第42回日本アカデミー賞の栄冠は?優秀賞に『万引き家族』や『カメ止め』も

メイン画像:左上から時計回りに『万引き家族』 ©2018 フジテレビジョン ギャガ AOI Pro.、『未来のミライ』 ©2018 スタジオ地図、『カメラを止めるな!』 ©ENBU ゼミナール、『若おかみは小学生!』 ©令丈ヒロ子・亜沙美・講談社/若おかみは小学生!製作委員会

昨年は是枝裕和監督『三度目の殺人』が6冠

『第42回日本アカデミー賞』の授賞式が、3月1日に東京・グランドプリンスホテル新高輪で開催される。

昨年は是枝裕和監督の『三度目の殺人』が作品賞をはじめ、監督賞、助演男優賞、助演女優賞など最多6部門を受賞した『日本アカデミー賞』。最優秀賞の行方はもちろん、日本を代表する俳優や次世代の若手俳優の多彩なファッションにも注目が集まる。

『第42回日本アカデミー賞』の選考対象となるのは2017年12月16日~2018年12月15日の間に、東京地区の商業映画劇場において有料で初公開された40分以上の劇場用劇映画およびアニメーション作品。劇場公開を目的に製作された新作で、通常の宣伝のもとに同一劇場で1日3回以上、かつ2週間以上継続して上映された作品であることが条件になっている。

各部門の最優秀賞を発表する授賞式の模様は、3月1日21:00から日本テレビ系で放送される。今年はどの作品が栄冠を手にするのだろうか。主要部門の優秀賞受賞作品を振り返っていこう。

優秀賞の最多受賞は『万引き家族』。細野晴臣が優秀音楽賞に

優秀作品賞に選出されているのは、『カメラを止めるな!』(監督:上田慎一郎)、『北の桜守』(監督:滝田洋二郎)、『孤狼の血』(監督:白石和彌)、『空飛ぶタイヤ』(監督:本木克英)、『万引き家族』(監督:是枝裕和)の5作品だ。

最多となる12部門で13の優秀賞を獲得したのは是枝裕和監督の『万引き家族』。作品賞、監督賞をはじめ、主演男優賞(リリー・フランキー)、主演女優賞(安藤サクラ)、助演女優賞(樹木希林、松岡茉優)、音楽賞(細野晴臣)などで優秀賞に選出された。

『万引き家族』予告編。米『第91回アカデミー賞』外国語映画賞にもノミネートされた

是枝監督は昨年も『三度目の殺人』で作品賞、監督賞など最多6部門に輝いた。また、『万引き家族』は『第71回カンヌ国際映画祭』で最高賞のパルムドールを受賞し、先日発表された『第91回アカデミー賞』でも外国語映画賞にノミネートされるなど、国際的に高い評価を獲得している。

樹木希林は本作と『日日是好日』の2作で優秀助演女優賞を受賞した。

『万引き家族』 ©2018 フジテレビジョン ギャガ AOI Pro.

『万引き家族』に次いで12部門で12の優秀賞を受けたのは『北の桜守』と『孤狼の血』。『空飛ぶタイヤ』が9部門で続く。

『北の桜守』 ©2018「北の桜守」製作委員会
『孤狼の血』 ©2018「孤狼の血」製作委員会
『空飛ぶタイヤ』予告編

『カメラを止めるな!』は作品賞など8部門。濱津隆之が優秀主演男優賞に選出

優秀作品賞受賞作品のなかで、豪華キャストが集った他の4作品とは一線を画すのが上田慎一郎監督の『カメラを止めるな!』だろう。作品賞、監督賞、主演男優賞(濱津隆之)を含む8部門で受賞している。

本作は東京2館での公開から全国300館以上に拡大上映され、興行収入30億円を超えるヒットを記録。昨年を代表する邦画のひとつとなった。公開当時はほぼ無名だった俳優陣が映画のヒットをきっかけに次々と所属事務所を決めていくなどの動きでも話題を集めた。

『カメラを止めるな!』 ©ENBU ゼミナール

3月8日には日本テレビ系『金曜ロードSHOW!』で本編の地上波初放送を控えるほか、『日本アカデミー賞』授賞式の翌日、3月2日には初となるスピンオフドラマ『ハリウッド大作戦!』がAbemaSPECIAL2で配信される。

『カメラを止めるな!』予告編。劇中には約37分間におよぶワンシーン・ワンカットの映像も含まれる

優秀アニメーション作品賞は細田守監督『未来のミライ』や、『名探偵コナン ゼロの執行人』『若おかみは小学生!』など5作品

優秀アニメーション作品賞は、『ドラゴンボール超 ブロリー』、『ペンギン・ハイウェイ』、『未来のミライ』、『名探偵コナン ゼロの執行人』、『若おかみは小学生!』の5作品が受賞。

細田守監督の『未来のミライ』は、『第46回アニー賞』長編インディペンデント作品賞受賞、『第91回アカデミー賞』長編アニメーション賞ノミネートなど海外の映画祭でも高い評価を獲得している作品だ。

『未来のミライ』予告編。「アニメのアカデミー賞」とも言われる『アニー賞』を受賞

累計発行部数300万部を誇る児童文学シリーズが原作の『若おかみは小学生!』はSNSなどで話題を呼び、復活上映館が続出するなどのヒットを記録した。監督は、『茄子 アンダルシアの夏』以来、約15年ぶりの劇場公開作となった高坂希太郎。

『名探偵コナン ゼロの執行人』はシリーズ最高となる興行収入91億円を記録し、2018年の邦画興行収入2位につけている。人気キャラクターである安室透を巡る組織構造と人間模様が描かれた。

『若おかみは小学生!』予告編。SNSや口コミを通じて人気が広がった

篠原涼子、松岡茉優は、異なる作品で優秀主演女優賞と優秀助演女優賞を受賞

俳優部門では、優秀主演男優賞に岡田准一(『散り椿』)、舘ひろし(『終わった人』)、濱津隆之(『カメラを止めるな!』)、役所広司(『孤狼の血』)、リリー・フランキー(『万引き家族』)、優秀主演女優賞に安藤サクラ(『万引き家族』)、黒木華(『日日是好日』)、篠原涼子(『人魚の眠る家』)、松岡茉優(『勝手にふるえてろ』)、吉永小百合(『北の桜守』)が選出。

『孤狼の血』予告編。12部門で優秀賞を受賞

『北の桜守』予告編。こちらも12部門で優秀賞

助演男優賞の優秀賞は岸部一徳(『北の桜守』)、ディーン・フジオカ(『空飛ぶタイヤ』)、西島秀俊(『散り椿』)、二宮和也(『検察側の罪人』)、松坂桃李(『孤狼の血』)、優秀助演女優賞は樹木希林(『日日是好日』『万引き家族』)、篠原涼子(『北の桜守』)、深田恭子(『空飛ぶタイヤ』)、真木よう子(『孤狼の血』)、松岡茉優(『万引き家族』)となっている。

松岡茉優は『勝手にふるえてろ』で優秀主演女優賞、『万引き家族』で優秀助演女優賞を受賞。篠原涼子は『人魚の眠る家』で優秀主演女優賞、『北の桜守』で優秀助演女優賞とそれぞれ2部門、2作品で賞を受けた。

松岡茉優主演『勝手にふるえてろ』予告編

篠原涼子主演『人魚の眠る家』予告編

また新人俳優賞の受賞者は、上白石萌歌(『羊と鋼の森』)、趣里(『生きてるだけで、愛。』)、平手友梨奈(『響 -HIBIKI-』)、芳根京子(『累-かさね-』『散り椿』)、伊藤健太郎(『コーヒーが冷めないうちに』)、中川大志(『坂道のアポロン』『覚悟はいいかそこの女子。』)、成田凌(『スマホを落としただけなのに』『ビブリア古書堂の事件手帖』)、吉沢亮(『リバーズ・エッジ』)の8名となっている。

司会は西田敏行と昨年の最優秀主演女優賞・蒼井優

3月1日に行なわれる『第42回日本アカデミー賞』授賞式では、西田敏行と、昨年の『第41回日本アカデミー賞』で最優秀主演女優賞に輝いた蒼井優が司会を務める。

プレゼンターとして昨年の最優秀賞受賞者および話題賞受賞者が登場する。予定されているのは、蒼井優をはじめ、是枝裕和、広瀬すず、菅田将暉、役所広司、湯浅政明ら。

授賞式の地上波放送は、3月1日21:00~日本テレビ系でスタート。3月17日には日テレプラスで未公開映像を加えた完全版が放送される。

『第42回日本アカデミー賞』優秀賞主要部門受賞一覧

優秀作品賞
『カメラを止めるな!』
『北の桜守』
『孤狼の血』
『空飛ぶタイヤ』
『万引き家族』


優秀アニメーション作品賞
『ドラゴンボール超 ブロリー』
『ペンギン・ハイウェイ』
『未来のミライ』
『名探偵コナン ゼロの執行人』
『若おかみは小学生!』


優秀監督賞
上田慎一郎(『カメラを止めるな!』)
是枝裕和(『万引き家族』)
白石和彌(『孤狼の血』)
滝田洋二郎(『北の桜守』)
本木克英(『空飛ぶタイヤ』)


優秀主演男優賞
岡田准一(『散り椿』)
舘ひろし(『終わった人』)
濱津隆之(『カメラを止めるな!』)
役所広司(『孤狼の血』)
リリー・フランキー(『万引き家族』)


優秀主演女優賞
安藤サクラ(『万引き家族』)
黒木華(『日日是好日』)
篠原涼子(『人魚の眠る家』)
松岡茉優(『勝手にふるえてろ』)
吉永小百合(『北の桜守』)


優秀助演男優賞
岸部一徳(『北の桜守』)
ディーン・フジオカ(『空飛ぶタイヤ』)
西島秀俊(『散り椿』)
二宮和也(『検察側の罪人』)
松坂桃李(『孤狼の血』)


優秀助演女優賞
樹木希林(『日日是好日』『万引き家族』)
篠原涼子(『北の桜守』)
深田恭子(『空飛ぶタイヤ』)
真木よう子(『孤狼の血』)
松岡茉優(『万引き家族』)


新人俳優賞
上白石萌歌(『羊と鋼の森』)
趣里(『生きてるだけで、愛。』)
平手友梨奈(『響 -HIBIKI-』)
芳根京子(『累-かさね-』『散り椿』)
伊藤健太郎(『コーヒーが冷めないうちに』)
中川大志(『坂道のアポロン』『覚悟はいいかそこの女子。』)
成田凌(『スマホを落としただけなのに』『ビブリア古書堂の事件手帖』)
吉沢亮(『リバーズ・エッジ』)

番組情報
『第42回日本アカデミー賞』授賞式

2019年3月1日(金)21:00~22:54に日本テレビ系で放送



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