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新星・Chapman、混沌とした社会の中で思考停止した脳を揺さぶる

新星・Chapman、混沌とした社会の中で思考停止した脳を揺さぶる

Eggs
インタビュー・テキスト
天野史彬
編集:矢島由佳子(CINRA.NET編集部)
2020/05/01

その人が心から踊りたくて踊っているんじゃなくて、隣にいる人が踊っているのを見て踊っているっていう感覚。それがすごく日本っぽいと思う。(Neggy)

―その「両極」というのを詳しく知りたいです。

Neggy:虚構で生きまくっていた時期があったんですよ。僕は中学校から私立の学校に入って、エスカレーターで大学まで行って、世間的には「いい子」と言われるような育ち方をしてきたんです。特に小中高はムードメイカー的な存在で、ホームルームの時間にコントをやるような、いわゆる「陽キャ」って感じの人間だったんですよね。

でも、メンタルをぶっ壊してしまった時期があって。パニック障害に近い診断を受けたりして、ムードメイカーと言われてきた自分のなかに、すごく鬱鬱しい自分がいたことに気づいた時期があったんです。自分がかぶっていた仮面の下にあったもう一人の自分に、ずっと仮面をかぶり続けてきたからこそ気づけたっていう感じでした。

―なるほど。

Neggy:仮面をかぶっている間は、仮面を被っている自覚なんてもちろんなかったですけどね。あと、就職活動の時期も大きかったと思います。就活が始まったとき、今まで大口を叩いていた人も、我が道をいっていた人も、みんな格好を揃えて同じ列に並んでいたんですよ。それを見て、「ここに並ぶの怖いな」って感覚的に思って、勢いだけで休学を選んだんです。

音楽活動やSNSの発信もやめて、ひたすら人々と自分を俯瞰する時間を作って自分の本心と向き合ってみたら、これまでの自分と比較して見えてくるものがあって。これが私立のエスカレーター校に入って、ある種レールに乗り続けてきた自分が初めてレールから外れた瞬間だったから、気づきが多かったですね。

Neggy
Neggy

―今Neggyさんが話してくれた、社会を見る角度をどうやって培ったのかという点でいうと、NAKADAIさんはどうですか?

NAKADAI:僕の場合は昔からはみ出し者というか(笑)。クラスで問題を起こして目立っちゃうタイプだったんですよね。

「そういうのはよくない、みんなと馴染まなくちゃいけない」って先生は言うんですよ。でも、大学に入ったくらいの頃から、「果たしてみんなに染まること、みんなと肩を並べて生きていくことが正義なんだろうか?」と考え始めて。例えば最近だと、デマが拡散されてトイレットペーパーが買い占めされたりしたじゃないですか。

―そうですね。

NAKADAI:ああいった「自分の頭で考える前にとりあえず周りと一緒に動く」っていう日本人の国民性みたいなものについても、その頃から考えるようになったんですよね。他の国も同じような感じなのかもしれないけど、でも日本人である僕らは特にそうなのかもしれないなと思って。僕は自分の頭で考えて判断することが大事だと思うので、それをもっと、みんなに音楽を通して伝えたいなと思う。

NAKADAI
NAKADAI

NAKADAI:さっき、“カーニバル”の歌詞について少し言ってくれましたけど、僕はこの歌詞を見て、「踊らされている人たち」っていう光景を想像したんです。それもすごく日本人的なものなのかなと思うんですけど、Neggy自身としてはどうなの?

Neggy:“カーニバル”に「踊らされている」っていう感覚があるのは、本当に意識していたところで。その人が心から踊りたくて踊っているんじゃなくて、隣にいる人が踊っているのを見て踊っているっていう感覚。それがどんどん連鎖されていくコミュニティっていうものが、すごく日本っぽいなと思うんですよね。日本人って、生きづらい人種だなと思うんです。「それは本当に、その人の本心に則った言動なのかな?」って疑問に思うことが多いし。

Chapman“カーニバル”を聴く(Apple Musicはこちら

―NAKADAIさんがトイレットペーパーのことを話してくださいましたけど、このコロナ禍のなかで改めて見えてくる日本人の国民性というのもありますもんね。

Neggy:そうですね。日本はメンタリティ的な部分で、コロナの影響をかなり受けるんじゃないかと思います。日本人は他人がやっていることを同じようにやるのが好きだし、「こうするべき」とか「こうあるべき」っていう基準を満たすことで安心感を得ることができると思うんですよ。そこから先はもう、自分がどれだけその基準を上回っているかっていうマウントの取り合いをしているだけで。

でも、そういう日本人の心の満たし方を、コロナによってすごく封じられてしまっていると思うんですよね。もしかしたらそれによって、自殺者とか、鬱になってしまう人も増えてしまうかもしれない。音楽はそこまで落ちてしまった人を救うことはできないかもしれないけど、マイナスにいる人たちを標準に持ってくるくらいのことはできると思うんですよ。そういう音楽の提示をやっていきたいと思っていますね。

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リリース情報

『CREDO』(CD)
Chapman
『CREDO』(CD)

2020年4月15日(水)発売
価格:1,650円(税込)
EGGS-045

1. カーニバル
2. 命脈
3. PILLAR
4. Kind man
5. J.A.M
6. Over the rain

アプリ情報

『Eggs』
『Eggs』

アーティストが自身の楽曲やプロフィール、活動情報、ライブ映像などを自由に登録・公開し、また、リスナーも登録された楽曲を聴き、プレビューや「いいね」等を行うことができる、アーティストとリスナーをつなぐ新しい音楽の無料プラットフォーム。登録アーティストの楽曲視聴や情報は、「Eggsアプリ」(無料)をダウンロードすると、いつでもお手もとでお楽しみいただけます。

料金:無料

プロフィール

Chapman
Chapman(ちゃっぷまん)

2018年8月、中高の同級生らが軸となり結成。平均年齢25歳の5人組バンド。80s~90sのソウルやファンクを軸としながらもジャズ、ヒップホップ、ロック、近年のビートミュージックシーンからの影響をも感じさせる多彩な音楽性に、内省的かつ情緒溢れる詩を掛け合わせた楽曲が魅力。バンド結成1年で『SUMMER SONIC 2019』や、『ツタロックフェス 2019』などに出演し、早耳のリスナーや業界関係者から注目を集めている。4月15日、1stEP『CREDO』をリリース。

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