映画『さとこはいつも』本編映像到着。「日本の映画ポスター、なんでこうなるの?」論争の裏側

©2026 「さとこはいつも」製作委員会

映画『さとこはいつも』の本編映像が到着した。

9月18日に公開される同作は、長編映画デビュー20周年となる沖田修一監督のオリジナル作品。年齢も育った環境も異なる3人の「さとこ」という女性たちが自由で、みっともなくて、愛おしい日々を「自分の物語」として書き始めたとき、3人の人生が交差していくというあらすじだ。

初めての恋を持て余し、妄想が暴走していく中学3年生、15歳の中井聡子役を姫野花春、不倫も仕事もスランプ気味、迷走中の映画配給会社勤務、35歳の西田沙都子役を有村架純、子育てがひと段落し、久々の自分時間で夢に目覚めた55歳の飯島里子役を石田ひかりが演じる。3人のトリプル主演となる。

今回公開されたのは、映画配給会社の宣伝プロデューサーとして働く沙都子の「オンとオフ」を捉えた本編映像。新作韓国映画の宣伝会議で周囲が凍りつくのも構わず、正論を叩き込む沙都子の姿や、不倫関係の村本(オダギリジョー)とのおでんデートでは、自ら切り捨てたはずの方針のビジュアルを前に「絶対こっちの方がいいんだよ」「だって監督、キム・ヘジョンだよ?」と本音を明かす様子が映し出されている。

同作では映画宣伝のリアルを追求するため、クランクイン前に沖田監督、演出部、プロデューサーがハピネット・ファントムスタジオの宣伝会議に潜入取材を敢行。

また、劇中で沙都子が宣伝を担当する韓国映画『2万ウォンのプレイボール』の本国版/日本版ポスタービジュアルを、同作のメインビジュアルも手がけている大島依提亜監修のもと秋山怜美が担当した。

さらに数々のヒット作の宣伝・製作を手がけてきたプロデューサーY氏、沖田監督作品の宣伝プロデューサーを務めたN氏から、映画宣伝の「あるある」が詰まった応援コメントも到着。

【デザイナー/大島依提亜のコメント】
映画のプロッブデザイン(小道具)は、たとえ一瞬しか映らないものでも、こだわることよって作品全体の深みを増すとは思っていましたが、沖田組の場合、そのこだわりは尋常じゃないです。今回ディレクションというかたちで、少しだけお手伝いさせて頂きましたが、その一端を垣間みた気がします。劇中に出てくる韓国映画のポスター写真のためだけに、わざわざロケハンをし、いかにも韓国映画に出てきそうな役者やシチュエーション、写真の色味まで寄せたりと、本気でふざける沖田監督の作品性に通底しているものを感じます。そんな沖田監督の意思に応えるべく、これまたいかにもな韓国映画の日本版っぽいポスターデザインに仕上げて下さった秋山怜美さんにも感謝。しかしそれもこれも一瞬しか映らないわけですが!

【デザイナー/秋山怜美のコメント】
韓国版・日本版、それぞれの国で異なる映画ポスターデザインの特徴を研究するところから、今回のデザインは始まりました。
リアリティを追求する中で、普段は悩みながら進めていくデザインも、”あえて”表現をしていく過程はとても面白く、貴重な経験となりました。
沖田監督をはじめとする作り手の遊び心や細部へのこだわりを知った上で観ると、何気なく映る一瞬にも作品への愛情やユーモアをより感じていただけるのではないかと思います。

【某宣伝プロデューサー/Yのコメント】
映画の宣伝プロデューサーという役割は、時に孤独です。「映画」なるものの「宣伝」という、答えがない感が満載な職務において、どうにか地に足をつけて理路整然であろうとし、最後は、誰が何を言おうと、一人で決断をしなければならないからです。
有村架純さんが演じる宣伝プロデューサー・沙都子は、とある(ヒットするかどうか、なんとも微妙な)韓国映画の宣伝方針をチームにプレゼンします。局面を突破できそうな強みがない映画にありがちなのですが、そのプレゼンはどこか教科書的で、うわの空な様子です。考えすぎると思考停止気味になることは、宣伝マンに付き物です。キャッチコピーの案を、繊細な言い回しの違いで100本ノックのように打ち続けるパソコンの画面、あるあるです。

さて、そんな沙都子さんが提案するポスターの案に対して、まだ瑞々しさのある若手から対案が出されます。
映画をご覧になるみなさんは、どちらが良い案だと思うでしょうか?おそらく、こっちが断然いいでしょ!(どちらとは言いません)と、大半の人が思うでしょう。でも、そうは問屋が下さないのが映画の宣伝なのです。
さあ、果たして、沙都子のポスター案は承認を得ることができるのか・・・!!

それは、全くもって映画の山場ではありませんが、『さとこはいつも』は、そんな小さな局面の積み重ねが、やがて大きな渦と化していく、三人の女性の物語です。
人は言葉で生きている。その悩ましさと愛おしさを感じる、格別な体験をぜひ映画館で味わってください。

【某宣伝プロデューサー/Nのコメント】
沖田監督作品を過去に宣伝させていただいた身として、主人公が映画宣伝マン、(そして同じ名字)と知った時点で胃がきゅっとなりました。
絶対に採用されないであろうコピー案の羅列、ポスター案を一度遠くから見てみる、とりあえずデザインのバランスを褒めてみる、
やけに人数の多い会議、皆が宣プロの意向を気にして本音を言い切れない空気、そんな中で若手が率直な意見を出したら全否定されてしまう怖い感じ。独特の緊張感がリアルで、さらに胃が締め付けられました。(笑)あと、この韓国映画、良い作品そうだけど当てるの難しそうだなぁと。
作り手の作家性を信じながらも、目標興収との間で葛藤する沙都子の姿に、「あるある」と深く共感しました。
これまで誰かが作った作品の魅力を届ける立場だった沙都子が、自分自身の物語を紡ぐために一歩踏み出していく姿がとても愛おしく、沙都子、そして「さとこ」たちに向けられた沖田監督の温かな眼差しが随所に感じられる素敵な作品でした。

映画『さとこはいつも』公式サイト|2026年9月18日(金)全国ロードショー


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