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クラヤミ食堂宇宙編 体験レポート

クラヤミ食堂宇宙編 体験レポート

杉浦太一(CINRA, Inc. 代表取締役)
2009/07/29

クラヤミ食堂で、こどもごころがよみがえる!?

せわしない毎日を送る中で忘れてしまっているもの・・・そんなベタベタなフレーズをある程度飲み込んで、「今はそれどころじゃないんだ」と言い聞かせて前に向かって走り続けてみる。もしくは、何らかの理由をつけて、忘れてしまったことを正当化してみる。でも、やっぱりモゾモゾと残ってしまう、あの頃のワクワク感やドキドキ感。

そんな「こどもごころ」を大人に提供し、もっと楽しい毎日のきっかけを提供しているのが博報堂「こどもごころ製作所」。様々な活動を行っているこの製作所のイベントのひとつが、年に数回開催している『クラヤミ食堂』である。目隠しをして、真っ暗闇の中で、見知らぬ人とフルコースの食事を共にするという企画だ。この食堂、一回あたり数日しか開店しないのだが、予約を開始するとすぐに満席になるほどの盛況ぶりなのである。今回は、そんなクラヤミ食堂の宇宙の旅を徹底レポート!

こどもごころ製作所 クラヤミ食堂

クラヤミの中へ・・・

クラヤミ食堂宇宙編 体験レポート

7月某日、赤坂の路地を1つ入ると、「クラヤミ食堂」という看板の下に多くの男女が群がっていた。年齢は20代から50代くらいと幅広く、この不思議な食事会に胸を躍らせて、自分が入店する番を待っている。いよいよ自分の名前が呼ばれ、ドキドキしながらも、入り口から1つ入った空間に入ってみる。奥は黒いカーテンで閉ざされており、レストランの様子はわからない。そこで早くも目隠しを装着。ガイドの人が手をとってくれて、奥のレストランに案内してくれる。暗闇の中誘導されるというのはそうそうない経験で、早くもちょっとビビる。「大丈夫ですよ」とオトナを装いつつ、ガイドさんにいらぬ会話をもちかけて、不安を解消してみる・・・。

自分の周りに人がいるのかもわからない!

クラヤミ食堂宇宙編 体験レポート

席に着くと「テーブルの上に紙ナプキンがありますのでつけておいてくださいね」と言われ、「え、どこですか?」と返す前に、ガイドさんは立ち去ってしまった。そうだった、もうクラヤミ食堂ははじまっているんだ・・・。

目の前のテーブルっぽいものに手をのばすと、確かに紙っぽいものが置いてあって、どうやら紙ナプキンっぽい。広げてみると、ヒモっぽいものがあったので、首に回してくくりつける。モノが見えないと、全部「〜〜っぽい」と予想しながら動くしかないから、普段の何気ない行動ですら、全神経を必要としてしまって、かえってそれが新鮮だ。

レストランには、続々と人が入ってきているらしく、イスを床にひきずる音が聞こえる。でも、自分の前に人がいるのか、左にいるのか、右にいるのかさえもわからず、ちょっとおぼつかない……。

するとしばらくして、こういうのは元々の性格が出てくるのか「あのぉ、ワタシの近くに誰かいますか?」と女性が口火を切った。「あ、いますいます、たぶん、あなたの前に座っています」と男性。「あ、ワタシその隣です」と別の女性。そんな具合で、それぞれのテーブルから徐々に会話が生まれてくる。どうやらこのテーブルには8人が座っているようだ。

耳しか頼りにできない分、自分の存在を知らせるために、誰もが口を開く。「なんだか不思議な空間にいますよね」という連帯で、普段ではありえないほど饒舌になり、時にはお互いの手を取り合って、存在を確かめ合ったりする。

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