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中井圭が主催する『偶然の学校』 内容も講師も隠された理由とは?

中井圭が主催する『偶然の学校』 内容も講師も隠された理由とは?

偶然の学校
インタビュー・テキスト
村上広大
撮影:八田政玄 編集:久野剛士

考え抜いた末に失敗するのであれば、それでいいと思うんです。

—11月開催のイベント『NEWTOWN 2018』では、『CINRA.JOBのワクワクWORK図書室』のコンテンツとして『偶然の学校』のワークショップを実施すると聞いています。どのような催しになるのでしょうか?

中井:わかりません(笑)。実は今回の企画は生徒たちに任せているんです。大きな意味での「実地訓練」というか。これまではクローズドな空間でいろんなことに取り組んできたのですが、それを実際に世の中に発信する絶好の機会だなと。これだけ情報が溢れている中で、本当に関心を持ってもらうのってすごく大変なことです。しかも、彼らは『偶然の学校』という看板を背負っている。だから、それなりのクオリティーのものを作らないといけない。貴重な場を与えてもらったなと思っています。

中井圭

—これまでの授業で得たものを実際に試すわけですね。

中井:はい。だから、僕は企画の水準や方向性に関してダメ出しはするけれど、具体的なところはあまり口出しをしないようにしていて。でも、みんなすごく苦労していますね。僕のチェックは鬼なので(笑)。やっぱり自己満にしたくないし、内輪だけで盛り上がるのがいちばんカッコ悪いですから。

—そうしたら喧嘩に近いやり取りになるのでは?

中井:なりますよ。実はつい先日も企画に厳しくダメ出しをしたら、イラッとしたのか、生徒が噛みついてきました。だから、ロジックの不整合を明確に指摘しました。もちろん、大人なのでお茶を濁すこともできると思うんですよ。でも、やるからには120点のものを出したいし、そういう気持ちで取り組むことが大切。100点のものを作っても、本番では絶対に70点とか60点になってしまうので。

昨年の『NEWTOWN』の様子
昨年の『NEWTOWN』の様子

—そこは上下関係なく、対等にやりとりするんですね。

中井:学校での立場としては僕の方が上になりますが、違和感を感じたらそれをきちんと口に出して納得いくまで話し合える関係の方が良好だし、そこに遠慮は必要ないなと。「ハートは熱く、頭は冷静に」みたいな。

そして、もし自分の主張が間違っていたら、きちんと誤りを認めて正しい方向に向かっていくのが大切なんですよ。特に最近は、謝れる人が少なくなっていると感じています。SNSでもよく議論が巻き起こっていますが、永久に議論している人たちっているじゃないですか。そういう小さな枠組みではなく、自分が間違っていたら素直に認めるほうが人間としての器が大きいなと思って。僕も間違っていたら謝るし、素直になることで生まれるものもあるから。それは僕も勉強になっています。

—どんなものができあがるのか不安でもあり、楽しみでもありますね。

中井:僕もどうなるのかなと思いながら、ぼんやりと見ています。でも、考え抜いた末に失敗するのであれば、それでいいと思うんです。もちろん成功するに越したことはないですが、最後に責任を持つのは主催者である僕なので。

生徒には課題と真剣に向き合って、吐くまで考えてほしい。それで失敗しても、彼らのこれからの人生にとって大きな糧になるはず。それはお金で買えるものではないし、あとは頑張ったほうが打ち上げの酒がすごく美味しいんじゃないかなって(笑)。それをいまは楽しみにしています。

11月10日、11日開催の『NEWTOWN 2018』では、ワークショップ『CINRA.JOBのワクワクWORK図書室』が開催。『偶然の学校』のワークショップも実施される
11月10日、11日開催の『NEWTOWN 2018』では、ワークショップ『CINRA.JOBのワクワクWORK図書室』が開催。『偶然の学校』のワークショップも実施される(サイトを見る

—中井さんの話を伺って、『偶然の学校』はまるで人生の縮図みたいだなと思いました。

中井:確かに。僕が意図していなかった、さまざまな人やものとの出会いが次々に生まれていますから。まるで生き物であり人生みたいですよ、予想しない方向に育っているので。それはきっと、『偶然の学校』に集まってきてくれた人たちが息吹を与えてくれるからだと思うんですけれど。

—それこそ、5年後、10年後が本当に楽しみです。

中井:そうですね。『偶然の学校』で得られることって、数学で100点が取れるとか、英語が流暢に話せるようになるとか、実用的な技術ではないんですけれど、人生を楽しく過ごすための「気づき」があると思います。生徒がこれから先、なにものになるのかはわからないですが、より豊かな人生を送れるようになったら嬉しいですね。

中井圭
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イベント情報

『偶然の学校』
『偶然の学校』

1年間をかけて、参加者が予期していない文化・学問・技術を体感してもらう学校プロジェクト。

『NEWTOWN 2018』4F「ワクワクWORK図書室」
『NEWTOWN 2018』4F「ワクワクWORK図書室」

2018年11月10日(土)、11月11日(日)
会場:東京都 多摩センター デジタルハリウッド大学 八王子制作スタジオ(旧 八王子市立三本松小学校)4F
時間:各日10:30~19:00(予定)
株式会社それからデザイン
小柳津林太郎(2代目バチェラー)
鳴海淳義(BuzzFeed Japan)
恩納力(Abema TV)
偶然の学校
インフォバーン 新卒採用担当タクミ
僧侶 稲田ズイキ
前田隆弘
BOOK LAB TOKYO
料金:無料
※一部プログラムは有料

プロフィール

中井圭(なかい けい)

映画解説者。WOWOW「映画工房」「ぷらすと by Paravi」、シネマトゥデイ×WOWOW「はみだし映画工房」、TOKYO FM「TOKYO FM WORLD」、ニコ生公式「シネマのミカタ」等に出演中。「POPLETA」「Numero TOKYO」「CUT」「観ずに死ねるか!」シリーズ、映画広告ポスター等に寄稿。「映画の天才」「偶然の学校」運営。

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