ストリーミングが史上初めて音楽売上最大の収益源に 日本では依然CD強し

音楽市場全体は3年連続拡大、2017年売上トップはエド・シーラン

国際レコード産業連盟(IFPI)のレポートによって、ストリーミングサービスの売上が全世界の音楽録音物の収益の中で史上初めて最大の収入源になったことがわかった。

これはIFPIが4月24日に発表した「Global Music Report 2018」の中で明らかになったもの。

2017年の音楽録音物の全世界での収益は8.1%増の173億ドル。アーティスト別のセールスランキングを見てみると、トップ3はエド・シーラン、Drake、テイラー・スウィフト。4位以下はケンドリック・ラマー、Eminem、ブルーノ・マーズ、The Weeknd、Imagine Dragons、Linkin Park、The Chainsmokersが名を連ねる(前年のトップ3はDrake、デヴィッド・ボウイ、Coldplay)。

エド・シーランの“Shape of You”は年間デジタルセールス1位

音楽制作による収益は2014年まで15年連続で減少していたが、2015年から昨年までは3年連続で上昇している。世界的に再び音楽が売れ始めているポジティブな傾向だが、2017年の収益はピーク時の1999年と比べると68.4%にとどまっている。

デジタル配信はダウンロードからストリーミングへ

その中でSpotifyやApple Musicなどのストリーミングサービスが急速にシェアを伸ばしている。ストリーミングサービスによる収益は昨年だけで41.1%増加し、有料のサブスクリプションサービス利用者も全世界で1億7600万人に達しているという。

ストリーミングによる収益は全体の38.4%を占め、他のフォーマットと比べても最大の収入源になった。ストリーミングとデジタルダウンロードをあわせたデジタル配信全体で見ても約54%のシェアとなり、こちらも史上初めて50%を超えたが、デジタルダウンロードだけだと収益は20.5%マイナスを記録しており、デジタル配信の中でもダウンロードからストリーミングへの動きが顕著に見られる。

一方、CDやレコードなどのフィジカル盤の収益は5.4%降下しているものの、全体のシェアの約30%を占める。音楽販売の74%がフィジカル盤である日本や43%のドイツなどの国では依然フィジカルの存在感が強い。また近年売上を伸ばしているアナログ盤は2017年も22.3%増を記録し、全体の3.7%を占める。

依然「CDが売れる」日本の音楽市場

国別の市場の大きさでは、日本はアメリカに次ぐ2位。3位以下はドイツ、イギリス、フランス、韓国と続く。市場の成長率ではラテンアメリカが17.7%、中国が35.3%の上昇を見せている。

日本はアジア最大の市場だが、アジアにおいてインド(+60.8%)、韓国(+47.0%)とストリーミングが大幅にシェアを広げるなか、日本では8.0%増にとどまっており、世界でも有数の音楽市場でありながらストリーミングが存在感を増すグローバルな流れに反してCDなどのフィジカルメディアが依然として高いシェアを誇るという特殊な立ち位置を体現する結果となっている。

IFPIのレポートでは、ストリーミングの普及の効果の1つとしてローカルのスターがグローバルな注目を集めることを可能にしたと指摘。ほとんど韓国語で歌うK-POPグループのBTS(防弾少年団)が韓国のアーティストとして初めてアメリカレコード協会でゴールド認定されたことや、47か国で1位を獲得したルイス・フォンシとDaddy Yankeeのヒット曲“Despacito”に代表されるラテンミュージックの人気が例に挙げられている。YouTubeやSpotify、Apple Musicといったプラットフォームによって国外のユーザーが彼らの音楽に簡単にアクセスすることができるようになったことが、彼らの国外でのブレイクに大きく貢献したはずだ。

ジャスティン・ビーバーが参加したリミックスバージョンとあわせて75億回のストリーミング再生を記録した“Despacito”

Steve AokiとコラボしたBTSの“MIC Drop”

Spotifyは先日ニューヨーク証券取引所に上場。また無料版アプリの新たなバージョンを発表するなど、今後もストリーミングサービスは競争を繰り広げ、新規ユーザーを獲得していくだろう。CDが売れないと言われて久しい今日、世界ではストリーミングサービスはレコード会社やアーティスト側にとってもリスナーにとっても欠かせないツールになっているが、日本はこのまま独自路線を走るのだろうか。



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