Suspended 4thの音楽探求。路上から音楽の原始を鳴らす

驚きである。ライブハウスを起点にロックシーンの重要バンドを次々に送り出してきたPIZZA OF DEATH RECORDSが、ライブハウスではなくストリートライブを主戦場にするバンドをリリースするのだから。

しかし自分たち自身にカウンターを打ちながら転がっていくところこそがパンクレーベルたる所以なのだろう。そうして登場したニューカマーの名は、Suspended 4th。名古屋・栄の路上を巣にして、異様にテクニカルなプレイと尖った音色と奔放な音楽観を重ね合わせてきたバンドである。日々ライブハウスから新たな夢が続々と生まれていることを前提にした上で、ライブハウスに軸足を置く従来のロックバンドのスタイルをはみ出したSuspended 4thのスタンス / アティテュードは、いつしか同調と画一化の向きが強くなり、その根本から離れてしまった「ロックシーン」そのものに対する中指も感じさせるものだ。

ブルース、ジャズ、ファンク、オルタナティブロック、ハードロック……様々な音楽的背景を感じさせながら、それらが「混ざる」というよりも1曲の中で呼び合っているアンサンブルがスリリングかつ超凶暴。4音が異様に主張しながら破綻しないままグングン昇っていく楽曲の音楽的な快感も凄まじい。そんな怪物到来の予感には十分すぎるミニアルバム『GIANTSTAMP』を機に、鼻息荒く初接触したのが下記のインタビューである。従来の価値観を燃やし尽くす、新鮮であると同時に本質的であるロックの闘争。さあ、始まったよ。

逸脱が常識みたいなヤツらが集まっちゃったのがSuspended 4thだと思うんですよ。(Washiyama)

―ライブハウスではなく名古屋の路上に軸足を置いてライブ活動をしてきたというトピックもありつつ、なにより音楽的に超スリリングなバンドだと思って。

Washiyama:おっ。ありがとうございます。

―ジャズを下地にしつつファンクもあり、音色やリフからはオルタナティブロックもハードロックも感じる。超雑多なのに、音に音で応え合う生物感や絡み合いが曲になっているのが面白くて。ご自身では、Suspended 4thをどういうバンドだと捉えられてるんですか。

Washiyama:今、「絡み合う」と言われましたけど、絡み合ってるつもりが全然ないんですよ。各々が好き勝手やってるだけで。音で応え合ってはいるけど……でも、誰かの演奏に寄り添う感覚が全然ない4人なんですよね。

Dennis:異文化の料理で定食作ってる感じだよね。回鍋肉とオムライスと寿司がバーッと並んでる、みたいな。

Sawada:食べ合わせ悪いな……(笑)。

Washiyama:でも、もう普通のメシじゃ満足できねえっていう人たちの音楽なんでしょうね。

―普通のメシ――いわゆるポピュラーな音楽や、ライブハウスを起点にすることが普通に定着している「ライブ」の概念のこと?

Washiyama:そういう感じだと思います。なんにせよ普通じゃ面白くないっていう4人が集まってるし、それぞれ好き勝手やるだけで。どういうポイントで繋がってるバンドかって聞かれたら、「音楽をやる」っていうことでしかないと思うんですよね。

―音楽っていうもの自体が個々を自由に解放するものだという思想で繋がってる4人、ということですか。

Washiyama:そうです、そうです。

―ハコの中ではなくストリートでやってきたこともそうだし、このバンドの要素として大きいジャズが生まれていった背景を考えてもそうですけど、音楽の中に、逸脱や解放の美学を強烈に感じるんですね。自分の中で思い当たることはありますか。

Washiyama:思い当たることしかないっす(笑)。そもそも逸脱が常識みたいな「音楽ヤンキー」が集まっちゃったのがSuspended 4th(以下、サスフォー)だと思うんですよ。逆に言えば、正解や型がないからどんどん転がっていけるもんだと思うんですよね、音楽って。

―作曲担当の多いWashiyamaさんが音楽ヤンキーになった、つまり従来のセオリーとは違うことを前提にするようになった背景にはなにがあるんですか。

Washiyama:自分のギターの師匠というか、路上ライブを始めるきっかけになった人がいて。まだこのバンドが今の4人になる前に、ストリートライブをやってたその人と対バンして。で、その人が路上ライブ遊びに来いよって言ってくれたのがきっかけで、そのバンドのサポートをするようになったんです。その頃に、たとえばセッションするにしても貶め合うくらいの音のぶつけ方があるんだなって知って。それが面白かったんですよ。

SpotifyでSuspended 4th『GIANTSTAMP』を聴く(Apple Musicはこちら

自分勝手に尖っても、なにかしら反応が返ってくる。そういうコミュニケーションの面白さがそもそもの音楽だと思うんですよ。(Dennis)

Dennis:路上ライブのセッションって、音で睨まれる感じだよね。栄の路上で初めて会ってセッションしたときも、音の中で見透かされてたというか、自分の手の内を全部わかられてる感じがめちゃくちゃ怖くて。でも、それのおかげで今があるというか。音で応え合うっていう感覚が生まれたんですよ。

―枠や制限がない場所だからこそ自分を自由に表現できるし、言葉以上に表現そのもので相手のことを理解し合うカルチャーが自然と生まれていきますよね。ある意味、言葉よりも濃いコミュニケーションになるというか。

Washiyama:そうそう! そこで、言葉以上に生身でぶつかれるのが面白いって学べたんですよ。で、ドラムにDennisが入ってから、さらに音楽的にギラついた感じになっちゃって。Dennisは元々ジャズを聴いて大人に混じってドラム叩いてたヤツだから。スキルも半端じゃないし、Dennisは音でスゲぇ殴ってくるんですよね。

Dennis:ジャズのセッションはカタブツが本当に多かったんですよ。「マイルス(・デイビス)のレコードみたいに演奏してくれる?」みたいな「定型」ばかり求められて、ぐちゃぐちゃにしてやりたくなっちゃったんです。みんなが演奏やめた瞬間に自分のドラムソロセクションの見せ場を作って、そのまま曲を終わらせるっていうことをやってましたね(笑)。

でも、その「自分勝手に尖る感じ」をサスフォーで使うと、反応が返ってくるから。それが曲になっていくし、そういうコミュニケーションの面白さがそもそもの音楽だと思うんですよ。

左から:Dennis、Washiyama

僕は自分だけの理想の街を作りたかったんですよ。だけどそれは無理だから音楽をやってる。(Dennis)

―まさに。言葉以上に生身でぶつかれるとおっしゃいましたけど、いわゆる「言葉」よりも音楽という目に見えない言語のほうが信用できるっていう感覚に近いんですか。

Washiyama:そうかもしれないですね。音のぶつけ合いとは言いましたけど、それは喋ってるってことなんですよ。で、音と音で会話したいとなると、攻撃して振り向かせるしかないというか……肩叩くくらいのテンションかな。そうやって振り向かせつつ、「どこ行く?」って言ってる感じ。今日はラーメン食おうとか、今日は居酒屋行こう、とか。それで、いいテンポで最後の3軒目でいい感じのバーに行けたらOKじゃないですか。それを音楽でやってるだけの感覚なんですよ。

SpotifyでSuspended 4th『INVERSION』を聴く(Apple Musicはこちら

Washiyama:そういう「会話」――本当の意味で会話するっていう感覚で、音と向き合ってるだけですね。音でコミュニケーションできたからといって、そいつのすべてを知れるわけでもないってことも知ってるけど。でも、そうやっていい店を探して一緒に歩いてるときが思い出になったりするじゃないですか。

―それを音楽でやりたいと思うのは、なぜなんだと思います?

Washiyama:俺は元々、野球をやってたんですよ。野球ってチームプレイじゃないですか。それに野球は普通の言葉でコミュニケーションをとる。だけど……なんていうか頭が悪い高校だったんですね。だから、会話不能みたいな感じで気持ちが全然伝わらなかったんですよ。それでもういいやってなって。

で、たまたま高校の先生がハードロックが好きで、その先生にヌーノ・ベッテンコート(Extreme)とかを教えてもらったのが最初で、趣味で音楽をやってみようと思ったんですね。だから本当に環境に持ってかれただけで、なんで音楽なのかは上手く答えられないんですよね。

―音楽でなら、「意味」が限定される言葉より寛容なコミュニケーションができるかも、っていう希望だったんですかね。

Washiyama:あー、確かに! そもそも、人とコミュニケーションを取ること自体が難しいじゃないですか。普通にさっきから「音楽ヤンキー」とか言ってますけど……結局、人とすべてを理解し合うこと自体が無理だなっていう意識があるし、そもそも俺らはそのコミュニケーションが下手だから音楽をやってるんだと思うんです。

だからこそ「居酒屋に行くくらいのテンション」でしかないと思うし、歌詞に関しても、基本的には歌いたいことなんてないんですよ。歌詞は、Twitterで呟くくらいの感じ。自分が夢で見た風景を歌にしてる、くらいで。

―自分にしかわからない風景を見せたいのはどうしてですか。

Washiyama:ただ自己満足だけだと思うけど……でも、言葉じゃなく歌やメロディでなら、人と共有できる可能性が1%は生まれるかもしれない。そのために歌ってる感じですかね。

Fukuda:“GIANTSTAMP”の歌詞も、ねえ?

―ん。<踏み出した一歩>って、このデビュータイミングでのキックオフの歌じゃないんですか。

Washiyama:ふふふ。これはね、大きい買い物をしてローンを組んだときの印鑑のことを歌ってるんですよ(笑)。印鑑ターンッ! っていう歌っす!

―ははははは! その「STAMP」だった(笑)。

Dennis:でも実際、そういう自分にしかわからないことも、音楽にすれば自分がそのときを生きた証になりますもんね。僕も、音楽はそういう圧倒的な力を持ってると思うんです。

これはなにかの映画で観たんですけど……ピラミッドみたいな場所で支配者が民衆を煽ってるシーンが、音楽にそっくりだなと思ったのを覚えていて――僕は、そういう圧倒的支配を手に入れたいんですよね、ドラムと音楽で。

Sawada:それ初めて聞いた!

Fukuda:飛躍してヤバい話になってきた(笑)。

―(笑)。ドラムは音楽の要素として一番大きなリズムを担いますからね。なんで、そんな力を手に入れたいんですか。

Dennis:そもそも、僕は自分だけの街を作りたかったんですよ。小学校2年くらいの頃かな。僕、車が好きなんですけど、街を走ってる車が全部ダサく見えて。そういうダサい車を全部禁止にして理想の世界を作りたい、そのための圧倒的な力がほしいと思ったのが最初だった気がします。

でも、それは現実的にできないから。だから仕方なく音楽をやって、ドラムを叩いてるのかもしれないです。初めてLed Zeppelinを聴いたときに、圧倒的支配力とはこれだって思って。

―そうですよね。たとえば“GIANT STAMP”は1990年代のオルタナティブロックの要素も感じつつ、リズムはジャジーなフレーズを軸にして動き続けていて。“ストラトキャスター・シーサイド”でもジャズやファンクが目まぐるしく展開していく。どれもWashiyamaさんの歌の熱に収束していきつつ、リズムが主役の楽曲でもあって。

Dennis:そうですよね(笑)。そこは、本当に主張が強いと思う。

歪んだギターの爆音に手が上がっちゃうのって、遺伝子に組み込まれたものとしか思えないじゃないですか。(Washiyama)

―先ほどおっしゃった「街を作りたい」という表現は、とても素敵だと思ったんですね。誰にも邪魔をされない、聖域みたいな遊び場を作りたいっていう気持ちはとてもピュアなエネルギーなわけで。

Washiyama:自分たちだけの宗教っていう感じだと思うんですよ。デリケートな表現ではあるけど。だからDennisの言ってる通り、自分だけの場所を作りたいっていう部分は、みんなにあるかもしれないよね。

Sawada:そうだと思う。僕はthee michelle gun elephantのアベフトシさんが大好きなんですけど、あのカッティングやブラッシングをずっとずっと真似してるんですよ。それもある種の信仰だと思うし。ミッシェルを聴くまでは、それこそBUMP OF CHICKENとか、綺麗なバンドサウンドを好んで聴いてたんです。

でも、中古CDショップでドクロのジャケット(『TMGE 106』)を見つけて、「ジャケ借り」したんですよ。そしたら、ギターがうるさくて、汚くて。そのときに、自分のリミッターを外して振り切るのはカッコいいと思うようになって。

―Sawadaさんのギターの音も、曲全体を食わんとするようですよね。

Sawada:やっぱり一歩引くよりも、誰よりも自分が前に出て、音に対して遠慮しないでいたいって思ってるんですよ。アベフトシさんはもう亡くなったけど、今も勝手に「自分が引き継ぎたい」って思ってますね。そういう気持ちは乗せてます。

左から:Fukuda、Sawada

Dennis:それをちょっと置き換えてみるとさ、Sawadaさんにとってのアベフトシさんは、スティーヴィー・レイ・ヴォーンにとってのジミ・ヘンドリクスになるよね?

Fukuda:あ、確かにそうだね。

―憧れによって受け継がれる音楽の系譜の話?

Washiyama:そうそう。ジミヘンって、ロックのパイオニアのひとりとしてリスペクトを受けてるじゃないですか。で、スティーヴィー・レイ・ヴォーンも本当はジミヘンになりたかった人で。でもただ真似をして「あの人になりたい」と思っても、その人を超えることはできないことも知っていく。そういう圧倒的にオリジナルな存在を知った上で、どれだけ新しいものを作れるかなんですよね。

―音楽の系譜を精神的にも技術的にも理解するからこそセオリーから逸脱できるんだっていうことですか。

Washiyama:もちろん、そういう部分も大事にしてると思います。ただ、これはちょっとスピリチュアルな話になりますけど……エレキギターを使ったロックサウンドって、何百年っていうレベルじゃなくて、何千年とか何万年前の大昔から既に存在してたんじゃないかと思うんですよね。

―まだ俺たちが知らない文明の中に、もうロックがあった。

Washiyama:そう。たとえばエジプトの文明とかは、まだ解明されていない部分がありますよね。その中にはきっと、既にロックがあったんですよ。だって、歪んだギターの爆音に俺らの手が上がっちゃうのって、遺伝子に組み込まれたものとしか思えないじゃないですか。じゃないと説明がつかない。

それこそジミヘンみたいなパイオニアへのリスペクトもあるけど、それも結局は、一番最初にやったヤツが素晴らしいってことじゃないですか。だからオリジナルなことがしたい、セオリーから逸脱したいって考えるほど、DNAレベルで存在する音楽ってなんだろうって考えるようになっていくんですよ。

気持ちいいコード進行やフレーズの動き方を専門学校で勉強したこともあるけど、それも結局は統計学みたいなもので。それを知れば知るほど、「理屈に収めるのはおかしいな」って思う。その元を辿れば全部クラシックとかからきてるわけで、既に成立してるものが積もり積もっているからこそ、みんな好きなことがやれてると思うんですよ。だったら、そういう意味での系譜を辿って、本当の根源まで弾き切ってから終わりたいんです。

―そこまで突き詰めたい、音楽の本当の意味でのオリジンまで辿り着きたいと思うのはどうしてだと思います?

Washiyama:うーん………第7感としか言えないっす(笑)。

―訊き方を変えますね。ジャズが背骨になった曲が多いこともそうだし、言葉という型に収まらない寛容なコミュニケーションを求める思想もそうだけど、逸脱や解放を求め続けるのは、逆に言うとなにかしらの抑圧を感じているということでもあるんですか。実際“think”の中にも、息苦しさを思わせる言葉が入っているわけですけど。

Washiyama:なんていうか………どんどん人間がちっぽけになっていくのが息苦しいかもしれない。人間がなにを目的にして生きてるのかがわかんなくなっていく感じ、かな。

俺らが自分に対して真っ直ぐやってることがむしろ、時代においてはパンクに近いのかもしれない。(Sawada)

―その人間のちっぽけさって、どういうことから感じますか。

Washiyama:俺らは、もともと「ひとつだ」って言われてたところからあぶれ出た4人なんですよ。だけど、今の世の中には「ひとつに戻ろう」っていう流れがあるし、そうしようとする力が働いている感じがして。それが……すべての違いをなくして、全部が一緒だよって言って、でもそれが行きすぎて、なにもかもを0に近づけようとしてる世の中に見えちゃうんですよ。

人と人は違う、俺とお前は違う、だからこそ面白いっていうことすらもなくそうとしてるっていうか……ただただ「全部が一緒だ」っていうのは、俺らでいうところの死なんですよね。俺らの言う逸脱とか抗いは、たぶんそこに対してなのかもしれないですね。ひとつになることから逃れようとしてる。

―そうですよね。

Washiyama:それになんとか抗ってる自分がすげえちっぽけで苦しい感じがあるんですよ。まあ結局は死んじゃうし、そういう意味で最終的にみんながひとつになるのもわかってる。だけどそうなるまでに俺らは俺らを貫きたいって言って、大きな流れに抗っちゃってるなあって。そういう俯瞰の目を持ったときに人間がちっぽけに感じられて、怖くなることがあるんですよね。

Sawada:そこはパンドラの箱だよね。開けないか開けるか。

Washiyama:まあ、開けちゃってるよね。

―もちろん差別や分断は人にとって痛みしか生まないけど、個々が違うということへの理解や寛容さをすっ飛ばして頭ごなしに人をひとつの塊にしたり、違いをすべてならそうとしたりするのは、それこそ暴力的なもので。それこそ、個々の価値観をちゃんと認めようというのは人間のとても大事なテーマになっているわけですけど。

Washiyama:たとえば“think”は、Dennisと俺がもう一個やっているバンドのメンバーに子供が生まれて、その子供に向けて書いたんですよ。でも、自分で書いた歌なのに、俺の言葉じゃなくて誰目線かわからない感じなんですよね。その子供たちに生きていくことを問いかけるようなメッセージでもあると思うし、自分へのメッセージだとも思う。

Dennis:……これは逆説的な話ですけど、この先数十年経ったら、いろんな仕事の事務的な部分は「ロボットにやらせればいいじゃん」ってなるじゃないですか。要するに、その人にしかできないことを持ってる人じゃないと、この先の世界は生きていけないんじゃないかと思ってしまうんですよね。そこで大事なのって、結局はおのおのが違うものを持っているしそれぞれが違うっていう意識だと思っていて。

Dennis:まあ、音楽活動できるAIも出てくると思うけど、細胞の中で受け継がれてきたものっていう意味でいうと、やっぱり人間しかできないんですよ。計算で出てきたもの以外のこと――個々が自由に想像力を働かせて生きていけば、人間は死なないんです。

―逸脱という言葉を何度も使って話してきましたけど、そもそも音楽自体が、今ここにあるものの外へ飛び出していくための想像力を解き放つ力を持ってるわけで。

Washiyama:そういう好き勝手な想像力を大事にすることしか、人と人が生き残っていく方法はなんじゃないかなって俺も思う。そう考えると……逸脱というか、音楽をはじめとした芸術のあるべきところに戻ってるだけな気がしてきましたね。個々が真っ直ぐに音楽をやる、人が受け継いできた音楽をちゃんと感じるっていうことが結果的に、今に対するカウンターになってるだけというか。

Suspended 4thアーティスト写真

Fukuda:ってことは、俺らが自分に対して真っ直ぐやってることがむしろ、時代においてはパンクに近いのかもしれないね。

Sawada:そうかもしれないね。……今思い出したけど、パンクとはなんですかって聞かれたミュージシャンが「パンクとはこれだ」って言って、その辺のゴミ箱を蹴った話がありましたよね。で、その記者が「つまりパンクとはこれですか」ってゴミ箱をバーンって蹴ったら、「それはパンクじゃねえ、模倣だ」って言われたという。

―Green Dayのビリーのエピソードだ。ゴミ箱を蹴る行為がパンクかの話は置いといて、どちらにせよパンクとは模倣できる「形」のことではない。反逆する音楽と捉えられがちだけど、それ以前にどんな人でも受け入れて、どんな人でも胸を張って生きていけるように声を上げる寛容さと愛の精神性のことですよね。これは「サスフォーとはパンクだ」みたいな強引な話じゃなくて、自分も含む個々に寛容でありたいっていう精神性の上でいろんな音楽を食ってるバンドなんでしょうね。

Washiyama:……今日話して思いましたけど、こうやって個を見つめてるばっかりの人間を受け入れてくれるバンドがあってよかったっす。もう、その感情が今の俺の中でトレンドですわ(笑)。だって、こんな好き勝手やってる人間を受け入れてくれるところなんて、なかなかないじゃないですか?

―そうですよね。街の路上でライブをやってきたのも、今おっしゃった気持ちが大きいんでしょうね。

Washiyama:そうだと思います。ライブハウスになると、どうしても人が一緒についてきちゃったりするじゃないですか。でも、俺らは舵をとったり扇動したりしたいわけじゃない。むしろその逆で、音楽でひとつになろうなんて一切思わないわけです。誰もがバラバラであるっていうことこそがリアルだし、それを表現できるのが音楽であり、このバンドなんですよね。

リリース情報
Suspended 4th
『GIANTSTAMP』(CD)

2019年7月24日(水)発売
価格:1,944円(税込)
PZCA-86

1. 〒460-0008
2. GIANTSTAMP
3. 97.9hz
4. ストラトキャスター・シーサイド
5. Vanessa
6. ヨンヨンゼロ
7. kniht
8. think

イベント情報
『Suspended 4th“GIANTSTAMP Tour”』

2019年9月19日(木)
会場:大阪府 Live House Pangea

2019年9月20日(金)
会場:愛知県 CLUB ROCK'N'ROLL

2019年9月27日(金)
会場:東京都 TSUTAYA O-Crest

プロフィール
Suspended 4th
Suspended 4th (さすぺんでっど ふぉーす)

Kazuki Washiyama(Gt, Vo)、Seiya Sawada(Gt)、Hiromu Fukuda(Ba)、Dennis Lwabu(Dr)からなる4ピースロックバンド。名古屋・栄の路上を中心にライブ活動を展開。オンボーカルからインストまで自在の楽曲バリエーションを誇り、フィールドレコーディングでの一発録り作品『20190121』を発表するなど、インディペンデントな活動で話題となる。7月24日に初の全国流通作品『GIANTSTAMP』をPIZZA OF DEATH RECORDSからリリースする。



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