ポーラ美術館が館長交代を発表。ホテル総支配人の野口弘子が就任

2023. 06.30
野口弘子

ポーラ美術館の現館長・木島俊介が7月1日付で退任。新館長として野口弘子の就任が発表された。

2014年7月以来、9年間にわたって館長を務めてきた木島俊介。在任中は新たな作品収集活動や『ピカソとシャガール』展、『モネとマティス』展に関わってきた。

新館長となる野口弘子は2006年から11年間にわたって「ハイアット リージェンシー 箱根 リゾート&スパ」の総支配人を務めるなど、ホスピタリティのプロフェッショナルとして実績を重ねてきた。

就任にあたって野口弘子は、今後の指針として「箱根の地域コミュニティとの繋がりをさらに強めていくこと」「美術館の活動全般において『ホスピタリティ』を強く意識していくということ」「体験価値を最大化すること」を挙げ、「美術、自然、建築と人々が響き合う当館に、ヒューマンタッチとホスピタリティを加えることで、美と出あう喜びや感動をお届けし、より豊かな時間が生まれる場となるよう努めてまいります」と述べている。

【野口弘子のコメント】
2023年7月より、ポーラ美術館の館長職を務めさせていただくこととなりました。

箱根の森にとけこむ鑑賞空間として誕生したポーラ美術館は、豊富なコレクションを独自のキュレーションのもとで展示・公開し、アートとの特別で豊かな出あいを提供してきました。

創設者の故・鈴木常司(ポーラ創業家二代目)が、「箱根の自然と美術の共生」というコンセプトのもとで当館に期待したものや、その後、森の遊歩道の整備・拡張や現代美術の展示・収集に本格的に取り組むなど活動の広がりの中で培ってきた固有の魅力を踏まえ、今日求められるポーラ美術館像を新たに模索してまいりたいと考えています。

また、これまで歴代の館長が築いてきたものを継承し、これをさらに発展させていきたいと考えています。

今後の指針を三つ挙げたいと思います。

一つ目は、箱根の地域コミュニティとの繋がりをさらに強めていくことです。2006年から11年間箱根に居住し、箱根を愛するからこそ、この地域の方々とさらに密接な関係を深めていく中で、ポーラ美術館の存在感を高めるとともに地域の活性化に貢献していきたいと思っています。

二つ目は、美術館の活動全般において「ホスピタリティ」を強く意識していくということです。これまでのホテル運営で培ってきた接客やサービスはもちろん、心地よくお客様をお迎えするためのフィロソフィを取り入れ、多様な価値観に敬意を払いながら、お客様、従業員、地域の方々など美術館を取り巻くすべてのステークホルダーの満足度を引き上げ、唯一無二の場所としてのポテンシャルを広げていくことを指針としたいと思います。

そして三つ目は、体験価値を最大化することです。豊かな自然に囲まれた箱根の美術館は、日常から離れた旅先として、都市の美術館では得られない特別感や思い出、居心地の良さ、リフレッシュ感を提供することが望まれます。自然の中で心を開き、アートに触れる特別な時間を過ごすために訪れるお客様の気持ちに常に寄り添い、さらにここで何ができるかを追求してまいります。

以上のような三つの指針を持ち、箱根地域を中心とした多様なステークホルダーの皆さまと密接なパートナーシップを築くことで、アートを通じた地域の活性化と成長にも寄与したいと考えています。

ポーラ美術館では開館20周年の節目に、新たなビジョンとして「心をゆさぶる美術館」を掲げました。美術、自然、建築と人々が響き合う当館に、ヒューマンタッチとホスピタリティを加えることで、美と出あう喜びや感動をお届けし、より豊かな時間が生まれる場となるよう努めてまいります。

皆さまのご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。

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