夜ドラ『ミッドナイトタクシー』が6月1日からNHK総合で放送される。
昨年の『向田邦子賞』を28歳という史上最年少で受賞した兵藤るりのオリジナル脚本となる同作は、「出会い」の物語ではなく、「心がふたたび動き始める瞬間」を描いた物語。夜の東京を走る1台のタクシーを舞台に、古川琴音演じる29歳のタクシードライバー・蘭象子と、乗客たちによる「ひと夜の物語」が繰り広げられる。放送は毎週月曜〜木曜22:45から。全32話。
蘭象子役柄:東京都内のタクシー会社に勤めながら深夜勤務専門でドライバーをしている女性。アフリカで生まれ北欧に引っ越し、その後は母の祖国・日本に引っ越して、小学生時代は母子二人の生活を送っていたが、ある日突然、自由奔放な母に捨てられ、その後は母方の叔母・弥生に育てられた。タクシードライバーになってからは、後輩たちからも一目置かれる優秀な運転手として働くが、間もなく30歳になろうとするなか、ふとそれまで意識してこなかった思いにとらわれるようになる。
【古川琴音のコメント】
考えてみると、タクシーの車内ってとても不思議です。はじめましての運転手さんと2人きり、でも乗った瞬間に今までいた世界とプツンと切り離されて、家でもないのに無防備な自分になっていく…そんな空間で、蘭象子というこれまた不思議なドライバーと出会ってしまった乗客たちは、忘れることのできない時間を過ごすことになるのですが、象子にとっては、「どんな乗客も平等に目的地に送り届け、お金をもらう」という当たり前の仕事をしたまでのこと。そのアンバランスさにくすっと笑い、肩の力が抜けました。みなさまにとってこのドラマが、1日の終わりにふと自分のことを考える、そんなきっかけになれたら素敵だなと思っています。お楽しみにお待ちください。
【兵藤るりのコメント】
タクシーって、とても不思議な空間だなと思います。
お互い見ず知らずの乗客と運転手が、目的地までの時間をともにする。それは何気ない時間だけれど、身近なところにある非日常の一つのようにも感じます。
このドラマはそんな時間を切り取った作品です。
一日の終わりに、蘭象子という少し変わった女性の運転するタクシーに一緒に乗ってみてください。たった15分の体験が、あなたをほんの少しだけ希望ある明日に導くかもしれません。
【松本太一プロデューサーのコメント】
今回の夜ドラはタクシーを舞台に“夜“を共にした人々が織りなすドラマです。
兵藤るりさんが描く物語は、子供のころ夜におびえていたにも関わらず今はすっかり夜型になってしまった私にとって、どこか心地よく、安心感さえ感じる、身近な世界でした。
視聴者にとってもそんな夜ドラになってほしいという願いのもと、兵藤さんが創造した物語を演出の本田隆一さん、宝来忠昭さん、平林克理さんを船頭に、主演に古川琴音さんを迎えて、すばらしいキャスト陣と共に丁寧に映像として紡いでいきます。ある視聴者には1日の終わりとして、ある視聴者には1日の折り返しとして、そして、ある視聴者には1日の始まりとして、楽しんで頂けたらと願っています。
【あらすじ】
夜の東京を走る一台のタクシー。ハンドルを握るのは、29歳のタクシードライバー・蘭象子(古川琴音)。取り立ててじょう舌でもなく、特別な気配りができるわけでもない。けれどなぜか彼女のタクシーに乗った人はみな、後になってその夜の風景を思い出してしまう――そんな、不思議な空気をまとった女性だ。
タワマンに向かう恋人同士は、出たカードの数字だけで愛を語る“字数制限の恋”。
誕生日の偶然に胸を焦がす二人の女性は、うそにまみれた本音の行き場を探しながら、あめ玉の時間にだけ許される“うその告白”で距離を詰めていく。
四十年ぶりに父に会おうとする母と、その背中を追う息子は、父が駆る石焼き芋の車を追いながら、言えなかったひと言の重さと向き合う。
象子はそのどれにも踏み込みすぎない。ただ、バックミラー越しに少しだけ心を寄せ、時に焼き芋を割り、時にそっとうそをつく。
そして、人の人生の“通過点”にいるだけのつもりが、いつのまにか彼女自身も30歳という節目に向かって、自分の探しものを探し始める。果たして彼女の探しものは何なのか――。
東京の夜を、そっと走り抜けるタクシーの小さな明かり。そこに乗った人たちの言葉はまだ続きの途中で、象子の30歳までのカウントダウンもまた、どこかで静かに進んでいく。
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