寺山ワールドのトリックスターとしての運命を背負った男『へんりっく 寺山修司の弟』

舞台や映画を中心に幅広く活躍した寺山修司の死後、彼の戸籍上の弟となった天井桟敷メンバー・森崎偏陸(もりさきへんりっく)を追ったドキュメンタリー映画『へんりっく 寺山修司の弟』が、10月10日から渋谷シアター・イメージフォーラムにてレイトショー上映される。

風変わりな本名をもつ偏陸は、1974年に発表された寺山修司の実験映画『ローラ』の中で、現実世界とスクリーン内の虚構の世界を行き来する役者として知られる人物。実際の観客席からスクリーンの中に入り込み、丸裸にされて追い出されるという役柄を、彼は今でも演じるべく日本国内からパリまで縦横無尽に駆け回っている。上映に偏陸が必要不可欠な『ローラ』は、永遠に生き続ける作品の寿命を寺山が偏陸に託したといっても過言ではないだろう。

監督の石川淳志が7年間にわたり偏陸を追い続けて誕生した本作。偏陸本人さえも気づかない内面を、荒木経惟、宇野亜喜良、浦岡敬一、緒川たまきなど彼を取り囲む人々の協力を仰ぎながら捉えている。なお、作品中に登場する『ローラ』『青少年のための映画入門』『草迷宮』『上海異人娼館 チャイナ・ドール』といった寺山作品も見所のひとつだろう。

寺山ワールドのトリックスターとしての運命を背負った偏陸の心が抱える光と闇、生きる喜びと耐えがたい孤独を捉えながら「人間・森崎偏陸」の姿を感じる作品に仕上がっている。

『へんりっく 寺山修司の弟』

2009年10月10日渋谷シアター・イメージフォーラムにてレイトショー

監督・撮影・編集:石川淳志
宣伝美術:宇野亜喜良
デザイン:鈴木一誌
題字:荒木経惟
キャスト:
森崎偏陸
荒木経惟
宇野亜喜良
裏岡敬一
緒川たまき
木村威夫
九條今日子
佐々木英明
笹目浩之

製作・配給:ワイズ出版

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