
ゴキ帝・白幡いちほ×プー・ルイ セルフ運営ってぶっちゃけどう?
劇場版ゴキゲン帝国Ω- インタビュー・テキスト
- タナカヒロシ
- 撮影:宇佐美亮 編集:山元翔一(CINRA.NET編集部)
2020年1月、BiSの元リーダーであるプー・ルイが、所属していた「WACK」の代表・渡辺淳之介から出資を受け、株式会社プープーランドを設立。社長および同社に所属する新グループ「アイドル研究所(仮)」のプロデューサーとメンバーを兼任することが発表された。つまり、自身が所属するグループの社長となり、セルフ運営でアイドル活動を行うのだ。
アイドルとして10年目を迎えたプー・ルイは、なぜセルフ運営という道を選んだのか。そのセルフ運営アイドルの先輩とも言えるのが、自ら立ち上げた劇場版ゴキゲン帝国Ωのリーダーを務め、2018年9月より同グループが所属する株式会社GOKIGEN JAPANの社長を務める白幡いちほ。プライベートでも親交があるという二人に、アイドルとして、経営者として、セルフ運営を行うことの是非について語ってもらった。
なぜセルフ運営なのか? 二人が事務所を立ち上げた理由
―お二人とも現役アイドルにして、自分が所属する事務所の社長でもあるわけですけど、どういう経緯で会社を作ったんですか?
白幡:私、もともと芸人として事務所に所属していたんですけど、それからフリーランスになって、ゴキ帝(劇場版ゴキゲン帝国Ω)もフリーランスの状態で立ち上げたんです。そのときから、稼げるようになったら会社にしないといけなくなるだろうなとは思っていて。ずっと経理とかの準備はしていて、実際に会社にしたのが2018年9月でした。
―どこかの事務所に入るという発想はなかったんですか?
白幡:曲とか名前とか、コンテンツの権利を自分で持っていたかったんです。そうしないと「もう終わり」っていうスイッチを他人に持たせることになるじゃないですか。それが怖かったので、会社にしようと思ったんです。

白幡いちほ(しらはた いちほ)
セルフ運営アイドル集団・劇場版ゴキゲン帝国Ωのリーダー、株式会社GOKIGEN JAPANの代表取締役。元お笑い芸人という経歴を活かしイベントMC、バラエティなどでも活躍中。出演番組は、日本テレビ『芸人報道』『幸せ!ボンビーガール』『あのニュースで得する人損する人』、テレビ東京『サキよみ!ジャン BANG』『ほぼほぼ~真夜中のツギクルもの探し~』『家ついて行っていいですか?』、テレビ朝日『お願いランキング』など。『ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル』スクフェス感謝祭のMCも務める。
プー・ルイ:私は真逆ですね。10年くらい事務所に入ってアイドルをやってきて、いろいろグループは変わりつつ、去年解散したBILLIE IDLE®は、初めて自分の意図しない解散だったんです。それで「どうしよう!?」ってなったときに、渡辺淳之介さん(プー・ルイが所属していたWACK代表)に相談して。
―今後の身の振り方を。
プー・ルイ:そうですね。人生相談という感じで、何度かご飯に行って。最初はバンドやろうかなとか、いろいろ考えたんですけど、なかなかうまくいかなくて。
それで一人は嫌だとか、やっぱり歌いたいとか、でもしゃべりも好きとか、そういうのをポツポツと話してたら、「じゃあ、プロデューサー兼メンバーでやれば?」って言われたんです。最初はめんどくさいし嫌だったんですけど(笑)、流れに身を任せてたらBILLIE IDOL®は解散したし、もうやるしかなくなっちゃって。
―解散がスイッチになったんですね。
プー・ルイ:それ以外に道がなくなって。WACKからは「いらない」って言われたから(笑)。それで渡辺さんから「金は出すから外でやって」っていう。
―どこかが雇ってくれたなら、そのほうがよかった?
プー・ルイ:よかったですよ! スターダストとかアミューズとかに入れるものなら入りたい(笑)。でも、そんな大手が雇ってくれるはずないし、どこかに入ったとしても解散したら怖いし、そう考えたら自分でやるのがいちばんいいのかなって。

プー・ルイ
2009年デビュー。アイドルグループBiSの第1期オリジナルメンバー、音楽グループLUI FRONTiC 赤羽JAPAN(2017年解散)の元ボーカル、BILLIE IDLE®(2019年末解散)元メンバー、YouTuber、フェルト作家。2020年1月6日、「このたび(株)WACKの渡辺社長出資のもと会社を立ち上げ、わたしが社長兼プロデューサー兼メンバーという形で新グループを結成することとなりました」と発表。グループ名は「アイドル研究所(仮)」。
―白幡さんとは成り立ちが全然違うんですね。
白幡:私も大手に入れるなら入りたいと思ってますよ(笑)。
プー・ルイ:ブランド力、大事だよね。
白幡:ブランド力も大事だし、ゴキ帝は常に人員不足なんですよ。スタッフもメンバーも。
プー・ルイ:うちもいまはスタッフ一人もいないもん。
―全部一人でやってるんですか?
プー・ルイ:はい。渡辺さんが最初は全部一人でやった人で、「俺ができたんだからお前も一人でできるだろ」みたいな感じなんですよ。それを望まれてるし、できるところまでやらなきゃなって思ってます。
―プレイヤーか経営者か、お二人ともどっちかに専念しようとは思わなかったんですか?
プー・ルイ:私はプレイヤーに専念したかったけど、プレイヤーを続けるためには、自分で自分を雇う会社を作るしかなくて。だから自分の意思じゃない(笑)。もう年齢も30近いので、結果的にはよかったのかなと思います。
白幡:私もプーちゃんと近いところはあって。プレイヤーをやりたかったけど、プロデュースしてくれる人もいなかったし、後々の権利とかのことも考えて、自分でやったほうがいいなと。だから、やっぱりやるしかなかったんですよね。いまは逆にプロデュースに専念したい気持ちもありますけど(笑)。
―実際、そうやって裏方にまわっていく人もいますよね。
白幡:でも、そうするとプレイヤーとコミュニケーションを取って、自分の考えていることを表現してもらわないといけないじゃないですか。それが自分でプロデューサーもプレイヤーもやっていると、誤差が生じないんですよ。そこはすごくやりやすい部分だなと思っていて。自分というプレイヤーをコマとして考えているんです。
リリース情報

- 劇場版ゴキゲン帝国Ω
『インディーズベストベスト』 -
2020年1月29日(水)配信
1. 人の金で焼肉食べたい
2. GGT-ROCK
3. 大切なお知らせ
4. カミサマ
5. vs.MAD
6. Nice to meetune
7. すごいすごい優勝のうた
8. I NEET YOU
9. 深夜のラーメン最高
10. ガチ恋sorry
イベント情報
- 『劇場版ゴキゲン帝国Ω 1st ONEMAN LIVE 逆襲のSHOW』
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2020年3月21日(土)
会場:東京都 渋谷WWWX
- 『プー・ルイ LAST DANCE II』
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2020年3月13日(金)
会場:東京都 渋谷 Star lounge
プロフィール

- 劇場版ゴキゲン帝国Ω(げきじょうばんごきげんていこくおめが)
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『理不尽と戦え』をキャッチコピーにストレス社会と戦うセルフ運営アイドル集団。通称「ゴキ帝Ω」。2018年9月3日に音楽ブロダクションである株式会社GOKIGEN JAPANを設立。リーダーの白幡いちほが「代表取締役 兼 ブレイヤー」に就任し、グルーブの運営から、楽曲のブロデュース、作詞、振付、経理、確定申告もすべて自分たちで行っている。「2021年に日本武道館公演」という目標の実現に向け、日々奮闘中。

- プー・ルイ
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2009年デビュー。アイドルグループBiSの第1期オリジナルメンバー、音楽グループLUI FRONTiC 赤羽JAPAN(2017年解散)の元ボーカル、BILLIE IDLE®(2019年末解散)元メンバー、YouTuber、フェルト作家。2020年1月6日、「このたび(株)WACKの渡辺社長出資のもと会社を立ち上げ、わたしが社長兼プロデューサー兼メンバーという形で新グループを結成することとなりました」と発表。グループ名は「アイドル研究所(仮)」。