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対米仕様DCPRG 菊地成孔インタビュー

対米仕様DCPRG 菊地成孔インタビュー

撮影:西田香織
2012/03/26
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「野音史上2番目」と言われる豪雨の中で行われた伝説の復活ライブ、ジャズの名門レーベル「インパルス」からのリリースとなった2枚組のライブ盤『ALTER WAR IN TOKYO』に続き、いよいよ久々のオリジナルアルバム『SECOND REPORT FROM IRON MOUNTAIN USA』を発表するDCPRG(DATE COURSE PENTAGON ROYAL GARDEN)。タイトルからもわかるように、本作は1stアルバム『REPORT FROM IRON MOUNTAIN』のセルフカバー的な意味合いがあると同時に、ジャパニーズアンダーグラウンドのアンファンテリブル「SIMI LAB」や、ボーカロイドの「兎眠りおん」といった8MCが参加した、異色のラップアルバムでもある。なぜ、このような驚きの作品が生まれたのか? それは、DCPRGとアメリカの、因縁とも呼ぶべき関係性に起因していると言ってもいいかもしれない。4月12日に新木場スタジオコーストで行われる単独公演には、SIMI LABのゲスト参加も決定。今から楽しみでならない。

SIMI LABは存在全部が衝撃ではあったんですけど、「一緒にできるかも」っていう予感にドキドキしたんですよね。

―活動再開以来、ライブ盤のリリースはありましたが、オリジナルのリリースはひさびさですね。

菊地:ご存じの通りCDが全然売れない世の中なので、「ライブ録音をして、配信で出せばいいんじゃない?」という、スタッフサイドの判断があったんです。ただ、いつまでもライブ盤の配信をオフィシャルブートみたいにバンバン出しててもしょうがないって感じになってきて、ユニバーサル・ジャズさんとイーストワークスエンターテインメントさんから、共同原盤の形で出さないかという話をいただきまして。さらにそれは、インパルス(1960年にニューヨークで創設された老舗ジャズレーベル)のレーベル使用許可が出たと。僕が働きかけたわけじゃなくて、気が付いたら段取りがスタッフの間で進んでたんですけどね(笑)。

菊地成孔
菊地成孔

―『SECOND REPORT FROM IRON MOUNTAIN USA』というタイトル通り、1stの『REPORT FROM IRON MOUNTAIN』のセルフカバーのような意味合いのある作品となっているわけですが、最後に「USA」とつけたのは何故なのでしょう?

菊地:それはシャレみたいなもんで、インパルスの作品だということですよね。インターナショナルサイズと言っても、実際どれくらいの市場で、どれくらいの国の人がCD屋さんで手に取るかわかったもんじゃないですけど、話的にドメスティックなものではないと。それで、どう考えてもインパルスですし、ユニバーサルですから、北米メインだろうってことで「USA」って入れたんです。あと「SECOND」っていうのは単純に、1枚目からちょうど10年ぶりなんで、新しいメンバーで1枚目をもう1回やるんだっていうイメージですね。

―しかも、ただセルフカバーをするのではなく、ラップが大きくフィーチャーされていることに驚きました。

菊地:「次にDCPRGのアルバムを作る場合はラッパーとコラボレーションしたい」っていうのは比較的早くからあって、とはいえ、誰とどういう風にやるかっていうのは全く決まってなかったんですね。それとは別に、SIMI LABのファンは必ずこれでやられたっていう“WALK MAN”っていう曲を2009年にYouTubeで聴いて、衝撃を受けたんです。ただ、その年はDCPRGが活動を再開した年で、我々の本丸の方もワヤワヤでしたし、SIMI LABがどういう連中かも全くわかんなかったんですよ。

―SIMI LABのどんな点に惹かれたのですか?

菊地:僕はヒップホップのフロウがやがてラップの方じゃなくて、トラックの方に来るだろうってずっと思ってて、ただ実際には来てなかったんですよね。ジャパニーズ・アンダーグラウンド・ヒップホップはすごい優秀なラッパーを輩出してるんですけど、トラックはガチガチで、エレクトロに近くなって行った。それに対して、SIMI LABの“WALK MAN”は、トラックが揺れてる、トラックがフロウしてるってことにすごい衝撃を受けたんです。彼らの存在全部が衝撃ではあったんですけど、「一緒にできるかも」っていう予感にドキドキしたんですよね。

2/4ページ:どぎついブラックユーモアですね。東京からジャジーヒップホップが来たら、ボーカロイドがラップしてたっていう(笑)。

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リリース情報

DCPRG『SECOND REPORT FROM IRON MOUNTAIN USA』
DCPRG
『SECOND REPORT FROM IRON MOUNTAIN USA』

2012年3月28日発売
価格:3,059円(税込)
UCCJ-2095

1. キャッチ 22 feat. JAZZ DOMMUNISTERS & 兎眠りおん
2. サークル / ライン
3. 殺陣 / TA-TE CONTACT & SOLO DANCERS
4. マイクロフォン・タイソン feat. SIMI LAB
5. トーキョー・ガール
6. UNCOMMON UNREMIX feat. SIMI LAB
7. デュラン feat. 「DOPE」(78) by アミリ・バラカ

イベント情報

Ron Zacapa presents
『菊地成孔 DCPRG』

2012年4月12日(木)OPEN 18:00 / START 19:00
会場:東京都 新木場 STUDIO COAST
出演:DCPRG
料金:スタンディング6,500円 指定席7,000円 当日券7,500円

プロフィール

DCPRG

菊地成孔が、アフロ=ポリリズムを世紀末からゼロ年代の東京のクラブ・シーンに発生させ、持続させたファンクバンド。ポリBPMによるフェイズの深化、マイルス・デイビスのエレクトリック・ファンクと菊地雅章マナーによるマイルスを、クロスリズムのアフリカ的な実践によって、さらなる進化を世界で唯一実現した。2007年に休止した後、2010年10月9日、雨の日比谷野外音楽堂で新メンバーによる伝説的な復帰を遂げた。

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