞とは
20世紀を代表する作曲家の冨田勲はシンセサイザー音楽の開拓者であり、生涯にわたってサラウンド(立体音響)への探求を続けた。冨田勲特別賞は冨田勲とそのクリエイティブスピリットを記念して、TOMITA information Hubとアルス・エレクトロニカが共同で授与する賞。
アルス・エレクトロニカ賞のデジタルミュージック&サウンドアート部門のゴールデン・ニカ賞と並行して選出され、デジタルミュージックとサウンドアート分野において、芸術的、技術的な挑戦を続け、革新的でユニークな音楽で人々に刺激を与えるアーティストと作品に贈られる。
【審査員のコメント】
サウンド・インスタレーション《ebb tide》で、日本のサウンド・アーティストevalaは、「聴く」というシンプルな行為がいかに変容的な体験になり得るかを示しています。彼は来場者を、意図的に視覚要素を最小限に抑えた構造物に座るよう促し、音に没入させます。この作品には、決まったリスニングスポットも、始まりも終わりもありません。音楽の伝統的な定義に逆らい、新たな感覚体験を提供することで、evalaは、視覚中心の世界において聴覚を研ぎ澄ませるという長年にわたる彼の探求を示しています。それは、立ち止まって今に集中することの重要性を強調しています。この精神は、彼のシリーズタイトル「See by Your Ears(耳で視る)」に完璧に凝縮されています。
この作品は、東京のNTTインターコミュニケーション・センター[ICC]で開催された彼の個展で発表されたいくつかのインスタレーションの一つで、サウンド・アート展としては前例のない数の来場者を集めました。審査員は、この作品がサウンド・アートを多くの人々に開かれたものにした点に大きな価値を見出しており、これは冨田勲が斬新な音楽やサウンドを広く一般に届けるというビジョンと合致するものです。
冨田勲はサラウンドおよび空間音楽への関心と情熱で知られていました。彼の名を冠した賞が、複数のオーディオチャンネルと空間を使うことで初めて生まれる聴覚体験の創造に専念するアーティストに贈られることは、彼の偉大な功績に対する何よりの証しとなります。

Photo: TOMITA Ryohei
Photo courtesy: NTT InterCommunication Center [ICC]

Photo: MARUO Ryuichi
Photo courtesy: NTT InterCommunication Center [ICC]

Photo: MARUO Ryuichi
Photo courtesy: NTT InterCommunication Center [ICC]

photo: Susumu Kunisaki
photo by Susumu Kunisaki
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