新たな絵画と絵画理論を追究する画家・中村一美の個展、国立新美術館で開催

画家・中村一美の個展『中村一美展』が、3月19日から東京・六本木の国立新美術館で開催される。

「絵画は何のために存するのか、絵画とは何なのか」という疑問に向き合い、1980年代初頭に本格的な絵画制作を開始した中村一美。日本の古代・中世絵画、中国宋代の山水画、朝鮮の民画など、東アジアの伝統的な絵画における空間表現や、形象の記号的・象徴的作用を参照し、ジャクソン・ポロック、マーク・ロスコといった戦後アメリカの抽象表現主義を批判的に乗り越える新たな絵画と絵画理論を追究してきた。

また中村は、絵画の意味は別の絵画との差異にのみ存在するという認識に基づき「示差性の絵画」という概念を提唱し、同じモチーフによりながらも常に複数の作品が差異を示して展開される連作絵画を発表。近年は、象形文字を思わせるマトリクスに基づきながら、多様な色彩や筆触、技法を用いることで、抽象とも具象とも分類できない絵画を制作している。

同展では、学生時代の習作から最新作の『聖』まで約150点の作品を展示するほか、2010年から構想されていたという斜行グリッドによるウォールペインティングを初めて公開する。また会期中は、中村による講演会も開催される。


イベント情報

『中村一美展』

2014年3月19日(水)~5月19日(月)
会場:東京都 六本木 国立新美術館 企画展示室1E
時間:10:00~18:00、金曜10:00~20:00、4月19日10:00~22:00(入場は閉館の30分前まで)
休館日:火曜(4月29日と5月6日は開館、5月7日は休館)
料金:一般1,000円 大学生500円
※高校生、18歳未満および障害者手帳のお持ちの方と付添の方1名は無料
※4月19日(土)は『六本木アートナイト2014』、5月18日(日)は「国際博物館の日」につき無料

『中村一美 講演会』
2014年4月26日(土)
会場:東京都 六本木 国立新美術館3階講堂

(画像上から:『存在の鳥 107(キジ)』2006年 アクリリック/綿布 260.1×190.8 cm 東京国立近代美術館蔵、『オレンジ・プレート』1986年 油彩/綿布240×180cm 国立国際美術館蔵、『リクライニング・ブッダI』1992-93年 油彩/綿布 190×400cm 個人蔵(東京都現代美術館寄託)、『連差―破房XI(斜傾精神)』2002年 アクリリック/綿布 400×900cm 豊田市美術館蔵、『破庵29(奥聖)』1997年 油彩、アクリリック/綿布 260.2×570cm いわき市立美術館蔵)

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