「椿姫」でヴィオレッタ役を演じるマリア・カラス(1958年)(部分) Houston Rogers (C) Victoria and Albert Museum, London
『ディーヴァ展』の展覧会構成が発表された。
19世紀から現代にいたるディーヴァの歴史とその概念の変遷をたどる『ディーヴァ展』は、英国ロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館(V&A)の企画で2023年に同館で開催。その後世界5か国を巡回し、反響と話題を呼んだ。そのフィナーレを飾る日本展は2027年3月24日から国立新美術館 企画展示室2Eで開催。
第1幕「ディーヴァの誕生」、第2幕「ディーヴァの再生・復活」では、それぞれ6つの章でディーヴァたちの歩みを紹介。日本展特別展示として美輪明宏を紹介するほか、ディーヴァたちが互いに尊敬の念を持って交流し、発したメッセージを紹介する「シスターフッド」のセクションも新たに設けられる。ロゴデザインは田辺ヒロシが担当。
【展示作品】
初期ディーヴァの姿を伝える、希少な作品
・ハリウッド・ヘリテージ美術館所蔵、クララ・ボウが映画「ワイルド・パーティー」(1929年)で着用したドレス(現存が確認されている唯一の衣装で、アメリカ国外ではめったに公開されないもの)
・ジェニー・リンドに贈られたパピエマシェの箱(1848年に病院支援のために行ったチャリティ・コンサートへの謝意として贈られたもの)
伝説的パフォーマーのキャリアの節目を刻む衣装
・マリア・カラスがロイヤル・オペラ・ハウスでの初出演作「ノルマ」(1952年)と晩年の出演作「トスカ」(1964年)で着用した衣装
・マリリン・モンローが映画「お熱いのがお好き」で着用した黒のフリンジドレス
バレエ・オペラ史を彩る衣装
・タマラ・カルサヴィナがバレエ・リュス「ラ・カンティニエール」で着用した衣装
・ジェシー・ノーマンがロイヤル・オペラ・ハウス「ナクソス島のアリアドネ」のアリアドネ役で着用した衣装
著名デザイナーが手がけた衣装
・エルトン・ジョンが50歳の誕生日パーティーで着用した衣装(サンディ・パウエルによるデザイン)
・シェールの衣装群(ボブ・マッキーによるデザイン。第1回ロック・ミュージック・アワードで着用した煌びやかなツーピースを含む)
・ジョイス・ディドナートの赤いサテンドレス(ヴィヴィアン・ウェストウッドによるデザイン)
・ビョークがアイスランドのレイキャヴィークでの公演(2021年)で着用したガウン(メゾン ヴァレンティノによるデザイン)
・リアーナがメット・ガラ(2018年)で着用した衣装(ジョン・ガリアーノ/メゾン・マルジェラによるデザイン)
・レディー・ガガがゴールデン・グローブ賞授賞式(2019年)で着用したガウン(メゾン ヴァレンティノによるデザイン)
衣装に込めたメッセージと自己表現
・ジャネール・モネイがミュージックヴィデオ「PYNK」で着用した女性器をモチーフとしたパンツ
・リゾのボリュームのあるケープとメッセージ入りのサッシュ(ヴィクター&ロルフによるデザイン)
・ビリー・アイリッシュがグラストンベリー・フェスティバル(2019年)で着用したアンサンブル(ステラ・マッカートニーによるデザイン)
・プリンスのためにデザインされ、本人が着用したステージシューズ
【展覧会構成】
第1幕 ディーヴァの誕生
第1章 清らかな女神:初期のプリマドンナ
第2章 ヴィクトリア朝時代の舞台のヒロイン
第3章 ダンサーとショーガール
第4章 サイレントの女神たち
第5章 ハリウッドのディーヴァ
第6章 比類なき歌姫
19世紀のオペラ界の歌姫から20世紀のショービジネス界で活躍した俳優、パフォーマー、さらに主役を担ったプリマドンナに目を向け、「ディーヴァ」という言葉が指す対象とイメージの変遷をたどる。
第2幕 ディーヴァの再生・復活
世界を動かす/RUN THE WORLD
自由への旅立ち/I WANT TO BREAK FREE
バックラッシュブルース/BACKLASH BLUES
孤独の中で/ALL BY MYSELF
自分を表現する/EXPRESS YOURSELF
スター誕生/A STAR IS BORN
1960年代の第2波フェミニズムの展開を起点とし、公民権運動から現代にいたる時間軸の中で、ディーヴァたちの変遷をたどり、その活躍が性や人種に関する社会的な解放と多様な生き方の承認をめぐる闘いに、いかに貢献してきたのかを紹介。
【日本展特別展示】
美輪明宏
日本を代表するディーヴァとして美輪明宏(1935〜2026年)にフォーカス。長崎市に生まれ、被ばくを経験した美輪は10代のころより声楽を学び、高校進学を機に上京する。その後、シャンソン喫茶「銀巴里」で本格的に歌手活動を開始。当時の男性ファッションの概念を覆すレースやサテンを用いたシャツを着用し、既存のジェンダー規範を超えた存在として自らを表現するようになった。自ら訳詞したシャンソン“メケメケ”(1957年)のヒットでその名が知られるようになり、不遇の時代を経て、炭鉱労働者に捧げた“ヨイトマケの唄”(テレビでの発表は1965年)をはじめ社会で厳しい状況に置かれている人々をテーマとした歌を手がけた。2018年秋には「平成30年度東京都名誉都民」の顕彰を受けた。
シスターフッド
マリリン・モンローとエラ・フィッツジェラルド、近年ではマドンナとカイリー・ミノーグなど、同展で紹介する数多くのディーヴァたちがほかのディーヴァたちと交流を持ち、尊敬し合い、互いを勇気づけ、多くの人々に「あなたは一人でない、一緒に頑張ろう」というメッセージを発信。日本展の特別セクションでは、シスターフッドの思想に通じる活動、ディーヴァたちのメッセージを紹介する。
V&Aの「ディーヴァ」展の展示風景(C) Victoria and Albert Museum, London
ジャンヌ・ダルクを演じるサラ・ベルナールのポスター(C) Victoria and Albert Museum, London
ビヨンセ「レモネード」1.、ビリー・アイリッシュ「ホエン・ウィ・オール・フォール・アスリープ、ホエア・ドゥ・ウィ・ゴー?」2. 、エイミー・ワインハウス「バック・トゥ・ブラック」2.、ティナ・ターナー「シンプリー・ザ・ベスト」3.、マドンナ「アイム・ブレスレス」3.、ドリー・パートン「ナイン・トゥ・ファイブ・アンド・オッド・ジョブズ」1.、ビョーク「フォソーラ」4.、リアーナ「グッド・ガール・ゴーン・バッド」2.、ローリン・ヒル「ミスエデュケーション」1.、アデル「30」1.、クイーン「ザ・ワークス」1.、アニー・レノックス「ディーバ」1.、ビリー・ホリデイ「奇妙な果実」2.、プリンス「パープル・レイン」3.、 シャーデー「ラヴァーズ・ロック」1.、レディー・ガガ「ボーン・ディス・ウェイ」2. ジャケット写真提供: 1.株式会社ソニー・ミュージックレーベルズ 2.ユニバーサル ミュージック合同会社 3.ワーナーミュージック・ジャパン 4.BIG NOTHING
「椿姫」でヴィオレッタ役を演じるマリア・カラス(1958年)Houston Rogers (C) Victoria and Albert Museum, London
1848年12月28日に催されたクイーンズ・カレッジ病院(バーミンガム)を支援するチャリティ・コンサートの際にジェニー・リンドに贈られたジェネンズ&ベトリッジ製パピエマシェの箱(螺鈿(らでん)象嵌(ぞうがん)・彩色画付)
ルネサンス劇場(パリ)で上演されたサラ・ベルナール主演の「ジスモンダ」のポスター、デザイン:アルフォンス・ミュシャ(1895年)(C) Victoria and Albert Museum, London
映画「お熱いのがお好き」のシュガー・ケーン・コワルチク役を演じるマリリン・モンローが着用した衣装、デザイン:オリー=ケリー(1959年)(C) Victoria and Albert Museum, London
ドルリー・レーン王立劇場(ロンドン)のステージに立つグレイス・ジョーンズ(1981年10月10日)Photograph @ David Corio
ビヨンセが着用したヘッドピース、デザイン:ヴィッキサージュ(2011年)(C) Victoria and Albert Museum, London
グレイス・ジョーンズが着用したビスチェ、デザイン:イッセイ・ミヤケ、V&A の「ディーヴァ」展の展示風景(C) Victoria and Albert Museum, London
ジャネール・モネイがミュージックヴィデオ「PYNK」で着用した衣装、V&A の「ディーヴァ」展の展示風景(C) Victoria and Albert Museum, London
プリンスが着用した靴(C) Victoria and Albert Museum, London
グラミー賞授賞式(1994年)でホイットニー・ヒューストンが着用したドレス、V&A の「ディーヴァ」展の展示風景(C) Victoria and Albert Museum, London
エルトン・ジョンが50歳の誕生日パーティーで着用した、ルイ14世に着想を得て作られたアンサンブル、デザイン:サンディ・パウエル(1997年)(C) Victoria and Albert Museum, London
第1回ロック・ミュージック・アワード(1975年)でシェールが着用したアンサンブルのデザイン画、デザイン:ボブ・マッキー Bob Mackie Design Group, Ltd.
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