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SPICY CHOCOLATEに訊く、ジャパニーズレゲエの歩み

SPICY CHOCOLATEに訊く、ジャパニーズレゲエの歩み

インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:豊島望
2013/04/01

日本のレゲエシーンは現在転換期を迎えていると言っていいだろう。1995年からスタートし、00年代の後半には3万人もの観客を集めるようになったジャパニーズレゲエの代名詞『横浜レゲエ祭』は、昨年初めて開催を中止。また、レゲエを若年層にまで浸透させるきっかけとなった着うた文化は、携帯からスマートフォンへの移行によって、その役目を静かに終えようとしている。そんな中にあって、これまでレゲエのイメージがなかった渋谷を拠点に、一人気を吐いているのがDJ CONTROLERことKATSUYUKIを中心としたSPICY CHOCOLATEだ。2009年にスタートし、ミックスCDのように1曲ごとにアーティストが入れ替わるステージで人気を博している『渋谷レゲエ祭』は今年、これまでのSHIBUYA O-EASTからSHIBUYA-AXへと規模を拡大して開催されることもすでに決定している。日本のレゲエシーンを黎明期から見つめ続け、チャレンジを続けてきたKATSUYUKIは、今何を思い、どこを目指しているのか? 「とにかく人と同じことだけはしたくない」という信念を貫いてきた男に、20年の歩みを訊いた。

当時の日本はディスコが全盛で、レゲエとかヒップホップはワールドミュージックとして扱われている時代でした。

―そもそもCINRAでは、これまでレゲエを取り上げる機会が少なかったので、今日はレゲエカルチャー全般について教えていただけたらと考えています。まずKATSUYUKIさんが、レゲエに興味を持ったきっかけから教えていただけますか。

KATSUYUKI:遊んでた仲間のカーステレオから流れてたのを聴いて、「これなんなの?」って思ったのと、あとは気に入ってる女の子の好きな音楽がレゲエだったとか、そういうきっかけですね。

KATSUYUKI
KATSUYUKI

―最近の若い人はそういうことなかなか言ってくれないんで、なんか嬉しいです(笑)。

KATSUYUKI:好きな子がどういう音楽を聴いてるのかって、やっぱり興味持つじゃないですか(笑)。当時の日本はディスコが全盛で、レゲエっていうジャンルはまだ確立されていない時代でした。ワールドミュージックの中に、ヒップホップとかレゲエが一緒くたにまとめられていて、その中からレゲエがサブカル的に発信され始めてたんですね。

―90年代前半とかだと、今とは全然違うんですね。でも、そういうレゲエが認知されていない中で、KATSUYUKIさんはレゲエにのめり込んで行って、自分でもやってみようと思ったわけですね。

KATSUYUKI:そうですね。当時ディスコでユーロビートとかをかけてるDJたちは12インチのアナログ盤を回してたんですけど、レゲエは7インチで、一曲一曲を集めていく文化なんですね。だから、最初は「俺もこの曲欲しいな」って感じで自分の好きな曲をコレクションしていって、そこからDJをやり始めた感じです。僕は品川区の出身なんですけど、あのエリアには結構レゲエ好きがいて、「お前がこのレコード買ったんなら、俺はこれ買うぜ」みたいに競争してました。

―そのあたりにはなぜレゲエ好きが多かったんですか?

KATSUYUKI:昔『JAPAN SPLASH』っていう、ジャマイカ人のアーティストたちを集めた大きなフェスティバルが横須賀で行われてて、その影響はあったと思います。僕らの10コ上の世代とかはヒッピー文化もあったと思うんで、その流れの中で徐々にレゲエに火が点いたんでしょうね。日本語でレゲエを初めて歌ったのはランキン・タクシーっていうずっと年上の先輩なんですけど、それを見た人が日本語でレゲエをやり始めて、それを聴いてさらに僕らが出てきたっていう、ジャパニーズレゲエの流れがあるんです。

―SPICY CHOCOLATEの結成は1994年ですね。品川の仲間たちと始めたわけですか?

KATSUYUKI:そうですね。当時南青山にあったアフロマニアってクラブに入り浸っていて、そこのオーナーが「SPICY CHOCOLATE」っていう名前を付けてくれました。

―当時はどんな活動をしていたんですか?

KATSUYUKI:レゲエには、自分たちの自前のスピーカーを所有するっていう文化があって、まずはその「サウンドシステム」を完成させるところから始めて、あとはダブプレートを作ることですね。ダブプレートっていう、自分たちだけのスペシャルな盤を作ることによって、レゲエのクルーとして強くなっていく、それが当時の目標でした。

―今日の話の中で、横浜との関係性っていうのはひとつ軸になると思ってるんですね。後に『横浜レゲエ祭』を主催するMIGHTY CROWNが1991年から活動を開始していましたが、当時の彼らはKATSUYUKIさんにとってどんな存在でしたか? 仲間なのか、ライバルなのか、それとも目標だったのか。

KATSUYUKI:みんながみんなライバルだったと思います。その時代にみんなで競い合うことで、今の日本のレゲエシーンができたのかなって。90年代後半ぐらいからみんなの活動が盛んになって、00年代に入ると、『横浜レゲエ祭』だったり『HIGHEST MOUNTAIN』だったりで爆発したっていう。90年代に構築されたものが、00年代に多くの人に認知されて、受け入れられたことで、シーンとして成り立って行ったのかなって思いますね。

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リリース情報

『渋谷レゲエ祭2012 カマゲン!』(CD)
『渋谷レゲエ祭2012 カマゲン!』(CD)

2013年3月6日発売
価格:3,000円(税込)
UICV-1025

[DISC1]
『渋谷レゲエ祭 2012 SETLIST MIX』
1. RYO the SKYWALKER / 晴れわたる丘
2. BIGGA RAIJI (SPICY CHOCOLATE) / SIZE
3. HOKT / TRUE LOVE〜オマエ、俺だけのもの...〜
4. 青山テルマ / 何度も
5. NATURAL WEAPON & TAK-Z / 祭りのあと
6. MUNEHIRO / BIKINI feat. KENTY GROSS, BES
7. J.T.C feat. 774 / アップタウン奥さん
8. KENTY GROSS / 危ナイ〜ス!!
9. MICKY RICH / OVER THE BORDERLINE
10. Miss Monday / オハナ
11. HAN-KUN & TEE (SPICY CHOCOLATE) / ずっと
12. NATURAL WEAPON / GIVE ME SOME
13. Miss Monday & HOKT from N.C.B.B (SPICY CHOCOLATE) / 雪ノ降ル街デ
14. BIGGA RAIJI /絆
15. 卍 LINE /日本のうた
16. SILVER BUCK / ブッチ突破
17. BES / オードリー feat. KENTY GROSS
18. KEN-U, MICKY RICH, DOMINO KAT from ENT DEAL LEAGUE (SPICY CHOCOLATE) / Chocolate Girl
19. MEGARYU / アゲアゲハリケーン
20. HAN-KUN / TOUCH THE SKY
21. TAK-Z, NATURAL WEAPON & 強(SPICY CHOCOLATE) / Hustlin' Dreamer
22. DOMINO KAT from ENT DEAL LEAGUE (SPICY CHOCOLATE) / カチカチ
23. BIGGA RAIJI, J-REXXX & TRIGGER (SPICY CHOCOLATE) / つかみとれ
24. MUNEHIRO & 卍 LINE (SPICY CHOCOLATE) / Tun up!!
25. 青山テルマ & RYO the SKYWALKER (SPICY CHOCOLATE) /君に会いたい...
26. BES & SATOMi (SPICY CHOCOLATE) / そばにいたい
27. SHOCK EYE, lecca & SIMON (SPICY CHOCOLATE) / 愛スルモノ
28. BIG RON, CORN HEAD & Miss Monday (SPICY CHOCOLATE) / CHANGE YOUR LIFE
29. MICKY RICH & MUNEHIRO (SPICY CHOCOLATE) / Be alright
30. Miss Monday & SIMON (SPICY CHOCOLATE) / SHIBUYA DREAM
[DISC2]
『渋谷レゲエ祭 2012 LIVE MIX』

プロフィール

SPICY CHOCOLATE

ジャパニーズレゲエ界にその名を馳せるKATSUYUKI a.k.a. DJ CONTROLER 率いるREGGAE SOUND CREW=SPICY CHOCOLATE。 94年の結成以来、2007年からコンピ・シリーズのリリースをスタート、2011年9月から『渋谷 RAGGA SWEET COLLECTION』という新シリーズを2枚リリース。その中から多くのデジタル・ヒット曲を生みだした。2009年よりライフ・ワークとなる渋谷初のレゲエ祭「渋谷レゲエ祭」をスタート、毎年ソールドアウトを記録、2013年はその規模も渋谷AXへの拡大しての開催が決定している。

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