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桐嶋ノドカの告白。歌う意味を見失った「空白の2年」とその胸中

桐嶋ノドカの告白。歌う意味を見失った「空白の2年」とその胸中

桐嶋ノドカ『言葉にしたくてできない言葉を』
インタビュー・テキスト
天野史彬
撮影:伊藤惇 編集:山元翔一

私は人生が歌声になっている、野生児みたいな人が好き。

―小林さんとryoさんとのプロジェクトがはじまる段階でも、「歌いたくない」っていうモードは続いていたんですか?

桐嶋:はい、続いていました。「また仕事めいてしまうんじゃないか」「歌いたいように歌えなくなってしまうんじゃないか」と思って、お話をいただいたときはグダグダしていて。でも、ryoさんと小林さんの姿を見つめるうちに、だんだんと問題が解決されていったんです。

桐嶋ノドカ

―桐嶋さんにとって、音楽面以外でもお二人の存在は大きかったと。順番にお聞きしたいんですけど、まず、桐嶋ノドカ、小林武史、ryoという三人のトライアングルは、どういった関係性で成り立っているんですか?

桐嶋:そうですね……小林さんが農場主で、私とryoさんがそこで放牧されながら、自由に遊んでいる感じです(笑)。

―なるほど、わかりやすいです(笑)。

桐嶋:小林さんはフィールドを与えてくれる存在。私をミュージシャンとして対等な存在として見てくれているし、私が縦横無尽に駆け回れる場所をちゃんと与えてくれて、見守ってくれる。私が、どう自由に、どう激しく歌を歌いあげていくかっていうことを、すごく楽しみにしてくれている方なんです。なので、小林さんに対してはなにを見せてもいいというか、どういう歌を歌ってもいいんだなって、すごく安心感があります。

―そんな安心感のある農場主のもとに、ryoさんという新しい遊び相手がやってきた。

桐嶋:そう(笑)。ryoさんとは本当に友達みたいでした。毎日、朝から晩までスタジオにこもって、「小林さんを驚かせてやろうぜ!」って作戦を立てている、みたいな(笑)。

桐嶋ノドカ

桐嶋:ryoさんは、思ったことに本当にまっすぐで、24時間スタジオにこもっているような、ありえないぐらいの時間を注ぎ込んで音楽を作り続けている人で。今回も、初めて会ったときには既に私の歌声を論理的に分析していて、そこから、私が本当に出したかった声を出せるようになるまでの、全部の過程に付き合ってくれたんです。

―ちなみに、桐嶋さんが出したかった歌声って、言葉にすることはできますか?

桐嶋:野生児みたいな声、です(笑)。私は、ジャニス・ジョプリンやビョーク、ビリー・ホリデイのような、人生が歌声になっている、野生児みたいな人が好きで。そういう人の声を聴くと「歌に生かされているんだね」っていうことがわかるんですよね。私は歌があるから生きているし、歌に生かされていると思うからこそ、そういう人たちのような声を出したかったんです。

自分の心がすごく喜ぶことを真剣に掘り下げることこそ、プロとしての道なのかなって。

―実際、今回のシングルで聴ける桐嶋さんの声は、以前とは全く違う質感がありますよね。以前は桐嶋さんの内側から歌を絞り出している感じもあった気がするんですけど、今作は、桐嶋さんが「歌」という巨大な海に飛び込んでいる印象があります。

桐嶋:うん、まさに飛び込むような感じです。自分の気持ちを素直に声に乗せるような歌が歌えるようになったのは、本当によかったし、気持ちも自由になりましたね。

桐嶋ノドカ

―小林さんとryoさんの二人が、桐嶋さんの「歌いたくない」っていうモードを180度転換させてしまったのは、どういったところにあるんですかね?

桐嶋:二人には「『好き』で走り続けることが正解なんだな」って気づかせてもらいました。小林さんもryoさんも、自分が作る音楽にすごい情熱と責任感があるし、ものすごく音楽オタクで、音楽への時間とエネルギーの使い方が生半可じゃなくて。私は周りに気を遣っちゃうけど、二人は常に全力で「ウオー!」って走り続けてる。まぁ、周りの人たちは大変でしょうけど……(笑)。

でも、二人の姿を間近で見たとき、自分の心がすごく喜ぶことを真剣に掘り下げることこそ、プロとしての道なのかなって思って。そのとき改めて、「音楽を仕事にするっていいな」って思えたんです。

―喜びを我慢することがプロではなくて、喜び続けることがプロなんだ、ということを教えてもらった。

桐嶋:はい。ずっとやり続ける、喜び続ける、走り続けることで、小林さんもryoさんも、これまでの実績を積み上げてきたんだろうし、だったら私も、私の好きな歌を、好きなように、好きなだけ歌っていいんだなって思えたんです。

桐嶋ノドカ

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リリース情報

桐嶋ノドカ
『言葉にしたくてできない言葉を』TYPE-A
桐嶋ノドカ
『言葉にしたくてできない言葉を』TYPE-A(CD+Blu-ray)

2017年11月22日(水)発売
価格:1,944円(税込)
KIZM-509/10

[CD]
1. 言葉にしたくてできない言葉を
2. 夜を歩いて
3. How do you feel about me ?
[Blu-ray]
・『「言葉にしたくてできない言葉を」Music Video』
・『「言葉にしたくてできない言葉を」Making of Music Video』
・『桐嶋ノドカ×爪先の宇宙 Collaboration Movie「言葉にしたくてできない言葉を」「夜を歩いて」「How do you feel about me ?」』

桐嶋ノドカ『言葉にしたくてできない言葉を』TYPE-B
桐嶋ノドカ
『言葉にしたくてできない言葉を』TYPE-B(CD)

2017年11月22日(水)発売
価格:1,296円(税込)
KICM-1816

1. 言葉にしたくてできない言葉を
2. 夜を歩いて
3. How do you feel about me ?
4. 言葉にしたくてできない言葉を -桐嶋ノドカ×小林武史 Studio Session-

プロフィール

桐嶋ノドカ
桐嶋ノドカ(きりしま のどか)

1991年5月5日生まれ。横浜出身。2012年夏、デモ音源を音楽プロデューサー・小林武史へ送ったことがきっかけとなり、同氏のスタジオに通い始める。曲作りを続けながらライブハウスへ出演し始めると、音楽配信サイト「OTOTOY」が真っ先に彼女の才能に注目。2015年7月、3年という時間をかけて満を持してミニアルバム『round voice』でA-sketchよりメジャーデビュー。デビュー作には椎名林檎や東京事変などの楽曲を多数手がけてきた井上うに氏がレコーディングエンジニアとして全曲参加。彼女に対し「一耳惚れなどほとんどしないのだが、桐嶋ノドカの声にやられた。」と、圧倒的な歌声を絶賛している。2016年3月には初となるワンマンライブツアーを東名阪で開催し、全国各地からファンが集まり成功を収める。2017年11月、シングル『言葉にしたくてできない言葉を』をリリース。生命力溢れる力強さと聖母のような優しさを併せ持った唯一無二の歌声は、人の心にダイレクトに訴えかける。

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