メイン画像:©2025「秒速5センチメートル」製作委員会
実写映画『秒速5センチメートル』の新キャスト、ティザービジュアル第4弾、新海誠のコメントが公開された。
原作は『君の名は。』『天気の子』『すずめの戸締まり』などを生み出してきた新海誠監督の劇場アニメーション『秒速5センチメートル』。松村北斗演じる主人公・遠野貴樹の18年間にわたる人生の旅を描く。監督は、米津玄師“感電”“KICK BACK”、星野源“創造”のMVや、昨年公開されたオムニバス長編映画『アット・ザ・ベンチ』で知られる奥山由之。公開は10月10日。
新キャストは高畑充希。遠野貴樹が小学生のころに出会い、ともに過ごすうちに心を通わせていく篠原明里役を演じる。「来年も、一緒に桜見れるといいね」と、この先もずっと一緒に過ごしていけると信じていた幼い2人は親の転勤を機に離れ離れになってしまう。中学生での再会時に交わした約束を最後にそれぞれの道を歩み続け、やがて大人へと成長した明里(高畑充希)は新宿で書店員として働く静かな日常を過ごしていた。
ティザービジュアル第4弾は、曇る窓ガラスを背景にバスの座席に座る明里の横顔を捉えたもの。

©2025「秒速5センチメートル」製作委員会
【高畑充希のコメント】
正直、お話をいただいた時は、本当に?!私ですか???と、不安だらけでした。
なぜなら、新海さんのアニメの中に居る明里さんは、動く度花びらが舞うような、「素敵な女性、という概念」みたいな存在だったので。私にとって。
ですが、いただいた台本を開くと、そこには「概念」じゃなくて「人間」が居て、私が見させてもらっていた明里さんは、貴樹の目を通した明里さんだったのかなぁ、と。少しだけ明里さんを身近に感じることが出来ました。
今回あの新海さんの世界観を実写に落とし込んだスタッフさん達が、本当に凄くって!
何より、10年以上前から写真で一緒にお仕事してきた同級生の奥山監督の、1本目の商業長編作品に参加出来て、幸せな気持ちです。
【新海誠のコメント】
映画を観始めて、最初はなんだか居心地が悪かったのです。
不完全で未熟なバトンを若い作り手たちに渡してしまったような気持ちでした。
しかし途中から映像に呑まれ始め、最後には自分でも驚いたことに、泣きながら観ていました。
原作由来の要素に自分で泣いているのか、奥山組に泣かされているのか、あるいは失われた2000年代に泣いているのか自分でもよく分からないまま、でもとにかく、強く感動させられました。
あらためて、『秒速5センチメートル』は奇妙な物語です。たいしたドラマツルギーもなく、胸のすく活劇もなく、ヒーローも悪役もいない。皆が理由もなく傷つき、傷つけられ、いつもなにかが満たされずにいる。
でも20年前は、その「なにもなさ」が私たち自身の姿であり生活であり、それを掬いあげるようなアニメーション映画を作ろうと思っていたのです。
アニメーション版がその目標に届いていたかは心許ないのですが、今回の実写映画では当時のその不器用な種が、青さも含んだままに見事な結実となっていました。
『秒速5センチメートル』を作っておいて良かったと、(ほとんど初めて)心から思えました。
奥山組の皆さん、本当にありがとうございました。
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