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徳澤青弦×トウヤマタケオ ルーツも拠点も違う2人が活動する理由

徳澤青弦×トウヤマタケオ ルーツも拠点も違う2人が活動する理由

Throwing a Spoon『Bored to death』
インタビュー・テキスト
三宅正一
撮影:前田立 編集:中田光貴(CINRA.NET編集部)

「このバンドで自分はどう弾いたら面白いか?」ということを考えるのが楽しかったんですよね。(トウヤマ)

—トウヤマさんはどういう流れでピアノを始めたんですか?

トウヤマ:子どものときにピアノ教室に通っていたんですけど、2、3年で辞めちゃって。そこからはバンドで弾いてましたね。ど素人バンドでしたが(笑)。

徳澤:簡単に言うとパンクですよね。

トウヤマ:パンク世代でもあるので、パンクが好きでした。でも、キーボードのいるパンクバンドってあまりないじゃないですか。

—オリジナルパンクの系譜だったら特にそうですよね。

トウヤマ:基本的にバンドはギターとベースとドラムがいれば成立するので。僕はサポートが多くて、自分のバンドを持つことはずっとなかったんですよ。ある程度バンドが成立しているところに入ることが多くて。「このバンドで自分はどう弾いたら面白いか?」ということを考えるのが楽しかったんですよね。

—どう壊そうかみたいな?

トウヤマ:寄り添うのか、反発するのかとか。

徳澤:言ってることはわかります。サポートだとシロタマ(全音符)を弾いてもハマるわけじゃないですか。

トウヤマ:パッとサポートで誘われるときって、「空間を埋めて欲しい」や「シロタマを弾いて」的なことを要求されるんですよ。でも、僕はそれだとイヤなので。そこでいろいろ考えますね。

—青弦さんもサポート仕事をする中でシロタマ的な要望を壊すという意識があるんじゃないですか?

徳澤:うん、そうですね。自分もそういうところがあります。

—そこにトウヤマさんも自分と共通したロック感を感じられると思うんですよね。

徳澤:じゃあ3枚目のアルバムは壊すところから始めようかな(笑)。

—でも、今作も1stアルバム『awakening』に対して、壊しているとも言えるわけじゃないですか。

徳澤:そうですね。Throwing a Spoonは毎回そうなるのかもしれない。

左から:徳澤青弦、トウヤマタケオ

やっぱり尾道は行くと楽しいんですよ。そこでいいバイブレーションを感じるところはあります。(徳澤)

—トウヤマさんは今、広島県の尾道在住なんですよね?

トウヤマ:そうですね。大阪から移ってきて6年が経ち、7年目に入った感じです。

—移住のきっかけは?

トウヤマ:きっかけとしては東日本大震災が大きかったですね。直接的な被害があったわけではないけど、先行きを考えたときに、ちょっと都会はしんどいなとも思いまして。あと、靴職人をやっているうちの奥さんの工房や僕のスタジオが欲しいと考えたときに、単純に家賃が安いところがいいなとも思って、尾道に移りました。

徳澤:ちなみに今回のアーティスト写真は尾道で撮影したんですよ。

—トウヤマさんのアトリエで?

トウヤマ:そうなんです。

Throwing a Spoonアーティスト写真
Throwing a Spoonアーティスト写真

—Throwing a Spoonを始動させたときは大阪が拠点だったんですよね。青弦さんはトウヤマさんが尾道に移住されると聞いたときはどう思いましたか?

徳澤:遠いなぁと思いました(笑)。でも、特に問題はなかったですね。活動的にも頻繁に動くスタンスではなかったというのもあるし。

あと、僕も傍から見ていて尾道って今すごく面白いコミューンが広がってるという印象があって。それがすごくいいなと。最近、若い人が増えたんです。新しいパン屋やカフェができたりして。宿のオーナーになっている人もいますね。

—青弦さんから見て、トウヤマさんが尾道に移られてからThrowing a Spoonとしての変化を感じるところはありますか?

徳澤:単純に二人で作るものが積まれているだけなので、音楽的な影響は特にないと思います。でも、やっぱり尾道は行くと楽しいんですよ。そこでいいバイブレーションを感じるところはあります。

徳澤青弦

—今作は前作『awakening』をリリースしたときにライブを行った場所でもある、東京の本郷にある求道会館で録音されたということですが、尾道でレコーディングするという話は出なかったんですか?

トウヤマ:実はそういう話もあったんですけど、外の音が結構うるさいんだよね。

徳澤:線路が目の前にあったりして。暮らすにはすごくいいところなんですけど、録音の環境で言うとちょっとネックがあるんですよね。

トウヤマ:でも、探せば尾道で録音できる場所もあるとは思います。四国まで繋がる「しまなみ海道」の始まりの地でもあるので、島のほうに行くといいかもしれない。

—このデュオはレコーディングする場所も、旅をするように探すのはありかもしれない。

徳澤:そう思います。

左から:徳澤青弦、トウヤマタケオ
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リリース情報

Throwing a Spoon『Bored to death』
Throwing a Spoon
『Bored to death』(CD)

2019年4月17日(水)発売
価格:2,160円(税込)
cote006

1. Rondeau
2. Epitaph
3. Arp
4. Bored to death
5. Pew, Mew, Drink, Brink
6. Quartet

イベント情報

『Bored to death リリース音楽会』

2019年5月10日(金)
会場:岡山県 城下公会堂

2019年5月11日(土)
会場:広島県 なかた美術館

2019年6月14日(金)
会場:石川県 shirasagi / 白鷺美術

2019年6月15日(土)
会場:福井県 ataW

2019年7月5日(金)
会場:東京都 求道会館

2019年7月6日(土)
会場:愛知県 JAZZ茶房 靑猫

2019年7月7日(日)
会場:大阪府 島之内教会

プロフィール

Throwing a Spoon
Throwing a Spoon(すろーいんぐ あ すぷーん)

チェリストの徳澤青弦と、ピアニストのトウヤマタケオによるデュオ。隙のある曲作りと節度ある即興によって極上の楽曲を構築している。作曲と演奏にボーダーレスな二人だからこそ生まれる独自の室内楽。静かな衝動と美しさと隙。

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