1929年に発行された小林多喜二の同名小説が原作の映画『蟹工船』が、7月4日からシネマライズ、テアトル新宿他にて全国公開となる。
『蟹工船』は劣悪な環境の下で働く労働者の戦いを描いた作品。ネガティブなキーワードが溢れる現代の日本とリンクする世界観が話題になり、2008年の流行語大賞では、トップ10入りを果たしている。
舞台となるのはカムチャッカ沖で捕獲した蟹を、船上で缶詰加工を施す蟹工船「博光丸」。過酷な労働と栄養失調で死亡する労働者も続出していたが、現場監督の浅川が彼らを人間として扱うことはなかった。労働者の1人・新庄は現世の幸せを早くも来世に託しながら働いていた。しかし、あるきっかけで外の世界へ出た彼の目には、まったく別の世界が飛び込んでくる。希望と可能性に目覚めた新庄は、仲間たちの現状を打破するべく、一斉蜂起の野望を抱えて蟹工船へ戻るのだった。
80年前に生まれたプロレタリア文学の名作を、構造はそのままに大胆な現代的アレンジを施して生まれた本作。脚本・監督は各国の映画祭で注目を集めるSABU。虐げられる主演労働者を松田龍平が演じるほか、鬼監督役に西島秀俊、さらに高良健吾、新井宏文、柄本時生ら若手俳優、映画初主演となるTKOが名を連ねている。
『蟹工船』
2009年7月4日、シネマライズ、テアトル新宿ほか全国ロードショー
監督・脚本:SABU
原作:小林多喜二
キャスト:
松田龍平
西島秀俊
高良健吾
新井浩文
柄本時生
木下隆行(TKO)
木本武宏(TKO)
ほか
配給:IMJエンタテインメント
(画像:©2009「蟹工船」製作委員会)