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Suspended 4thの音楽探求。路上から音楽の原始を鳴らす

Suspended 4thの音楽探求。路上から音楽の原始を鳴らす

Suspended 4th『GIANTSTAMP』
インタビュー・テキスト・編集
矢島大地(CINRA.NET編集部)
撮影:嶋本丈士
2019/07/26

驚きである。ライブハウスを起点にロックシーンの重要バンドを次々に送り出してきたPIZZA OF DEATH RECORDSが、ライブハウスではなくストリートライブを主戦場にするバンドをリリースするのだから。

しかし自分たち自身にカウンターを打ちながら転がっていくところこそがパンクレーベルたる所以なのだろう。そうして登場したニューカマーの名は、Suspended 4th。名古屋・栄の路上を巣にして、異様にテクニカルなプレイと尖った音色と奔放な音楽観を重ね合わせてきたバンドである。日々ライブハウスから新たな夢が続々と生まれていることを前提にした上で、ライブハウスに軸足を置く従来のロックバンドのスタイルをはみ出したSuspended 4thのスタンス / アティテュードは、いつしか同調と画一化の向きが強くなり、その根本から離れてしまった「ロックシーン」そのものに対する中指も感じさせるものだ。

ブルース、ジャズ、ファンク、オルタナティブロック、ハードロック……様々な音楽的背景を感じさせながら、それらが「混ざる」というよりも1曲の中で呼び合っているアンサンブルがスリリングかつ超凶暴。4音が異様に主張しながら破綻しないままグングン昇っていく楽曲の音楽的な快感も凄まじい。そんな怪物到来の予感には十分すぎるミニアルバム『GIANTSTAMP』を機に、鼻息荒く初接触したのが下記のインタビューである。従来の価値観を燃やし尽くす、新鮮であると同時に本質的であるロックの闘争。さあ、始まったよ。

逸脱が常識みたいなヤツらが集まっちゃったのがSuspended 4thだと思うんですよ。(Washiyama)

―ライブハウスではなく名古屋の路上に軸足を置いてライブ活動をしてきたというトピックもありつつ、なにより音楽的に超スリリングなバンドだと思って。

Washiyama:おっ。ありがとうございます。

―ジャズを下地にしつつファンクもあり、音色やリフからはオルタナティブロックもハードロックも感じる。超雑多なのに、音に音で応え合う生物感や絡み合いが曲になっているのが面白くて。ご自身では、Suspended 4thをどういうバンドだと捉えられてるんですか。

Washiyama:今、「絡み合う」と言われましたけど、絡み合ってるつもりが全然ないんですよ。各々が好き勝手やってるだけで。音で応え合ってはいるけど……でも、誰かの演奏に寄り添う感覚が全然ない4人なんですよね。

Dennis:異文化の料理で定食作ってる感じだよね。回鍋肉とオムライスと寿司がバーッと並んでる、みたいな。

Sawada:食べ合わせ悪いな……(笑)。

Washiyama:でも、もう普通のメシじゃ満足できねえっていう人たちの音楽なんでしょうね。

左から:Dennis Lwabu、Hiromu Fukuda、Kazuki Washiyama、Seiya Sawada<br>プロフィール:Suspended 4th(さすぺんでっど  ふぉーす)<br>Kazuki Washiyama(Gt, Vo)、Seiya Sawada(Gt)、Hiromu Fukuda(Ba)、Dennis Lwabu(Dr)からなる4ピースロックバンド。名古屋・栄の路上を中心にライブ活動を展開。オンボーカルからインストまで自在の楽曲バリエーションを誇り、フィールドレコーディングでの一発録り作品『20190121』を発表するなど、インディペンデントな活動で話題となる。7月24日に初の全国流通作品『GIANTSTAMP』をPIZZA OF DEATH RECORDSからリリースする。<a href=https://suspended-4th.com/ target=_blank>Suspended 4th</a>
左から:Dennis Lwabu、Hiromu Fukuda、Kazuki Washiyama、Seiya Sawada
プロフィール:Suspended 4th(さすぺんでっど ふぉーす)
Kazuki Washiyama(Gt, Vo)、Seiya Sawada(Gt)、Hiromu Fukuda(Ba)、Dennis Lwabu(Dr)からなる4ピースロックバンド。名古屋・栄の路上を中心にライブ活動を展開。オンボーカルからインストまで自在の楽曲バリエーションを誇り、フィールドレコーディングでの一発録り作品『20190121』を発表するなど、インディペンデントな活動で話題となる。7月24日に初の全国流通作品『GIANTSTAMP』をPIZZA OF DEATH RECORDSからリリースする。Suspended 4th

―普通のメシ――いわゆるポピュラーな音楽や、ライブハウスを起点にすることが普通に定着している「ライブ」の概念のこと?

Washiyama:そういう感じだと思います。なんにせよ普通じゃ面白くないっていう4人が集まってるし、それぞれ好き勝手やるだけで。どういうポイントで繋がってるバンドかって聞かれたら、「音楽をやる」っていうことでしかないと思うんですよね。

―音楽っていうもの自体が個々を自由に解放するものだという思想で繋がってる4人、ということですか。

Washiyama:そうです、そうです。

―ハコの中ではなくストリートでやってきたこともそうだし、このバンドの要素として大きいジャズが生まれていった背景を考えてもそうですけど、音楽の中に、逸脱や解放の美学を強烈に感じるんですね。自分の中で思い当たることはありますか。

Washiyama:思い当たることしかないっす(笑)。そもそも逸脱が常識みたいな「音楽ヤンキー」が集まっちゃったのがSuspended 4th(以下、サスフォー)だと思うんですよ。逆に言えば、正解や型がないからどんどん転がっていけるもんだと思うんですよね、音楽って。

Suspended 4th『GIANTSTAMP』ジャケット写真(<a href=https://amzn.to/2GuVeGG target=_blank>Amazonで見る</a>)
Suspended 4th『GIANTSTAMP』ジャケット写真(Amazonで見る

―作曲担当の多いWashiyamaさんが音楽ヤンキーになった、つまり従来のセオリーとは違うことを前提にするようになった背景にはなにがあるんですか。

Washiyama:自分のギターの師匠というか、路上ライブを始めるきっかけになった人がいて。まだこのバンドが今の4人になる前に、ストリートライブをやってたその人と対バンして。で、その人が路上ライブ遊びに来いよって言ってくれたのがきっかけで、そのバンドのサポートをするようになったんです。その頃に、たとえばセッションするにしても貶め合うくらいの音のぶつけ方があるんだなって知って。それが面白かったんですよ。

SpotifyでSuspended 4th『GIANTSTAMP』を聴く(Apple Musicはこちら

自分勝手に尖っても、なにかしら反応が返ってくる。そういうコミュニケーションの面白さがそもそもの音楽だと思うんですよ。(Dennis)

Dennis:路上ライブのセッションって、音で睨まれる感じだよね。栄の路上で初めて会ってセッションしたときも、音の中で見透かされてたというか、自分の手の内を全部わかられてる感じがめちゃくちゃ怖くて。でも、それのおかげで今があるというか。音で応え合うっていう感覚が生まれたんですよ。

―枠や制限がない場所だからこそ自分を自由に表現できるし、言葉以上に表現そのもので相手のことを理解し合うカルチャーが自然と生まれていきますよね。ある意味、言葉よりも濃いコミュニケーションになるというか。

Washiyama:そうそう! そこで、言葉以上に生身でぶつかれるのが面白いって学べたんですよ。で、ドラムにDennisが入ってから、さらに音楽的にギラついた感じになっちゃって。Dennisは元々ジャズを聴いて大人に混じってドラム叩いてたヤツだから。スキルも半端じゃないし、Dennisは音でスゲぇ殴ってくるんですよね。

Dennis:ジャズのセッションはカタブツが本当に多かったんですよ。「マイルス(・デイビス)のレコードみたいに演奏してくれる?」みたいな「定型」ばかり求められて、ぐちゃぐちゃにしてやりたくなっちゃったんです。みんなが演奏やめた瞬間に自分のドラムソロセクションの見せ場を作って、そのまま曲を終わらせるっていうことをやってましたね(笑)。

でも、その「自分勝手に尖る感じ」をサスフォーで使うと、反応が返ってくるから。それが曲になっていくし、そういうコミュニケーションの面白さがそもそもの音楽だと思うんですよ。

左から:Dennis、Washiyama
左から:Dennis、Washiyama
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リリース情報

Suspended 4th『GIANTSTAMP』
Suspended 4th
『GIANTSTAMP』(CD)

2019年7月24日(水)発売
価格:1,944円(税込)
PZCA-86

1. 〒460-0008
2. GIANTSTAMP
3. 97.9hz
4. ストラトキャスター・シーサイド
5. Vanessa
6. ヨンヨンゼロ
7. kniht
8. think

イベント情報

『Suspended 4th“GIANTSTAMP Tour”』

2019年9月19日(木)
会場:大阪府 Live House Pangea

2019年9月20日(金)
会場:愛知県 CLUB ROCK'N'ROLL

2019年9月27日(金)
会場:東京都 TSUTAYA O-Crest

プロフィール

Suspended 4th(さすぺんでっど  ふぉーす)
Suspended 4th(さすぺんでっど ふぉーす)

Kazuki Washiyama(Gt, Vo)、Seiya Sawada(Gt)、Hiromu Fukuda(Ba)、Dennis Lwabu(Dr)からなる4ピースロックバンド。名古屋・栄の路上を中心にライブ活動を展開。オンボーカルからインストまで自在の楽曲バリエーションを誇り、フィールドレコーディングでの一発録り作品『20190121』を発表するなど、インディペンデントな活動で話題となる。7月24日に初の全国流通作品『GIANTSTAMP』をPIZZA OF DEATH RECORDSからリリースする。

関連チケット情報

2019年11月8日(金)
FERN PLANET
会場:アポロベイス(愛知県)
2019年11月17日(日)
BASEMENT-TIMES PRESENTS「SHOW CASE special」
会場:梅田クラブクアトロ(大阪府)
2019年11月22日(金)
Sunrise In My Attache Case
会場:ell.FITS ALL(愛知県)
2019年12月7日(土)
DECEMBER’S CHILDREN
会場:マイナビBLITZ赤坂(東京都)

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