あの人の音楽が生まれる部屋

あの人の音楽が生まれる部屋 Vol.20 H ZETT M

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あの人の音楽が生まれる部屋 vol.20:H ZETT M

同一人物ではないらしいが……
椎名林檎とプレイした経験を語る

KORG

高校を卒業すると、国立音楽大学の作曲科へと進んだH ZETT Mさん。そこで知り合ったメンバーを中心に、PE’Zを結成します(本人いわく「それは知り合いのヒイズミマサユ機の話」とのこと)。2004年からは、椎名林檎率いるバンド・東京事変の第1期メンバーとして参加(こちらも「別人なんですが」とやんわり否定)。その超絶的な鍵盤さばきがお茶の間でも大きな話題となりました。

H ZETT M:椎名林檎さんのことは、彼女がデビューする前から知ってました。テレビで深夜に放映していた音楽コンテストの番組に出ていたのをたまたま見ていて。あとでそれが彼女だとわかるんですけどね。PE’Zと椎名林檎さん、音楽的には全然違いますが、椎名林檎さんとプレイしたことで学んだことは、やればやるほど、さらに上が見えてくるというか。どんどんレベルアップしていかなければという思いを強くしましたね。ここ最近またご一緒させていただいているので、常に何か学ばせていただいてます。

ジャンルの枠に捉われないマルチピアニスト
初音ミクを操った楽曲でニコ動でも脚光を浴びる

H ZETT Mの機材

07年には、H ZETT M名義でソロデビューを果たします。ファーストアルバム『5+2=11』は、「ごった煮の11曲」という意味。その後も、コンセプトアルバムとして、KORG「PS60」のみで作った童謡をカバーしたアルバム『きらきら☆すたんだーどwith PS60』(2010年)や、ピアノ1台のみで作りあげた『未来の音楽』(2012年)『魔法使いのおんがく』(2013年)、ボーカロイドの初音ミクをフィーチャーしたアルバム『H ZETT M feat.初音ミク』(2013年)などをリリース。ジャンルの枠にとらわれず、活動の幅をどんどん広げていきます。

H ZETT M:ニコニコ動画が面白いことになっていると聞いて、自分もそこで面白いことをやりたいと思って、ボカロ作品をニコ動でアップするようになりました。インターネットを通じてダイレクトにリアクションが返ってくるのが楽しいですよね。ボーカロイドだと、人間ではなかなか歌えないような高低差のメロディーも考えられるし、実際すごく上手く歌ってくれる(笑)。まらしぃという面白いピアニストとも出会えましたし、やってて楽しかったですね。

マジシャンのようなプレイの原動力は
「みんなにハッピーになってほしい」

H ZETT Mの機材

H ZETT Mさんが、ドラマーのH ZETT KOU、ウッドベースのH ZETT NIREと結成したジャズトリオバンド・H ZETTRIOは、4月15日から2週間おきに“Trio,Trio,Trio!!!”“Beautiful Flight”“Smile”と、3曲連続で配信リリースを行います。今作のレコーディングでは、「超ハイレゾリューション録音」に挑戦。音の粒だちが目に見えるような、打鍵のノイズやペダルを踏む音まで聴こえてくるリアルなサウンドは圧巻です。

H ZETT M:自分が弾いてる生のピアノの音と、それが録音されて聴く人のスピーカーから鳴っている音って、どうしても違ってくるじゃないですか。今回は、そこの差をいかに縮めることができるかにこだわりました。まるで目の前で弾いているようなサウンドが実現できたんじゃないかと思います。そして、2月に“Get Happy!”と“Something Special”を配信リリースした時と同じく、ジャケットのデザインをTwitterでお客さんから募集しました。曲名だけを伝えて、そのイメージで自由に描いてもらうんですけど、前回も不思議なくらい曲とマッチした作品が送られてきて面白かったですね。いろんな絵が集まって選ぶのが難しかったです。

5月には、韓国で開催されるチック・コリアやセルジオ・メンデスなどそうそうたるラインナップのジャズフェスティバルへの出演が決定。そして帰国後には、初のホール公演『H ZETTRIO LIVE LUXURY ~素晴らしきアンサンブルの夕べ~』の開催も控えており、今年はさらにH ZETT M旋風が海を越えて巻き起こりそうです。

H ZETT M:「ぶちかましてやろう」と(笑)。持てる全てを出してやろうと思っています。ライブでは、いつも何かミラクルが起きたらいいなと思っていますし、それを楽しみたいです。韓国のジャズフェスティバルは、巨匠から今勢いのある方たちまでたくさん出ます。そこで演奏できることが素直に嬉しいですし、特にフェスはお祭りだと考えているので楽しくやりたい。みんなにハッピーになってほしいですね。6月のミューザ川崎シンフォニーホールでのコンサートは、楽器から生の音が伝わるようにクラシック小屋を選びました。公開録音的な企画も考えていて、とにかく聴いてくれた人に元気を与えられたらなと思ってます。

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