アサダワタルの著書『当事場をつくる――ケアと表現が交わるところ』が刊行された。
1979年に大阪で生まれた文化活動家、近畿大学文芸学部准教授のアサダワタルは、これまでにない「不思議な」やり方で他者と関わることを「アート」と捉え、全国の福祉施設や復興団地でプロジェクトやワークショップを実施。その経験を著作や音楽作品として発表している。著作に『住み開き増補版 もう一つのコミュニティづくり』『想起の音楽 表現・記憶・コミュニティ』『アール・ブリュット アート 日本』など多数。「アサダワタルと下神白団地のみなさん」によるCD作品『福島ソングスケイプ』で『グッドデザイン賞2022』を受賞した。
『当事場をつくる――ケアと表現が交わるところ』は、支援される側と支援する側の垣根を飛び越えるべく、音楽表現を軸にした多彩な活動を繰り広げてきたアサダによる福祉・アートについての体験エッセイ。勤務先の障害福祉施設での重大なハラスメント事件や、「豊かな日常」を支えるはずの福祉現場にはびこる権力・暴力に直面し、葛藤し続けた先に著者が見出したのは「場」づくりの重要性だったという。
【伊藤亜紗のコメント】
自分が変わってしまうかもしれなというゾクゾク感
足を出すからそこに足場があらわれる
「倫理」と「楽しさ」が出会う場へ
【信田さよ子のコメント】
暴力を目撃しそこに居合わせることの当事者性を誠実に考え抜いた一冊
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