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でんぱ組.inc 夢眠ねむと行く『見えない世界のみつめ方』展

でんぱ組.inc 夢眠ねむと行く『見えない世界のみつめ方』展

いまでこそ当たり前のように知られている世界地図や地球の形、太陽系の惑星たち…。絶え間ない進歩により観測領域を広げてきた人間は、そのたびに世界像を新しく塗り替えてきました。しかしながら、17世紀にそれまで信じられていた地動説が天動説にひっくり返ったように、わたしたちがいま信じている世界像も、すべてが正しいとは言い切れません。12月13日から東京都写真美術館で映像をめぐる冒険シリーズの第4弾として開催されている展示『見えない世界のみつめ方』は、「拡大と縮小」というコンセプトを出発点に、観測可能な世界を広げていく人間のこれまでの営み、そして既存の考え方を打ち破った新たな世界の見方をわたしたちに提示しています。果たして正しい世界像とは一体何なのでしょうか? 秋葉原を拠点に宇宙を救う活動を続け、先日リリースされたばかりのアルバム『ねぇきいて?宇宙を救うのは、きっとお寿司…ではなく、でんぱ組.inc!』も話題沸騰中のアイドルグループ、でんぱ組.incの「ねむきゅん」こと夢眠ねむさんと一緒に、『見えない世界のみつめ方』展を鑑賞しました。

テキスト:タナカヒロシ 撮影:菱沼勇夫

夢眠ねむ
電波ソングや漫画が大好きで、特に漫画は田河水泡をはじめとする1950年代の作品に熱中するなど深い造詣を誇る。ファッション誌やファッションビルなどでのモデル・グラビアでも活躍し、原宿と秋葉原を繋ぐカルチャーアイコンとして活躍している。また様々なクラブイベントで「DJねむきゅん」としても活動。エレクトロとアニソンを結ぶ女性DJとして注目を集めている。他、絵画の個展を開いたり、イラストを描いたりと芸術方面にもアンテナを張る。現在「でんぱ組.inc」のメンバーとしても活躍中で、12月14日には1stアルバム『ねぇきいて?宇宙を救うのは、きっとお寿司…ではなく、でんぱ組.inc!』がリリースされた。

夢眠ねむ公式サイト
でんぱ組.inc公式サイト

1. 歴史を変えた数々の写真が並ぶ

「宇宙とか大好きなので、今日は宇宙柄の服を着てきました。一時期、5次元についてずっと考えてたんですけど、活動拠点が秋葉原ということもあって、最近はまわりが2次元の話ばっかりで。でも、わたしはこっそり5次元に想いを馳せてたんです」。

会場に到着するや目をキラキラと輝かせて熱く語り始めた夢眠さん(以下、ねむきゅん)。幼い頃からいわゆるオカルト雑誌として有名な『ムー』を愛読し、ギリシャ神話や倫理学、哲学といった分野に強い興味を抱いてきたということで、今回のレポートには並々ならぬ意気込みで参加してくれました。

でんぱ組.inc 夢眠ねむと行く『見えない世界のみつめ方』展

「拡大と縮小」というコンセプトを出発点にした今回の展示は3部構成となっており、第1章のテーマは「肉眼を超えて」。20世紀のテクノロジーの発達を紹介していくこのコーナーで、まず最初にねむきゅんを迎えたのは、NASAによるさまざまな宇宙写真でした。人類史上初めて丸い地球を撮影した写真や、アポロ計画によって月面上陸した際に撮られた写真など、人類のテクノロジーの進化と宇宙のイメージを決定付けた数々の写真が並ぶ様子は壮観の一言。

でんぱ組.inc 夢眠ねむと行く『見えない世界のみつめ方』展

「かっこいい〜! 月面着陸の写真って実はウソだったんじゃないか、みたいな説もあるじゃないですか。わたしもテレビとかでそういう疑惑に触れて、完全に信じきれていなかったんですけど、こうしてまじまじと写真を見ると『キレイだからどっちでもいいや』って気持ちになりますね(笑)」。

でんぱ組.inc 夢眠ねむと行く『見えない世界のみつめ方』展

NASAが壮大なプロジェクトで宇宙を写真に収めたのとは正反対に、肉眼ではとても見えない小さなものを可視化する試みも古くから行われてきました。次にねむきゅんが足を止めたのは、約160年前に撮影されたという「ウニのとげの断面」写真。子どもの頃、理科の授業でカシパン(扁平な殻を持つウニのような生き物)をよく模写していたというねむきゅんは、「ウニのとげを撮ろうと思ったカーペンターかわいい!」と撮影者のウィリアム・ベンジャミン・カーペンターに共感を覚えた様子。化石のような質感を持つこの写真は、ダゲレオタイプ(銀盤写真)と呼ばれるもっとも古い写真技法で撮られたもので、東京都写真美術館が所有する写真のなかでももっとも高価で、非常に貴重な1枚だそうです。

ウィリアム・ベンジャミン・カーペンター 《ウニのとげの断面》 1848-49年ウィリアム・ベンジャミン・カーペンター 《ウニのとげの断面》 1848-49年

肉眼を超える人類の飽くなき観測はまだまだ続きます。内視鏡で撮影した妊娠3ヵ月の胎児、電子顕微鏡で2万倍に拡大した赤血球、夜光虫のように光って見える精子など、人体にまつわる写真はレナート・ニルソンによるもの。いまでこそ教科書などで目にした人も多いかもしれませんが、1965年に写真雑誌『ライフ』でこれらが発表されたときは、世の中に大きな影響を与えたそうです。

でんぱ組.inc 夢眠ねむと行く『見えない世界のみつめ方』展

また、ストロボライトを初めて実用化させたハロルド・ユージン・エジャートンの写真も展示。「ミルククラウン」の呼び名で知られる『ミルクの滴の小冠』や、弾丸が電球を貫く瞬間を捉えた連続写真など、肉眼では確認できない一瞬を切り取って映し出した写真の数々は、いま見ても新鮮な美しさがあります。

第1章を見終えたねむきゅん、とある映画を思い出したようです。

「この第1章の写真を見ていたら、『パワーズ・オブ・テン』(=固定したカメラのズームイン/ズームアウトだけで宇宙の果てから人間の細胞までを見せる短編映画)を思い出しました。まさかあの世界観を現実に体験できるとは…。第1章だけでこんなにすごいなんて、この先どうなっちゃうの!?」。

タナカヒロシ

1980年生まれの松坂世代。横浜市出身。いまはなき音楽フリーマガジン「BG MAGAZINE」で、立ち上げから数年間、編集・ライターをしたのち、フリーランスに。主に邦楽全般、K-POP、なぜかクレジットカードについての記事も執筆。最近はアイドルを中心としたアジア全般の音楽についても研究中。おもしろいと思ったことは ノンジャンルでいろいろやってますので、やさしくしてください。

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