ベランパレードが歌で救おうとする、痛々しくて苦しい過去の自分

自分にとって「ロックバンド」とはどんな存在だったのか、考えてみる。10代の頃聴いていた銀杏BOYZやTHE HIGH-LOWSは、「世界に期待するな。自分に期待してみろ」と語りかけてくるようだった。その温かい音の中で、僕は安心してひとりぼっちでいることができた。たまに、あの頃の自分に言ってやりたくなる。「安心しろ。お前はこれからたくさん変わっていけるし、なにも変わらないから」と。

宮崎県在住の4ピースロックバンド、ベランパレードが、ミニアルバム『スクラップ イン マイ ルーム』を9月19日にリリースした。ギター、ベース、ドラムが見事なバランス感覚で配置されたアンサンブルの上で、フロントマン・歌王子あびが綴る、細やかな本音や、優しくて美しい嘘が歌われるロックアルバムだ。ジャケットのイラストは、GOING STEADY『童貞ソー・ヤング』のジャケットでも知られる漫画家、古泉智浩が手掛けている。今、この時代に狂おしいほどにロックバンドであろうとする4人に話を聞いた。

「お前みたいなボンクラでも、なんかできるだろ」って言ってくれているようにも思えました。(あび)

—ロックバンドに興味を持った理由から聞かせてもらえますか?

あび(Vo,Gt):自分には、昔から趣味も特技も目標もなにもなくて。でも、「夢はなに?」って訊かれて「特にないです」って答えると、「それ、マズいでしょ」とか言われるんですよね。そのたびに「夢がないとマズいのか?」って思ってたんですけど……。

でも、ロックバンドに出会って初めて「これだったら僕にもできるかもしれないし、やりたいかもしれない」って思えたんですよ。なので、世の中にあるものでバンドが一番好きですね。

左から:Kota Kamimura、歌王子あび、ゆりえちゃん、モッコリ

—特に影響を受けたロックバンドはなんですか?

あび:高校生の頃一番聴いていたのは、ガガガSPですね。あと、メガマサヒデとか、銀杏BOYZ。青春パンクブームの中でも、「青春パンク」と呼ばれることを嫌い続けた人たちにハマりました。みんな、ひねくれてるなぁって。「お前みたいなボンクラでも、なんかできるだろ」って言ってくれているようにも思えました。

—ベランパレードって、世代的には青春パンクのムーブメントって、そこまでリアルタイムではないですよね? 銀杏BOYZやガガガSP、メガマサヒデさんが頻繁に一緒にライブをやっていた頃も、まだ中学生くらいだったと思うし。

歌王子あび

あび:完全に後追いの世代です。いまだに銀杏BOYZのライブは観たことないですし。でも、リアルタイムの空気を知らずに育ったぶん、人一倍憧れも強いと思うんですよね。いくらでもやりたいし、いくらでも感動したいっていう気持ちはめちゃくちゃ持っているかもしれないです。

隙があるもの、歪なもの、温もりがあるものに惹かれるんですよね。可愛い女の子の、かかとが固かったりするとグッとくる、みたいな。(あび)

—どうやって銀杏BOYZやガガガSPに出会ったんですか?

あび:高校時代、いつも学校の廊下で、めちゃくちゃデカい声で銀杏BOYZの“青春時代”を歌っている破天荒な同級生がいたんです。僕はずっと“青春時代”はそいつが作った曲だと思って、めっちゃ尊敬していて……。

—ははははは(笑)。

あび:僕は引っ込み思案だったし、最初は全然話しかけられなかったんですよ。でも、<僕はなにかやらかしてみたい>なんて歌っているのを見て、「なんてかっこいいんだ! こいつは天才だ!」って思っていて。で、高校3年生のときに勇気を出して話しかけたら、銀杏BOYZのアルバムを貸してくれたんですよね。1曲目の“日本人”の歌い出しが始まった瞬間に、部屋の中で「うおぉぉぉぉ!」ってなりました。

—で、いつも廊下で聴いていた“青春時代”を誰が作ったかも知ったわけですね。

あび:そうですね(笑)。そいつに向けていたリスペクトが全部、バンドのほうにいきました(笑)。

—(笑)。あびさんの、銀杏BOYZやガガガSPに惹かれていった感覚や、ちょっと変わった同級生に憧れを抱く感覚って、どういうところから生まれるものなんだと思いますか?

あび:小さい頃からそうだったんですけど、たとえばみんなは『仮面ライダー』とか『ウルトラマン』の最新シリーズが好きだったけど、僕はビデオを借りてきて『ミラーマン』とか『レッドバロン』を見ていたんですよね。昔のヒーローって頭も大きいし、着ているのもただのタイツだったりするじゃないですか(笑)。でも、新しいものよりこっちのほうが絶対にかっこいいと思っていたんです。

—それはなぜなんでしょうね?

あび:なんでなんだろう……。隙があるもの、歪なもの……あとやっぱり、温もりがあるものが好きなのかもしれないです。めちゃくちゃ可愛い女の子の、かかとが固かったりするとグッとくる、みたいな(笑)。そういうことに惹かれるんですよね。

僕、ずっと文化祭でバンドをやっている先輩を見ても、「かっこつけていて嫌だな」って思っていたんです。でも、ガガガSPや銀杏BOYZを聴いて、自分はバンドというものを誤解していたなって思ったんですよね。ロックバンドはイケメンがキャーキャー言われるためのものだと思い込んでいたけど、本当は、『ミラーマン』と同じ類のものなのかもしれないって。

物事を客観視しすぎていて、すごく遠いところから見ている感じが歌にも出ている。(ゆりえ)

—ベランパレードの曲は、あびさんが作詞作曲を担当されているんですよね。メンバーのみなさんから見て、あびさんはどんな人ですか?

Kota(Gt):彼が作った曲を聴くと、温かいものを感じるなぁとは思います。今回の音源も、音楽的なベクトルとしてはソリッドなロックにいきたいと思っていたんですけど、あびの歌が入ると温かくなる。

……あと、良くも悪くも変態、というか(笑)。音楽に対しては真摯で真っ直ぐだけど、女の子のかかとが固いほうがグッとくるとか……気持ち悪くないですか?(笑)

Kota Kamimura

ゆりえ(Ba):あびは優しいけど、すごく冷たいところもあると思います。優しい言葉をかけてくれるけど、物事を客観視しすぎていて、すごく遠いところから見ている。その感じが歌にも出ているなって思うんですよね。そういうところは、もっと人間になってほしいんですけど……。

あび:ははははは(笑)。

ゆりえ:喋ると面白いですけどね。「嘘つけ!」って思うこともあるし(笑)。でも、優しく見えるところはいいなって思います。

ゆりえちゃん

—あびさんはすごく冷静に分析された上で受け止められていますね。ベランパレードはどのようにして結成されたのでしょう?

あび:そもそも、僕以外の3人は別の宮崎のスター的なバンドをやっていたんです。当時、宮崎は英語詞のメロコアバンドが多かったんですけど、3人がやっていたバンドは異端児的な存在で、ボーカルがライブ中に突然泣いたりキレたりする過激なバンドだったんです。どこか宗教的な感じもあって、僕は「これがロックだ!」と思って、ライブに通ったり、みんなのブログを読んだりしていました。

—完全に3人のファンだったんですね。

あび:最初はただの追っかけだったんですけど、僕も真似するように別のバンドを始めて。両方のバンドが解散したあと、3人はもうバンドをしない感じになっていたんですけど、「もったいないなぁ」と思って、まずはモッコリを「バンドしない?」って誘ったんです。そこから、最終的にこの4人が揃いました。

—ということは、あびさんは憧れのバンドのメンバーのフロントに立っているんですね。

あび:やってやった感はあります(笑)。前のバンドの頃は、モッコリが先輩風吹かせて「今日のお前らのライブ、クソだったな」とか言ってたんですけど、今は僕がモッコリに「お前、今日あそこのドラム、ミスったな」とか言っているので(笑)。

モッコリ(Dr):(苦笑)。……確かに前のバンドの頃は、僕が一番あびに小言を言っていたんですけど、バンドの解散後にあびが弾き語りのライブをするようになって。それを観てから、「お、いいじゃん」って思うことが増えたんですよね。

モッコリ

—モッコリさんから見て、あびさんの作る曲にはどういった魅力があると思いますか?

モッコリ:あびは、歌詞であまり直接的な表現を使わないんですよね。屈折した愛というか、まわりまわった愛というか……そういうものを、あびの作る曲からは感じます。

屈折しているからこその真剣さが、滑稽に映るときもあれば、すごく切なく映るときもある。「あぁ、これが歌だわ」って思ったんです。(あび)

—「屈折」というのは、ご自身では意識される部分ですか?

あび:意識していますね。歌って、角度だと思うんですよ。「なにを歌うか?」より、「どう歌うか?」のほうが大事で。たとえば「この先に希望があるよ」というニュアンスのことを歌うために、「明けない夜はない」っていう言い方をしたり、いろんなフレーズを使うじゃないですか。

—なるほど。

あび:だから極端な話、僕にしか生み出せない角度で歌えないと、僕が歌を書く意味はないんですよね。歌詞を書くとき、自分に対してめちゃくちゃNGを出すんです。「こんなに普通のことしか書けないのか?」って、自分のワードセンスのなさに絶望することも多くて。

いつも「どの角度だったら面白いのか?」とか「どの角度だったらロックバンドの歌詞として粋なのか?」とか、そういうことばかり考えているから、屈折しちゃうんでしょうね。

—つまり「意味」より「形式」が重要だということですよね。それは、歌だけでなく、さまざまな芸術に当てはまるひとつの真理だと僕は思うんです。それを、ここまで確信を持って語ってくださったことに感動しました。

あび:いやぁ……僕、短歌が好きなんです。短歌って、角度がすごいなって思うんですよ。言葉の可能性をすごく感じるし、短い言葉の中に大きな広がりを感じたりするんですよね。読むだけで、風の匂いを感じたりできる。

それは、「伝えたいこと」や「言いたいこと」の内容じゃなくて、「伝えたい」という心持ちのほうをピックアップしているからなのかもなって思うんですよね。「俺も同じことを考えていた」って共感して感動するんじゃなくて、人がなにかを伝えたいと思っている心の状態を、ちょっとでもいいから感じることができれば、その一言でめちゃくちゃ泣けたりする。僕は、そういうものを探しているんだと思います。

—短歌は昔から好きなんですか?

あび:短歌を読み始めたのは2~3年前ですね。本が好きなんですけど、偶然手に取ったのが穂村弘さん(日本の歌人。歌集『シンジケート』などを出版している)の本でした。「こんなに屈折している人がいるんだ!」と思ったのと同時に、その奥にある眼差しの真っ直ぐさを感じたんです。屈折しているからこその真剣さが、滑稽に映るときもあれば、すごく切なく映るときもあって、「あぁ、これが歌だわ」って思ったんですよね。

あび:あと、歌詞のルーツとして根強いのは母親のたんすに並んでいた銀色夏生さん(宮崎県出身の女性詩人、随筆家、作詞家)の文庫本もあると思います。子供の頃からなにも考えずに読んでいたけど、音楽を始めてから言葉遣いのすごさに気づくことも多くて「こんなにすごい人だったんだ!」って思いました。

自分じゃない誰かが、自分に心を許して笑ってくれるって、奇跡みたいなことだと思うんです。(あび)

—『スクラップ イン マイ ルーム』の歌詞を読んで僕が気になったのは、全曲に「笑う」という言葉が出てくるんですよね。ほとんどの曲が、人が「笑う」ということに着地点を置いている。

あび:うわっ、気づかなかったです!

—たとえば、1曲目の“スクラップ イン マイ ルーム”には<生きるという名前借りて / 部屋を離れ君を忘れ / それでも笑ってみたくなった>というラインがありますよね。先ほど、あびさんは「歌は角度だ」と仰いましたけど、「生きる」という言葉は、そのままだとあまりに響きが重い。もしかしたら「笑う」と表現することが、「生きる」という言葉に対する、あびさんなりの「角度」なのかな、と思って。

あび:本当、そういうことです。もちろん僕らの人生は借り物じゃないし、生きていることに間違いはないけど、そこに対する迷いというか、「俺は生きているんだ!」って、どこか言い切れない部分を表現したくて、「借りる」っていう言葉が出てきたんですよね。

僕らはよくライブをするけど、「LIVE」って「生きる」という意味もあるじゃないですか。ライブをすることが、なんで「生きる」ことなんだろう? ってよく考えるし、ロックバンドである以上、ステージに立っているときは「誰よりも生きなきゃ」っていう感覚もあります。

—それを自分が表現するとき、「笑う」という角度に持っていくのはなぜだと思います?

あび:「願い」みたいなものですかね。日常会話でもライブでも、対面している相手がどういう顔をしているのか一番気になるんですよね。やっぱり、自分の顔を見て誰かが笑ってくれると嬉しいし、安心するし……極端な言い方をすると、「生きてていいんだ」って思える。

自分じゃない誰かが、自分に心を許して笑ってくれるって、奇跡みたいなことだと思うんです。自分がおどけたり必死になって歌っている姿を見て、誰かが笑ってくれるのがこんなに嬉しいことなんだって、ロックバンドを始めてから気づきました。そういうことに対する願いが滲み出ているのかもしれない。

もし過去の自分のように苦しんでいる人がいるんだとしたら、僕が歌わないとなって思うんです。(あび)

—6曲目の“BOYS”では<忘れられない人を想うたび / 変な髪形になってゆく君を / 誰かが笑ってくれるだろう>と歌われています。ここで歌われる「君」というのは、自分自身のことでもある?

あび:いや、この「君」は僕の後輩のことを歌っています。“BOYS”はモテない人の歌なんです。後輩も本当にモテないんですけど、どこか昔の自分を見ているようで、ほっとけなくて。

—自分自身と重なる部分がある?

あび:自分が歌を歌うとき、『ドラえもん』でのび太がへこたれているときに、大人になったのび太がタイムマシンでやってきて、「お前、大丈夫だよ」って言ってやる、みたいな感覚があるんですよね。

自分と同じような誰かを救いたいとか大それたことではないんですけど、今の僕が歌うことで、僕の記憶の中で一番つらかった頃の自分がちょっとは元気になるかもしれない。……僕、学生の頃に、ものすごく好きな人ができたんですよ。

—はい。

あび:今は、このメンバーとやっていく上で「売れたい」とか「いろんな人に聴いてもらいたい」っていう気持ちがあるけど、バンドを始めた当時は、ただ、「その子に聴いてもらいたい」っていう一心だった。でもそれって、不健康ですよね。誰かひとりに褒められるために、自分のすべてを注ぎこんで頑張るのって、正直、キモいじゃないですか。

—相手や周りの気持ちを考えない一方的な愛情表現って、若者にはありがちだけど、大人になると、その愚かさに気づくものですよね。

あび:そうなんですよね。愛情表現が間違っていたかもしれないって、今でも思い出して苦しくなるんです。今考えると「お前、めっちゃキモいよ」って言えるんですけど、自分のことだから「お前は正しいよ」「そのままいけ!」って言いたくなる自分もいる。あの頃の苦しさは、他の人にはわからないと思うけど、もし過去の自分のような人がいるんだとしたら、僕が歌わないとなって思うんです。

僕の愛情表現は間違っていたかもしれない。でも、ロックバンドを始めたことで、誰かが笑ってくれたり、誰かに寄り添える手段を自分は見つけることができた。僕が今、それを言葉にすることによって、なにかが生まれるかもしれないと思うんです。

—過去の自分のように、感情の表現方法がわからなくて苦しんだり、足掻いたりしている若者たちがこの世界にはいるんだっていう確信が、あびさんにはありますか?

あび:ありますね。世の中、モテる人よりモテない人のほうが多いと思うし、それに、一般的に「お前、モテるからいいよな」って言われているような人たちの中にも、「モテなさ」は絶対にあると思うんですよ。多くの人は、心のどこかでモテていないと思うんですよね。どこか、自分に対する引け目があったりすると思う。モテないって、キツいじゃないですか。

—うん。自分に笑顔を向けてくれる人は、この世にひとりもいないんじゃないか?……そういう気持ちをどこかで抱えながら生きていくのは、本当に苦しいことだと思う。

あび:そういう気持ちって、放っておくと心が曲がってしまうと思うんですよね。僕はそれを、自分ごと叩き直したいです。曲がっていることを、自分で肯定してしまったら終わりだと思う。「モテないなら、闘うことをやめるなよ」って言ってやりたいんです。

アプリ情報
『Eggs』

アーティストが自身の楽曲やプロフィール、活動情報、ライブ映像などを自由に登録・公開し、また、リスナーも登録された楽曲を聴き、プレビューや「いいね」等を行うことができる、アーティストとリスナーをつなぐ新しい音楽の無料プラットフォーム。登録アーティストの楽曲視聴や情報は、「Eggsアプリ」(無料)をダウンロードすると、いつでもお手もとでお楽しみいただけます。
料金:無料

推奨環境:iOS8.2以上(iPhone、iPad および iPod touch)、Android 4.3以上

リリース情報
ベランパレード
『スクラップ イン マイ ルーム』

2018年9月19日(水)発売
価格:1,944円(税込)
Lucky-1006︎

1. スクラップ イン マイ ルーム
2. アイスクリーム
3. ラブレターフロム
4. わたしを海につれてって
5. 風邪のビリア
6. BOYS
7. パン

イベント情報
『「スクラップ イン マイ ルーム」リリースツアー」

2019年9月30日(日)
会場:宮崎県 SoundGarageMONSTER

2018年10月17日(水)
会場:大阪府 Live House Pangea

2018年10月26日(金)
会場:福岡県 UTERO

2018年11月17日(土)
会場:東京都 Shinjuku Live House Marble

プロフィール情報
ベランパレード

2013年、夏。宮崎在住の4人が組んだロックバンド。ハッピーなのにどこか胸がギュッとなるメロディ。誰の何も分からなくなる位に、目一杯で表情豊かに歌われる言葉たち。あの日のべランダから見た景色は僕たちをどこへ連れて行ってくれるんだろう。『本当のことも嘘もごちゃまぜでそれでも笑う君と。僕は恋をしていた。』



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