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樺澤良(劇団制作社) インタビュー

樺澤良(劇団制作社) インタビュー

インタビュー&テキスト
木元太郎
撮影:柏木ゆか
2007/10/26

自分たちで何か起こすしかないんだなと勇気を振り絞ってみたら、実は皆同じ思いだった

樺澤:演劇祭って今数多く行われているんですが、僕はそのどれも演劇祭だとは思っていないんです。個々の劇団でのパブリシティ能力には限界があって、だからこそ、その一つのショーケースとして演劇祭というものがあるはずなのに、実際にそれに劇団が関わったときに還元されるものが少ない。本当は演劇祭そのものに観客が来ることが必要なのに、ほとんど全ては、劇団の公演を観に行ったら「たまたま演劇祭の参加作品だった」っていう。

―順番が逆ですよね。そこに「たまたま参加していた劇団」に観客が出会うっていうのが理想の形というか、本来の演劇祭というか。

樺澤:そう、それはなんとか変えられないかなと思って。その一歩として、今回の『劇場へ行こう』では外への発信ももちろんあるんですけど、主軸は劇団の持っている観客に置いているんです。自分たちのお客さまに対して、「今こんなものに参加しています。僕たちの公演も観てほしいんだけど、他の一緒に参加している団体も一度観てみませんか」と。

―ゼロから演劇を観る観客を作るのではなく、特定の劇団を観に行ってる観客を、演劇を観る観客に変えて行くっていうことですね。

樺澤:そういうことですね。だけど最初、これって成立するのかなって思ったんです。だって言ってしまうと、自分たちの団体が上に上がっていけばいい話じゃないですか。だから、全ての参加団体がある程度平等じゃなきゃいけない、なるべく公平な形になるようにと思って企画を組んだんですね。それは例えば「公演期間が後の団体の方がいいんじゃないか」とか、気になっていたことは数多くあったんですけど、でも意外と、参加しようと思ってくれた団体の皆様の方が熱くて。これはびっくりしました。

平等とか利益っていうことよりも、この『劇場へ行こう!』っていう企画が盛り上がっていって、その流れの中に自分たちが関わって、参加していることが伝わればそれでいいと。どこにも演劇祭っていう言葉は付いてないんだけれども、やっぱりある種お祭りなんですよ。お祭りを自分たちで作っていく。そういうものって愛情が出て来るんですよ。きっと。

―参加劇団が積極的に、「自分たちが運営して盛り上げよう!」と。

樺澤:そういう風に思ってもらえたのは、すごくありがたいですね。宣伝っていうことより、そういう「思い」って、いい形で広がっていくんじゃないかなと思います。今までの演劇祭に変わるものがないかってずっと思っていて、自分たちで何か起こすしかないんだなと勇気を振り絞ってみたら、実は皆同じ思いだったんです。 この『劇場へ行こう!』って実はどこの劇場でもできる企画なんです。普通の演劇祭っていうのは、その地域、その劇場じゃないとできないものだと思うんですけど、この『劇場へ行こう!』は、福岡でもできるし、札幌でもできる。それはCoRich舞台芸術!があるからですね。

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