ダン・グラハム「Model C」、2022年、建築モデル(ハーフミラーガラス、アルミフレーム、ガラス、木)、100 x 175 x 91 cm
Dan Graham, “Model C”, 2022, architectural model; two-way mirror, frame, glass, wood, 100 x 175 x 91 cm, edition of 3
© Dan Graham. Courtesy of Dan Graham Estate, Marian Goodman Gallery and Taka Ishii Gallery / Photo: Kenji Takahashi
『第一回 前橋国際芸術祭 2026』の連携企画としてグループ展『スモール・アーキテクチャーズ: 光、空隙、都市』が9月19日から、まえばしガレリア 1F タカ・イシイギャラリー 前橋で開催される。
同展では、写真作品、建築ドローイング、マケット、モダニズムを代表する椅子の数々を展示。まえばしガレリア(平田晃久建築設計事務所設計)が同展の会場となったのも前橋で進みゆく創造的なまちづくりと呼応するものだという。ギャラリー内では、それぞれの作品が平田晃久による構造的なキャノピーや、それを取り囲む都市と対話しながら「小さな建築」を形作ることを通して、建築が物理的な構造であるだけでなく、光、空間、人の存在によっても形成され得る在り方を探る。
今回紹介されるのは、光学現象、構造の不在、現代都市の心理的なグリッドを通して、建築空間を新たに捉え直す3名のアーティストの作品。
宮本隆司の『ピンホール直島』は、カメラ・オブスクラを用い、光によって周囲の風景を反転させて室内の壁面に投影することで、建築そのものを光学装置へと変え、空間の変容を実物大で生み出す。
畠山直哉の『アンダーグラウンド / リバー』シリーズが東京の下水道や暗渠化された渋谷川といった地下に潜む空間を探る一方、同じく畠山の『無題 / 大阪』は用途を転換された大阪球場を高所から捉えており、両作品は都市景観の中で見過ごされてきた間隙と、都市が新陳代謝を続ける動的な過程を浮かび上がらせる。
ダン・グラハムは代表作である写真エッセイ『Homes for America』とパビリオンのプロトタイプ『Model C』を結びつけることで、建築による統制をめぐる自身の50年以上にわたる人類学的な取り組みを明らかにする。
この対話に構造的な見取り図を与える平田晃久の『Tree-ness House』のドローイングは、堅固なコンクリートの箱が幾層にも重なるテラス、空隙、有機的な開口部へと解体されていく概念的な地図として機能し、まえばしガレリアそのものへと連なる設計思想の系譜を解き明かす。
会場各所に配されたモダニズムの椅子は、家具を、建物と人間の身体が出会う建築における最小かつ最も親密な単位として捉える。ジャン・プルーヴェの『デモンターブル』と『スタンダード』は中空の鋼板によって軽量性と効率性を実現し、ピエール・ジャンヌレの『ライブラリーチェア』と『イージーチェア』はル・コルビュジエによるチャンディーガルの美学を反映。さらにシャルロット・ペリアンの木を削り出した『タブレ スツール』、リナ・ボ・バルディの有機的な『デッキチェア』、マルセル・ブロイヤーによるスチールとラタンを組み合わせた透過性のあるバウハウスの家具、ルイス・バラガンとクララ・ポーセットによる住空間のためのデザインが紹介される。
なお入場には『第一回 前橋国際芸術祭 2026』のパスポートの提示が必要となる。
畠山直哉「無題 / 大阪」、1998年、ラムダプリント、89 x 180 cm
Naoya Hatakeyama, “Untitled / Osaka”, 1998, lambda print, 89 x 180 cm
© Naoya Hatakeyama / Courtesy of Taka Ishii Gallery
畠山直哉「無題 / 大阪」、1999年、ラムダプリント、89 x 180 cm
Naoya Hatakeyama, “Untitled / Osaka”, 1999, lambda print, 89 x 180 cm
© Naoya Hatakeyama / Courtesy of Taka Ishii Gallery
宮本隆司「ピンホール直島」、2006年、Cプリント、304 x 319 cm
Ryuji Miyamoto, “Pinhole NAOSHIMA”, 2006, C-print, 304 x 319 cm
© Miyamoto Ryuji / Courtesy of Taka Ishii Gallery
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