伝説の現場はこうやって生まれる たむらまさき×染谷将太対談

75歳の新人監督。といっても、映画好きならたむらまさき(2002年以前は田村正毅名義)の名前を知らぬ者はいないだろう。1970年代からドキュメンタリー映画の巨匠・小川紳介の『三里塚』シリーズを始め、相米慎二、伊丹十三、石井聰亙、青山真治、河瀬直美……といった各世代の監督の作品で「キャメラマン」を務め、国際映画祭の受賞作品にも数多く参加。まさに、40年以上にわたって日本映画を支え続けてきた人物のひとりだ。そんなたむらが、芥川賞作家・伊藤たかみの小説を原作に、染谷将太と黒川芽以を主演に迎えて監督兼キャメラマンとして撮った初めての長編映画が、『ドライブイン蒲生』だ。その画面は、今まで彼が関わってきた映画とは異なる、ある「曖昧さ=自由」に満ちている。自ら監督することはこれまでと何が違ったのか? そして彼は何を撮ろうとしたのか。その稀有な現場に立ち会った染谷将太を交えて、監督たむらまさきの演出と撮影の秘密に迫った。

たむらさんは「みんなで楽しみましょうよ」「そのままやってくれればいいから」っておっしゃってくれて、ああ素敵だなあって。(染谷)

―今回たむらさんが75歳を迎えて、初めてご自身で監督しようと思われたきっかけは何だったんでしょうか?

たむら:越川道夫(本作の企画・プロデュース)にだいぶ前から「監督をやってみないか」と言われていて、ほとんど何も考えずに「うん、やってみても面白いね」って承知しちゃっていたわけです。そしたらホントに撮らざるを得ない状況になって、撮影の直前に染谷くんと黒川(芽以)さんの二人を紹介されたんです。

『ドライブイン蒲生』 ©2014 伊藤たかみ/キングレコード株式会社
『ドライブイン蒲生』 ©2014 伊藤たかみ/キングレコード株式会社

―染谷さんがたむらさんの存在を最初に知ったのはいつごろですか?

染谷:高校生のころだと思います。知り合いでたむらさんとお仕事したことある人がけっこういて、その人から話を聞いたのが最初ですかね。もちろんたむらさんが撮った作品も見ていたし、数々の伝説も伝え聞いていて、魅力的な方がいるなと思って。

―たむらさんが染谷さんに最初に会ったときの印象はいかがですか?

たむら:素敵だったなぁ。会ってすぐはとりとめのない話しかできませんでしたけどね。今回は監督も撮影も自分でやったんですけど、最初に会ったときは染谷くんのことをキャメラマンとして見てたんじゃないかな。それはどう撮ろうとかこのアングルがいいとかじゃなくてさ、染谷くんが「トシ」という役として、何の違和感もなく受け入れられた。それで「撮れるな」って思ったんです。そこからだんだん「撮ってみたいな」になってきて、「ああ、いいな」って感じになったんですよね。

染谷:初めのころに、たむらさんは「みんなで楽しみましょうよ」「そのままやってくれればいいから」っておっしゃってくれて、ああ素敵だなあって。それで実際、すごく楽しめたので。

左から:染谷将太、たむらまさき
左から:染谷将太、たむらまさき

―原作は伊藤たかみさんの同名小説ですが、もともと撮りたいテーマと合致した作品だったのでしょうか?

たむら:先ほど話した越川が原作も選びましたが、僕の撮りたいテーマはすべて脚本の中にあります。というのも、シナリオも役者と同じで、違和感なくすっと入ってこないと撮れないんですよね。脚本も何稿か重ねるんですけど、あるとき「あ、これはこのまま撮れるな」というものに至ると、完成なんです。そこにはもう、撮りたいテーマも何もかもあるわけですから。

僕はキャメラマンとして、本番中はいつでもレンズ越しに相手とやり取りをしてるんですよ。そういう対話をしていると、無意識に、光学的なものとは別の、写らない何かが走る瞬間があるわけです。(たむら)

―監督と撮影を兼任されていますが、そこでの苦労はありましたか?

たむら:監督なのに変なこと言いますが、私は半分しか監督してないんです。監督役はほとんど越川に任せて、あとは撮影ですからね。映画を撮るっていうのは実際に撮影するってことなんですよ。そこで越川が何か演出を色濃く押してきたりすると、「そうはいかないよ!」ってキャメラマンの自分が反発しちゃう。もちろん越川の言う通りだというシーンもあるんですけど。

染谷:とはいえ、我々役者は、当然たむらさんに監督として接していましたからね。現場の流れというか場所の空間が、たむらさんの人間力で作られていたし、それは役者もスタッフもみんな感じていたと思います。そういえば、撮影が終わってみんなでお酒を飲んでいたときに、たむらさんが「監督がいないというのは、こんなに素晴らしいこととは!」っておっしゃっていて(笑)。

左奥:染谷将太

たむら:そんなこと言ってた?(笑) でもあの最後の日はとても楽しかったな。撮影中も楽しかったんだけどね。まあ、だからやれたんですよ。楽しくないまま撮ったら、全部楽しくなく写っちゃいますからね。

―撮影期間はどれくらいだったのでしょうか?

たむら:5日です。

染谷:この尺(89分)で5日はあり得ないですよね。

たむら:他の誰かがやれば、どう頑張っても10日か2週間はかかる。でも私は昔っから早撮りですから、リテイクはほとんどしなかったです。これは演じる側との呼吸が合ったからできるんです。なんて、チームのことを自慢しちゃった(笑)。グワーっていう緊張感のある集中力じゃなくて、ほとんど遊びながら、あるときにヒュッと集中する。そういうときに一番いいものが撮れるんです。

たむらまさき

染谷:本当に1発OKで、こっちが役に慣れちゃう前にだいたい終わっていくのが面白かったです。何回もやってると変な欲も出てきちゃうので、つまらないこと喋ったりするんですけど、そんなことする隙間もたむらさんは与えなかった。それに、たむらさんってなかなかカットをかけないんですけど、カットがかからないと役者の習性としてみんな芝居を続けちゃうんです。だんだんたむらさんがどこでカメラを構えているのかも曖昧になってくる中で、誰かが何か言ってみたり、動いてみたり。それが結果的にほとんど使われてるっていう、やろうとしてもなかなかできないことをやられていたと思います。たむらさんは「みんなが芝居を続けるからカットかけられないんだよ」っておっしゃるんだけど(笑)。

『ドライブイン蒲生』 ©2014 伊藤たかみ/キングレコード株式会社
『ドライブイン蒲生』 ©2014 伊藤たかみ/キングレコード株式会社

たむら:僕はキャメラマンとして、本番中はいつでもレンズ越しに相手とやり取りをしてるんですよ。「やってるな、やってるな」って。それが良いうちは、カットはかけられないでしょう。

染谷:僕らもそうですよ。「まだ撮ってる、まだ撮るんだ」って(笑)。

たむら:そういうやりとりをしていると、無意識に、光学的なものとは別の、写らない何かが走る瞬間があるわけです。それを私は「対話」と言っているんですけど。

―実際、長回しのカットで良いシーンが多いですよね。ラジオの音楽に合わせてダンスするシーンも、なかなかカットがかからずに?

染谷:そうですね。あのときは、試しに1回、変なステップを僕が踏んだんですけど、「そのままカメラのほうに来て」ってたむらさんがおっしゃったので、本番でそのままカメラのほうに向かってはけて(画面の外に出て)、また入ったり、そういうことを自由にしてましたね。

―駐車場での花火のシーンも印象的でした。花火をしながら手前のカメラのほうにだんだん近づいてきますよね。

たむら:自分で言うのもなんですけど、あのシーンいいでしょ?(笑) 自分でも好きなんです。あれは、カメラの位置を教えて、最初はここから始まって、だんだんこっちに寄って来てくれって言っただけなんです。それが私の演出。

―ここも一発OKですか?

たむら:もちろん一発ですよ。それでうまくいくんですよ。

染谷:普通はうまくいかないですよ(笑)。ほかの監督さんの場合は、ある程度求めているものに対して、テイクを重ねてそこに僕が寄せていくことが多いんですけど、今回そういうことが一切なかったんです。だから毎回一発でOKなのもだんだん当たり前のことに思えてきたし、ホント不思議でした。

映画を撮る作業って、どんどん視界が狭くなる作業なんです。でも今回はそういう変な疲労感みたいなものが全くない現場だったので、こっちも自由に遊べますよね。(染谷)

―先ほどたむらさんが染谷さんを「トシとして違和感なく見られた」とおっしゃっていましたが、染谷さんはトシをどういう人物だと捉えていましたか?

染谷:第一印象は、すごく弱いというか、登場人物の中で一番幼いなと思ったんです。でも幼すぎて、たまに彼の発する一言が蒲生家という家族の中で誰より大人びたことを言ったり、大人っぽい存在になったりするような、面白い人だなと。あとは、どの現場をやるにしてもそうですけど、役に対する第一印象や監督からオーダーがあって準備したことを、現場に入ったらなるべく忘れて、準備したことを捨てるようにして臨みました。

―それはなぜですか?

染谷:なるべく、見ている人にばれないように情報を与えたいんです。それはとてつもなく難しいんですけど、押しつけることなく、そこにいるだけで何か伝えられるような役者になれたらと思っているので。その点で、たむらさんはクランクインする前に「普通にやればいいんです」とおっしゃっていたこともあって、実際に現場に無理がなかったんですよ。純粋に映画を作る行為の中で何も無理をせずに、みんなで面白いことをやって、僕もかなり遊んだと思います。それがたむらさんという人間を表しているんじゃないかと思いました。映画を撮る作業って、どんどん視界が狭くなる作業で、普通は周りが見えなくなって、頭でっかちになってくる。そういう変な疲労感みたいなものが全くない現場だったので、こっちも自由に遊べますよね。

染谷将太

―たむらさんならではのカメラワークのようなものは感じましたか?

染谷:カメラを持っているたむらさんが、すごく面白い距離感なんです。役者を見守っているというか、数字的な距離ではない独特の距離感があって、それは他では感じなかったものですね。パッと急にカメラの存在感が増すときと、すーっと陰から見てる、「あれ、カメラどこに行った?」っていうときがありました。

たむら:シーンないしショットによっては、言葉でなくカメラで役者に働きかけていくことがあるんです。それは近寄るとか凝ったアングルとか具体的なこととは違うんですけど、染谷くんは応えてくれました。気持ちが通じると嬉しいし、逆にクソ! って思って撮るとそれも映っちゃう。本当に画面というものは隠せないです。その対話がシーンの「あや」になると私は思うんです。つまり、ショットの感じが演じてる人の感じにともなったとき、セリフやト書きというのを超えて、もうひとつの「ある感じ」が醸し出されるわけです。

右:たむらまさき

―そういうのは撮っている瞬間にわかるものなんでしょうか?

たむら:私は撮りながら、同時に自分のことを客観的に鑑賞したり判断しているんですね。だからOKを出すだけじゃなくて、「下手だなお前」って鑑賞者の自分が言うときもある。でも、今回はそれが1カットもなかった。

―染谷さんの中にも演じてる自分とそれを客観視している自分はいますか?

染谷:いやあ、全然わからないですね。本番中のことをあまり覚えていないんです。断片的に写真のようになら覚えてますけど……。

たむら:でも、誰でもそれをしているはずですよ。意識してない場合もあるかも知れないけど、特に役者はそうじゃないですか? ただ、キャメラマンでそういうタイプはあまりいないんです。私は自意識が強いのか、いつももう一方で自分を見てる。逆にそこで瞬時に判断してないとOKかNGかわからなくなってしまうんです。

『ドライブイン蒲生』 ©2014 伊藤たかみ/キングレコード株式会社
『ドライブイン蒲生』 ©2014 伊藤たかみ/キングレコード株式会社

―ということは、これまでにたむらさんがOKと思っても、監督がOKを出さないこともあったわけですよね。

たむら:もちろんあります。もうその瞬間に喧嘩ですよ。だから以前は喧嘩ばっかりしてたんです……。極端に言うと、撮影というのは喧嘩です(笑)。ちょっと差し障りも生ずる言い方をすれば、キャメラマンとして撮影しながら、監督に対して「これをOKと認めろ!」という意識が働いているんです。逆に監督から「こう撮れ」と言われるのも、「なにクソ!」って思うんです。「言うとおりになんか撮るわけないじゃないか!」って。ほんとタチが悪いんですよ(笑)。ですから、今回は監督も自分だから、やりたいことをやれたというわけです。

押しつけがましくない映画はどんどんなくなっていっています。だから今回、超曖昧なショットで、数少ないショットで、ちゃんと映画にするということをやりたかったわけ。(たむら)

―染谷さんから見て、他にも今回の現場ならではの印象的なシーンはありましたか?

染谷:全部印象的でしたけど、ひとつだけ初めてのできごとを言うと、新聞回収の荷台に乗って新聞の束を道路に放り投げるというシーンで、たむらさんが撮影するときに「人止めはするな」と言ったんですね。だからそのシーンは一般の車両や通行人が通ったりしていて、普通そういう場合に一般の人は撮影しているカメラを見てしまうものなんですけど、誰一人カメラを見ずに芝居を見てたんです。そういうことは初めての経験だったので、何でこんな面白いことが起きるんだ!? ってびっくりしました。

たむら:街の中で大きいカメラを据えて周りにスタッフ並べて撮ってたら、そりゃ見ちゃいますよね。でも私は普通に撮ってますから。今はカメラも小型だし。

染谷:いや、絶対にそういうことじゃないです!(笑) 今回の現場も普通にスタッフはいるし、マイクの竿も伸びてるし、なのにみんなカメラは見ないで芝居だけ見て去って行きましたから。不思議すぎましたね。

右:たむらまさき

たむら:「撮ってるぞ!」っていうことじゃないんですよね。「一緒にいるよ」っていう感じ。演ずる側も撮る側もそんなに違いはありません。撮られたショットというのも演技のひとつなんです。あるショットをこのようにここから撮るよと役者に働きかけることは、撮るほうも実はその演技に参加しているわけです。

―確かにこの作品は、シーンの一つひとつから撮っている側の肉体が感じられたんですよね。構図を決め過ぎたシーンがほとんどないのもあって、見ている側の視点が解放される自由な感覚がありました。

たむら:いいこと言ってくれるね。「これはすごい画面だ!」というのとは違うんです。ああだこうだと理屈やテーマを押しつけるような作品は私は撮れない。今回ほとんどクローズアップは撮ってないんですけど、それでいいんです。ある程度離れて撮っていても、見る側はきっと見たいものを見てくれる。見る側も見ながら編集しますから。だから見る人によって編集は違うと思いますが、またそれが面白いんですね。

―それこそ見る側にも「遊び」の余地があるというか。

たむら:そういうふうに作ってるわけです。自由に見られるような余裕を与えるというよりは、こちらが撮っておくわけです。それで、見る側が自由にクローズアップしたり、あるいは引いてみればいい。僕はそうやって、曖昧にしちゃうんです。もちろん押しつけでカッチリ撮られた作品の中に優れたものもありますよ。黒澤の作品というのはそうですよね。「こうだ!」って押し付けてきて、しかもそれを感じさせない。だからすごいんです。そうやって見せたがる映画もたしかにあるんですけど、そうでない映画もあっていいわけで。でも、押しつけがましくない映画は、私が映画に関わってきたたかが数十年の歴史の中でもどんどんなくなっていっています。だから今回、超曖昧なショットで、数少ないショットで、ちゃんと映画にするということをやりたかったわけ。でもそれは一人でできるわけじゃない。対象がそれに応じてくれたからこそできたんです。

右:たむらまさき

―画面で最初に役者さんが二人並んでいるカットがあって、そこにもう一人入ってくると急に風景が拡がって、時空が変化していくようなシーンが何度もあって、素晴らしいなあと思いました。

たむら:ああいうことが映画なんですね。舞台とそこが決定的に違う。それを撮れるというのは本当に幸せです。カメラを置く場所さえ決めればちゃんと映っちゃうんだから、ああだこうだひねる必要はないんです。今までは監督にショットが割られるたびに、理屈を持ち込まれてできなかったけど、これまでずっとこういうことをやりたかったの。実は今回も、最初にシナリオをもとに300くらいのショットに割ってみたんです。でも、初日に現場に入って、そんなことしなくてもみんなちゃんと演じてくれることがわかって、だとしたらそのまま撮っちゃおうって。私は皆さまの賜物でそうなったんですけど、小津や溝口といった名人というのは、そういうことをちゃんと意識してやっていたんだと思いますよ。

染谷:それが演出だというのは、本当にそうだと思いますね。さっきからたむらさんは「自分は監督じゃない」とおっしゃってますけど、初めから言っているように実際は相当監督だと思いますけどね(笑)。それこそ最初のシーンを10何カットに割って撮ったら、違う芝居しているだろうし、蒲生家がまったく違った家族に見えるでしょうし。割る必要なく撮れるというのは、もう割れてるというか、割れる要素が1枚の絵できているから。我々は意識的にフレームアウトしてたわけでもインしたわけでもなく、ただたむらさんの置いた絵の中でやることをやったら、勝手にインして勝手にアウトしてただけなんですよね。意図してたわけではないのに、そうなるんだっていうのがすっごく面白かったです。

『ドライブイン蒲生』 ©2014 伊藤たかみ/キングレコード株式会社
『ドライブイン蒲生』 ©2014 伊藤たかみ/キングレコード株式会社

―お話をうかがっていると初めての監督をとても楽しまれたようですが、また監督したい気持ちもありますか?

たむら:うん。ありますね。

染谷:最終日の打ち上げで「また撮りたいな」ってすぐ言ってましたよね(笑)。

たむら:本当に楽しかったから。何十年とキャメラマンをやってきて、いつも終わって肉体的にはホッとしますけど、心象的に良かったと感じたことは残念ながらあまりないんです。でも今回みたいに、楽しかったからもう1回やってみたいというのは人情でしょう?(笑)

左から:染谷将太、たむらまさき

―そういった現場の楽しさは確実に画面から感じられますから、観客の皆さんも自由に楽しんで見てほしいですね。

染谷:本当に良い意味での隙間やのりしろの多い映画だと思うので、普通に娯楽として見てほしいですね。人によって見えるところは違いますけど、それぞれに絶対気になるところがあると思うし、そういうのを楽しんでもらったら、それほど映画にとって幸せなことはないんじゃないかと思います。

たむら:言葉では言えない「ある感じ」、そういうものが画面にあるわけですね。その蓄積が映画です。それが心地よいかどうか。さっき「ショットを曖昧にしている」と言いましたけど、言い換えると、この映画の画面にあるのはコントラストなんです。トシが姉といればその二人のコントラスト、組み合わせが変わればまた別のコントラスト、そのコントラストをカメラで寄ったり引いたりして示すのではなくて、曖昧なサイズのショットの中で示しているわけです。だから見る側は、そのコントラストに応じて自分で引いたり寄ったりして選んで見てくれれば嬉しいですね。

作品情報
『ドライブイン蒲生』

2014年8月2日(土)からシアター・イメージフォーラムほか全国順次公開
監督・撮影:たむらまさき
脚本:大石三知子
原作:伊藤たかみ『ドライブイン蒲生』(河出書房新社)
音楽:ヤマジカズヒデ
出演:
染谷将太
黒川芽以
永瀬正敏
小林ユウキチ
猫田直
平澤宏々路
吉岡睦雄
黒田大輔
配給:コピアポア・フィルム

プロフィール
たむらまさき

1939年1月26日生まれ、青森県出身。1959年から2年間、人形映画製作所で人形アニメーションの撮影に携わった後、岩波映画製作所と契約。1970年、小川紳介監督『日本解放戦線 三里塚』でキャメラマンデビュー。以降、1987年頃まで小川プロのドキュメンタリー作品と劇映画を並行して手がける。1982年、柳町光男監督『さらば愛しき大地』で毎日映画コンクール撮影賞を受賞。1990年代半ばより、青山真治監督をはじめとする新進監督と組み、日本のインディペンデント映画の支柱的存在となる。1997年、河瀬直美監督『萌の朱雀』と諏訪敦彦監督『2/デュオ』で毎日映画コンクール撮影賞受賞。2002年、名前を「田村正毅」から「たむらまさき」に変更。2008年、文化庁芸術選奨映画部門文部科学大臣賞受賞。

染谷将太(そめたに しょうた)
1992年9月3日生まれ、東京都出身。9歳の時に『STACY』(01/友松直之監督)で映画デビュー。『パンドラの匣』(09/冨永昌敬監督)で長編映画初主演。以降、日本映画の新世代を代表する俳優として活躍し、2012年『ヒミズ』(園子温監督)で第68回ヴェネチア国際映画祭マルチェロ・マストロヤンニ賞、『ヒミズ』と『悪の教典』(三池崇史監督)で第36回日本アカデミー賞新人俳優賞、2013年にエランドール賞新人賞を受賞。


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