ファミコンのような映像世界のインスタレーション、林勇気の『世界の終わり』展

ゲーム画面のような独特の映像によって現実世界の中間に浮遊しているような感覚を表現する、林勇気による映像作品のインスタレーション展『世界の終り the end of the world』が、12月5日(金)よりIID 世田谷ものづくり学校内のIID GALLERYにて開催される。

林は、1976年京都市生まれの映像作家。1999年~2002年に映像作家・大木裕之の映像作品に参加し、2006年『AMUSE ART JAM』で準グランプリを受賞。国内外のギャラリー、映画祭等で映像を発表している。

人、木々、ビー玉、空と雲、日常の身近にある景色をデジタルカメラで撮影することで、時間を、写真を切り抜くことで空間を切断し、それらを緻密につなぎ合わせ合成して制作された映像作品は、CGで作成したかのように見えてCGではない。林は、TVゲームを通過した映像の言語を用いて、日常との対話の中から生じた、現実の世界と思考・感覚のあいだにあるかのような景色や出来事をえがこうと試みている。

本展の作品では、独特の静けさと簡略化された情景、あるいは終末感を伴いながらも何度でも再生可能な世界を表現。それは子供の頃に経験したファミコンの世界を色濃く反映しながら、我々を取り巻く現実とそのすぐ隣にある(かもしれない)もうひとつの世界との境界を曖昧にしていく。日常に揺れる微かな感情を掬い上げることで、世界は少しだけ曖昧な広がりを見せ、我々にある種の感覚を蘇らせる。

なお、『世界の終わり』関連イベントとして、2009年1月17日(土)には日本の兄弟音楽ユニットSPANOVAによる貴重なライブが決定。SPANOVAは、J-POPシーンでの活動と平行 して海外でもクロスオーバー・エレクトロニカシーンでの活動を展開。

2006年にはシカゴのエレクトロニカレーベルのコンピレーションアルバムに、坂本龍一、細野晴臣、Savath & Savalas等と共にフィーチャーされ、シーンの注目を集めている。SPANOVAは、林勇気の作品『garden』の音楽も手がけており、映像インスタレーションの中で、音と映像がまじり合いながら、SPANOVA独自の音楽世界を存分に楽しめるだろう。

『世界の終り the end of the world』

2008年12月5日(金)~2009年1月18日(日)11:00~19:00
休館日:月曜日(月祝の場合翌休)、年末・年始12月27日(土)~1月5日(月)
会場:IID GALLERY(世田谷区池尻)

出展作家:林勇気

主催:IID

『世界の終り』関連イベント SPANOVA live

2009年1月17日(土)16:00~
会場:IID GALLERY(IID 世田谷ものづくり学校1F・世田谷区沢尻)

出演:SPANOVA

定員:50名(先着順、予約制)
料金:1,800円

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