インタビュー

必修科目化による、ダンス文化の変化とは? WEFUNK監督に訊く

必修科目化による、ダンス文化の変化とは? WEFUNK監督に訊く

インタビュー・テキスト
柴那典
撮影:相良博昭
2015/02/13

ダンスが学校の必修科目になったことも影響し、ここ10年間で日本のストリートダンスカルチャーは大きく変化している。そう語るのは、WEFUNK代表の城田寛治だ。

WEFUNKとは「ストリートダンス×ライブバンド」というコンセプトのもとで結成されたプロジェクトとのこと。徐々に規模を拡大し、先日にはZepp Tokyoにてライブイベント『WEFUNK vol.6 “LOST GOVERNMENT”』も開催された。そして、筆者が初めて観たそのステージは、今までにないタイプのエンターテイメント体験だった。

ステージ上には派手な衣装をまとったダンサーたちが代わる代わる登場し、ダイナミックなストリートダンスを舞い踊る。そしてその後ろではホーン隊を含む10人以上の編成の生バンドが熱い演奏を繰り広げる。ファンクやソウルの名曲から、J-POPや洋楽R&Bナンバーのカバー、そしてオリジナル曲を披露する。アンコールではその日の出演者が全員ステージに集まっていたのだが、その人数は100名を優に超えていた。しかも彼らは「ダンサーとバックバンド」でも「生バンドとバックダンサー」でもなく、両者が一体となって、1つのステージを作り上げていたのである。

WEFUNKとは一体何者なのか? そして、ダンス文化の変化の中で彼らは何を目指すのか? 代表の城田寛治、そして、ダンスカルチャーのさらなる発展に期待を抱きながら、「WEFUNK」のプロジェクトに惚れ込み、ミニアルバム『LOST GOVERNMENT』のリリースに漕ぎ着けたビクター内レーベル「SPEEDSTAR RECORDS」のレーベル長・小野朗に話を訊いた。

ダンスサークルと軽音サークルは、最初は相容れないようなところがあって、なかなか交流も深まらず、「本当に仲良くなれるのかな?」って思ってたんです。(城田)

―ざっくりとした質問なんですけど、「そもそもWEFUNKって何?」というところからお話を訊ければと思います。

城田:端的に言うと、WEFUNKっていうのはストリートダンスとミュージシャンが一緒に作り上げていくライブのことを言っています。ダンサーとバンドが一緒にやることをコンセプトにしたプロジェクトですね。

―WEFUNKは、2006年に大学のストリートダンスのサークルと軽音サークルのコラボイベントから始まったということですけれども。最初はどういうきっかけがあったんですか?

城田:もともと僕は軽音サークルにいたんですけれど、その部室が地下にあったんですね。で、ある日練習をしていたら、外に漏れているバンドの演奏の音にあわせて、窓の前でダンスサークルの子たちが踊っていたんです。その人たちは、いつもは自分たちでかけた音楽にあわせて踊ってたんですけど、僕たちの音にあわせているのを見て、「これは一緒にできるんじゃないかな」と思って声をかけました。それが最初のきっかけですね。

―バンド側からのアプローチだったんですね。

城田:そうですね。僕はミュージシャン側で、ダンサー側に知り合いもいたので、「一緒にやってみない?」っていう話になったんです。

左から:小野朗、城田寛治
左から:小野朗、城田寛治

―とは言っても、ストリートダンスのカルチャーとバンドのカルチャーって、ほとんど交わってなかったと思うんですよ。だから一緒にやるって言っても、なかなか難しかったんじゃないかと思うんです。

城田:そうですね。今は大学でもダンスサークルはカジュアルになってきてるんですけれど、当時は、基本的にダンスをやってるのはファッションもダボダボで、若干アウトローな感じの人が多くて。で、一方ミュージシャンは地下にこもってギターを弾き続けるような、内にこもるタイプが多い。

―文化圏が違いますよね。

城田:そうなんです。だから、最初は相容れないようなところがあって、なかなか交流も深まらず、「本当に仲良くなれるのかな?」って思ってたんです(笑)。

―それでもやってみたら通じ合うところがあった。

城田:最初は壁もあったんですけれど、実際は共通する部分はすごく多かったですね。知ってる曲も一緒でしたし。

『WEFUNK vol.6 “LOST GOVERNMENT”』(1月31日@Zepp Tokyo)より
『WEFUNK vol.6 “LOST GOVERNMENT”』(1月31日@Zepp Tokyo)より

―どの辺が共通する部分だったんでしょう?

城田:最初のきっかけになった音漏れしていた曲は、Tower of Power(アメリカ出身、ホーンセクションが特徴的なファンクバンド)の“Soul With a Capital "S"”です。ミュージシャン側はファンクやソウルが昔から好きで演奏していたんですけれど、ダンサーの方にも、サークルの先輩や有名なダンサーが使った曲が定番になる文化があって、その曲をみんな知ってたんですね。あとはEarth, Wind & Fireの“September”とか、定番曲は共通していました。

―逆に壁になったところというと?

城田:やっぱりエンターテイメントの枠組みが違うんですよね。ダンスのイベントのオーガナイズは、照明には凝ってるけれど音響はそこまで考えられていない。ダンサー側も、もちろん生音で踊ったら楽しいっていうことを本質的には知っていても、バンドを入れようとすると準備の時間もかかるから、「わざわざバンド入れなくてもいいか」って思っていた人がほとんどだったと思うんです。

―実際にイベントをオーガナイズして、手応えは大きかったですか?

城田:そうですね。僕が一番それを感じたのは、かつてないくらい出演者たちがいい顔をしてたんです。相容れないと思ってた同士が通じ合えたという瞬間、そこからくる楽しさがステージ横からも見えたし、それがそのままお客さんに伝わってる感じがあった。これはやる価値があるなって、直感的に思いました。大変なことも多いけれど、それに見合うだけの成果があるなと。

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リリース情報

WEFUNK『LOST GOVERNMENT』(CD)
WEFUNK
『LOST GOVERNMENT』(CD)

『WEFUNK vol.6 “LOST GOVERNMENT”』会場限定発売
価格:1,800円(税込)
NCS-889

1. LOST GOVERNMENT
2. Dancer's High
3. いつか
4. Ain't Fo' U
5. I AM FOR YOU!!

イベント情報

WEFUNK
『WEFUNK vol.6 ”LOST GOVERNMENT” Limited Edition』

2015年5月9日(土)
会場:東京都 新宿 ReNY

プロフィール

WEFUNK(うぃーふぁんく)

「ストリートダンサー×ミュージシャン(バンド)」をコンセプトに、2006年学園祭の企画として結成。ストリートダンスをアーティストのライブのように演出したステージで、見るだけではないダンスの楽しみ方を提唱し、話題となる。2008年ダンサーからの要望により、第1回CLUB CITTA’公演を敢行。1000人を動員し、「ライブベース」のダンスコラボレーションというコンセプトを確立。2013年10月には横浜市の呼びかけで、横浜BLITZのFINAL(閉館)イベントとしてWEFUNKを開催。2015年1月31日には、Zepp Tokyoにて『WEFUNK vol.6』を開催し、イベント会場限定盤として『LOST GOVERNMENT』をリリース。

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