思い入れから生まれる現実存在と絵を描く行為の関係性問う、谷口真人個展『Untitled』

谷口真人の個展『Untitled』が、3月1日から東京・渋谷のNANZUKAで開催される。

漫画やアニメーション、アイドルなどキャラクター化された少女像をモチーフにしたペインティングや映像インスタレーションで注目を集めている谷口真人。現代の日本社会に広く存在する記号化されたイメージとの対話を繰り返しながら、「思い入れ」や「感情移入」によって生まれる現実存在と、絵を描く行為の関係性について考察を続けている。

谷口のこうした研究成果を結実させたのが、アクリル板と鏡を利用した絵画作品だ。鏡に映るイメージとアクリル板上に置かれた絵の具は、作家が感じている認識と実存との距離を表しており、作品の正面からは認識することのできない鏡に映る少女像と、デフォルメされた手前の絵具の関係性から、作家が繰り返す永遠の問いを見ることができる。

谷口は自らの作品について「私たちが存在すると感じる全てのものは、見て、存在すると感じた瞬間に、“イメージ”になる。それは記憶や印象、ビジュアルという意味でのイメージなどが混ざったような自分にしかわからないもの。それが確かにあることを確認しようと、絵を描いたり物をつくったりしてなんとか目の前にあらわそうとする。そのように目には見えないけど確かにある内なる“イメージ”を描こうとする時、その存在の儚さやまぶしさが沸き上がってきて、自らの生命観や“存在する”ということについて思いを至らせる」と語っている。なお、3月1日にはオープニングレセプションが行われる。

イベント情報

谷口真人 『Untitled』

2014年3月1日(土)~3月29日(土)
会場:東京都 渋谷 NANZUKA
時間:11:00~19:00
休廊日:日、月曜、祝祭日
料金:無料

(画像上から:Untitled, 2013, 760 x 543 x 130 mm, acrylic, grease pencil, acrylic board, wooden frame, mirror ©Makoto Taniguchi Courtesy of NANZUKA
Untitled, 2014, 250 x 185 x 55 mm, acrylic, grease pencil, acrylic board, wooden frame, mirror ©Makoto Taniguchi Courtesy of NANZUKA
Untitled, 2014, 630 x 535 x 125 mm, acrylic, grease pencil, acrylic board, wooden frame, mirror ©Makoto Taniguchi Courtesy of NANZUKA)

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