モーサム百々の「つぶやき厳禁&酩酊」イベントに、のんが登場

酒好きの錚々たる顔ぶれが出演する、「つぶやき厳禁」な宴

2月21日、MO'SOME TONEBENDER(以下、モーサム)の百々和宏によるトーク&ライブイベント『Rock, Talk, Smoke....Drunk? Vol,25』がRethink Lounge TORANOMONで開催され、シークレットゲストとしてのんが出演した。「ロックと酒とタバコの伝道師・百々和宏が毎回気心の知れたゲストをお迎えし、ラフなトークとピシャリなライブをお届けします。酩酊上等につきTwitterつぶやき厳禁な夜になること必至」と紹介されているこのイベントは、武藤昭平 with ウエノコウジを迎えた2017年12月の第1回を皮切りに、月1ペースで続けられてきた。

百々:フェスのバックヤードによくJTのテントがあって、ミュージシャンにタバコを配ったりしてるんですけど、そこに必ずいる佐藤さんっていう、とんちの効きまくったロック親父がいて(笑)。その人が「何か一緒にやりましょう」って、結構前から言ってくれてて、この場所ができたときに、改めて誘ってもらったんです。

でも、ただライブをやるだけじゃつまんないから、仲のいいミュージシャンを呼んで、酒飲んで、タバコ吸って、ベラベラしゃべろうっていう(笑)。最初は不定期にやろうと思ってたんですけど、「出たい」って言ってくれる人が多くて、ほぼ月1になりました。最近「おしゃべり上手になったな」って思いますね……昔は全然しゃべれなかったのに(笑)。

百々和宏(もも かずひろ)<br>1997年福岡で結成した真正ロックバンドMO'SOME TONEBENDERのギターボーカル。普段は安酒場をローリングする泥酔イスト。酒場紀行文を集めた「泥酔ジャーナル」の著者としてもカルトな人気を誇る。
百々和宏(もも かずひろ)
1997年福岡で結成した真正ロックバンドMO'SOME TONEBENDERのギターボーカル。普段は安酒場をローリングする泥酔イスト。酒場紀行文を集めた「泥酔ジャーナル」の著者としてもカルトな人気を誇る。

Rethink Lounge TORANOMONは、低温加熱式タバコのPloom TECH専用ラウンジとして、JT本社ビルの1階正面に2017年にオープン。空間総合プロデュースをホフディランの小宮山雄飛が手がけ、著名人 / 文化人がお勧めする本を集めた本棚が併設されていたりと、都会のオアシス的な空間となっている。

イベントにはこれまでACIDMANの大木伸夫、髭の須藤寿、ストレイテナーのホリエアツシ、the pillowsの山中さわお、NUMBER GIRL / ZAZEN BOYSの向井秀徳など、お酒好きの錚々たる顔ぶれが出演して、「つぶやき厳禁」な宴が繰り広げられてきた。

百々:内容に関しては基本ゲストに合わせるんですけど、酒飲みのゲストが多いんで、とりあえず飲ませて、普段客の前では言えないようなぶっちゃけ話をさせるっていう(笑)。大体トーク中に「嫌いなミュージシャンを教えてください」って言うんですよ。そうすると、中には正直に話し始めるやつもいて……ART-SCHOOLの木下理樹とか(笑)。もちろん本気じゃなくて、仲がいいからこそ話せる笑い話ですけどね。

あとは斉藤和義さんに出てもらったことがあって、あの人もお酒すごい好きだから、昔はステージ上で飲んでたらしいんですけど、歌えなくなるから飲むのやめたそうなんです。でも、このイベントでは「今日は飲んじゃおう」って飲みながらやってて、誰もが聴きたい“歌うたいのバラッド”が始まったんですけど……サビを歌えなくてやめるっていう(笑)。「声出ない」って言って、そのときの「えー!」はすごかった。飲ませた俺が悪者みたいになっちゃって……まあ、そんなことも許容されるイベントなんです。

ここまで読んですでにお察しの方もいるかもしれないが、「ロックと酒とタバコ」というイベントコンセプトからすると、のんの出演はかなり異例。のんのロック好きはよく知られているが、お酒とタバコはやらないし、百々とのんの接点もすぐには思い浮かばない。しかし、過去の出演者の中に、今回の組み合わせを実現させるヒントがあった。

百々:去年の夏にクドカン(宮藤官九郎)と大友良英さんに出てもらったんです(百々と大友は中村達也、レピッシュのtatsuとともにかつてJOYHEIGHTSとして活動。クドカンは家が近所とのこと)。そのとき「のんちゃん呼びたい」って言ったら、2人とも「出てくれるんじゃない?」って言ってくれたから、調子に乗ってダメ元でオファーしてみたらオッケーが出て、「マジ?」っていう(笑)。

奈良美智さんの還暦祝いのイベントで初めてお会いして、その後大友さんと一緒にやったライブも観に行きました。共演してる人とか、曲提供してる人の顔触れを見ると、「何であんなに志向がおっさん寄りなんだろう?」って思うんだけど(笑)、のんさんの持ってる人間力というか、オーラというか、あれがトップクリエイターを呼び込むんだろうなって、実際に会って、すごく感じました。だから……今日が今までで一番緊張してる(笑)。

のんと百々の架け橋になったGO!GO!7188、そしてバンド愛

イベントは百々による忌野清志郎の“世界中の人に自慢したいよ”(のんは尊敬するアーティストとして清志郎の名前を挙げている)から始まり、のんを呼び込むと、百々が「今日はタバコは我慢する」と話し、イベントの常連と思われるお客さんから笑いが起こる。

2人の馴れ初め話に続いて、百々が紹介したのが、イベント前にもらっておいたという元GO!GO!7188のアッコからのメッセージ。のんは中学時代にGO!GO!7188のコピーバンドをやっていて、初めて買ったCDも同バンドの『アンテナ』だというほどの大ファン。昨年発表されたのんのミニアルバム『ベビーフェイス』には、アッコが作詞し、同じく元GO!GO!7188 / 現チリヌルヲワカのユウが作曲した“涙の味、苦い味”と“やまないガール”の2曲が収録され、アッコとユウの共同制作は2012年のバンド解散以来初ということもあり、大きな話題を呼んでいた。

一方、アッコにとっての百々は同じ九州出身の先輩ミュージシャンにあたり、アッコがGO!GO!7188解散後に結成したPIGGY BANKSの曲を百々が手がけたりと、交流が深い。アッコのメッセージには「百々さんは私のヒーロー」と書かれていて、百々は照れ臭そうに「(のんが)俺のこと知らんだろうから、書いといてくれたんやろうね」と笑っていたが、2人が共演することの必然性が、アッコを介して明らかになったと言えよう。

のん

ここで百々が一旦退場し、のんによるライブへ。「のんシガレッツ」のメンバーでもあるギターのひぐちけいをサポートに迎え、序盤は“わたしは部屋充”“さあいこう”と、ロックな曲で盛り上げる。清志郎への想いを歌った“わたしはベイベー”に続いては、解散してしまった中学時代のバンドに対する想いを綴ったという“憧れて”をアコースティックスタイルでしっとりと披露。<憧れて憧れた あの日の時間を思い出す / 自分のお小遣いで買った 初めてのCD>という歌詞は、もちろん『アンテナ』のことだろう。「アコースティックもいいですね。素敵だ」とのんも自画自賛の名演だった。

イベント後半では百々がステージに戻り、2人の共演がスタート。いい感じにお酒が回ってきた様子の百々は「ちゃん付けで呼んでいい? 俺もももちゃんでいいから」と提案し、イベント本来の砕けたムードが見え始める。最初に披露されたのは“RUN!!!”で、のんの赤いテレキャスターと、百々のチェリーレッドのGUILD STARFIREの組み合わせもいい感じ。

続いて演奏されたのが、前述の“やまないガール”。そもそもGO!GO!7188が持っていたオルタナ要素はモーサムとの相性が良く、この曲の仕上がりはすこぶるいい。百々は「調子上がってきちゃったんで、ビールもう1本もらっていいですか?」と、いよいよエンジン全開だ。そして、同じくアッコの作詞によるバラードで、<消えたくなるようなしくじりも / 愛すべきキラキラ / わたしはもう無敵なの/涙の味、苦い味/知ってるから 今は>とバンドに対する想いが綴られた“涙の味、苦い味”に対しては、百々が「めっちゃいい」と絶賛し、心のこもった歌と演奏が届けられた。

ちなみに、“憧れて”は“涙の味、苦い味”へのアンサーソングなのだそう。のんの中学時代のコピーバンドに対する想いと、アッコのGO!GO!7188に対する想いが重なり、さらにはそこに百々のモーサムに対する想いが……なんて考えるのは、ちょっとロマンチック過ぎるだろうか。最後にクラムボンの原田郁子とのデュエット曲“クラクラ”を歌い終えると、百々が「今度はお酒覚えてきてもらっていいですか?」と尋ね、のんが「味が苦手で……お酒の瓶に水でもいいですか?」と返すオチもつき、25回目にしてもっともイレギュラーでありながら、バンド愛を通じた確かな繋がりが感じられる、貴重な回が幕を閉じた。

近年の百々は以前のようにレーベルに所属し、モーサムとして定期的なリリースやライブを行っているわけではない。その代わり、弾き語りのソロ、自身のバンドである「百々和宏とテープエコーズ」、盟友とのコンビによる「百々和宏withウエノコウジ」、陣内孝則率いる「TH eROCKERS」への参加など、幅広い形態でライブを行い、より密度の濃い活動を行っていると言ってもいいかもしれない。ラフな雰囲気の『Rock, Talk, Smoke....Drunk?』は、現在の百々と音楽の関係性を象徴しているようにも思う。

百々:モーサムは解散したわけじゃないんで、またいずれやりますけど、年食ってくると、ステージに上がるのと、自分の私生活が地続きになるっていうか、全部一緒になってる感じがより強くなってきて。むりくりエンジン蒸かして、トップギアでアクセル踏みこむみたいなバンド人生が長くて、それはそれで大好きだし、かけがえのないものだっていうのは十分わかってるからまだまだやりたいんだけど、ソロではより日々の生活に近いようなことをやってるつもりで、このイベントもその中の一個ですね。

―日々の生活の中に、音楽と、お酒と、タバコと……。

百々:あと仲間とね。このイベントって、ライブの打ち上げで馬鹿話してるあの感じをそのままやって、それを公開してるみたいなもんなんですよ(笑)。でも、それをこんな素敵な場所でやらせてもらえてるっていうのは、幸せなことです。

イベント情報
『Rock, Talk, Smoke….Drunk? Vol,25』

2020年2月21日(金)
open 18:30 / start 19:00
会場:虎ノ門・Rethink Lounge TORANOMON
前売 3,000円(ドリンク代別途)

出演:百々和宏(MO'SOME TONEBENDER)
ゲスト:のん

プロフィール
百々和宏 (もも かずひろ)

1997年福岡で結成した真正ロックバンドMO'SOME TONEBENDERのギターボーカル。普段は安酒場をローリングする泥酔イスト。酒場紀行文を集めた「泥酔ジャーナル」の著者としてもカルトな人気を誇る。



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