ニュース

『ヴェネチア・ビエンナーレ』日本館展示プラン発表、作家は岩崎貴宏

『リフレクション・モデル(厳島)』のためのドローイング 2016年 Drawing for Reflection Model 2016 ©Takahiro Iwasaki, Courtesy of ARATANIURANO
『リフレクション・モデル(厳島)』のためのドローイング 2016年 Drawing for Reflection Model 2016 ©Takahiro Iwasaki, Courtesy of ARATANIURANO

2017年5月13日からイタリア・ヴェネチアで開催される『第57回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展』の日本館展示概要が発表された。

日本館の展示は岩崎貴宏による『Upside-down Forest / 逆さにすれば、森(仮)』。キュレーターは金沢21世紀美術館のキュレーターである鷲田めるろが務める。

1975年生まれの岩崎貴宏は、身の回りにあるものを素材に用いて建物やクレーン、鉄塔などの立体作品を作るアーティスト。『Upside-down Forest / 逆さにすれば、森(仮)』は、山の風景に囲まれた工業地帯のインスタレーション『アウト・オブ・ディスオーダー(工業地帯モデル)』、机の上に海洋資源開発の掘削装置と島々が浮かぶ『アウト・オブ・ディスオーダー(海洋モデル)』、厳島神社をモチーフにした『リフレクション・モデル(厳島)』、本を積み重ねてバベルの塔のような構造を作る『テクトニック・モデル』という4つの新作を中心とした展示プランになっている。

岩崎貴宏のコメント

私は、広島で生まれ育ち、現在も広島を拠点に作家活動を続けています。
今回、キュレーターの鷲田めるろさんより、展示プラン作成に際し、日本館は展示しにくいと思われているかもしれないが、独特な建築の面白さと対話した展示を目指したいという、なんだかドキドキするようなお話しをいただきました。
改めて日本館の断面図を見ますと、1階のピロティから伸びた4本の柱は、そのまま2階、展示室の壁になっており、1階の天井でもある2階の床が、まるで海中と地上を分ける境界のように感じました。
潮汐によって視点を変化させる広島の厳島神社や、ヴェネツィアの街のように、海抜0mから眺める風景を、1階の天井中央に空いている穴から見たいと考え、プランを制作しました。
一つの展示を、見上げる/見下ろすという異なる視点を作ることで、透視図法のように一つの視点による整合性のとれた空間ではなく、複眼的に展開される空間体験を生み出したいと思っています。
鳥瞰的なスケールの把握や、虫瞰的な細部の観察、魚瞰的な空間の歪みといった視点の切り替えは、鑑賞者に息を殺してしゃがませたり、近づいたり離れたりと、身体と眼球を巧みに動かすことを自然と促します。また人工と自然、秩序と混沌、歴史と現在といった相違点がお互いを補完しつつ、事象のはかなさや、移ろう時間の流れ、トロンプ・ルイユ的な知覚の変換作用といった点にも気付いてもらえればと思います。
そして、なによりも楽しんでいただける展示が出来ればと思っています。

※記事掲載時、一部表記に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。

イベント情報

『第57回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展』

2017年5月13日(土)~11月26日(日)
会場:イタリア ヴェネチア市内各所

『アウト・オブ・ディスオーダー(工業地帯モデル)』のためのドローイング 2016年 Drawing for Out of Disorder 2016 ©Takahiro Iwasaki, Courtesy of ARATANIURANO
『アウト・オブ・ディスオーダー(工業地帯モデル)』のためのドローイング 2016年 Drawing for Out of Disorder 2016 ©Takahiro Iwasaki, Courtesy of ARATANIURANO
『テクトニック・モデル』のためのドローイング 2016年 Drawing for Tectonic Model 2016 ©Takahiro Iwasaki, Courtesy of ARATANIURANO
『テクトニック・モデル』のためのドローイング 2016年 Drawing for Tectonic Model 2016 ©Takahiro Iwasaki, Courtesy of ARATANIURANO
展示スタディ模型 2016年 Study Model 2016 ©Takahiro Iwasaki, Courtesy of ARATANIURANO
展示スタディ模型 2016年 Study Model 2016 ©Takahiro Iwasaki, Courtesy of ARATANIURANO
『アウト・オブ・ディスオーダー(川崎シリーズ/日本ゼオン)』2014年
川崎市民ミュージアム蔵 Out of Disorder (Kawasaki series / Zeon Corporation) 2014 Collection of Kawasaki City Museum ©Takahiro Iwasaki, Courtesy of ARATANIURANO
『アウト・オブ・ディスオーダー(川崎シリーズ/日本ゼオン)』2014年 川崎市民ミュージアム蔵 Out of Disorder (Kawasaki series / Zeon Corporation) 2014 Collection of Kawasaki City Museum ©Takahiro Iwasaki, Courtesy of ARATANIURANO
『リフレクション・モデル(厳島)』2013-14年 ヴィクトリア国立美術館蔵 青森公立大学国際芸術センター青森での展示風景 『Reflection Model (Itsukushima)』2013-14 Collection of National Gallery of Victoria Installation view at Aomori Contemporary Art Centre, Aomori Public University ©Takahiro Iwasaki, Courtesy of ARATANIURANO
『リフレクション・モデル(厳島)』2013-14年 ヴィクトリア国立美術館蔵 青森公立大学国際芸術センター青森での展示風景 『Reflection Model (Itsukushima)』2013-14 Collection of National Gallery of Victoria Installation view at Aomori Contemporary Art Centre, Aomori Public University ©Takahiro Iwasaki, Courtesy of ARATANIURANO
画像を拡大する(11枚)

SPECIAL PR 特集

もっと見る

BACKNUMBER PR 注目のバックナンバー

もっと見る

PICKUP VIDEO 動画これだけは

あらかじめ決められた恋人たちへ“日々feat.アフロ”

何かを我慢することに慣れすぎて忘れてしまいそうになっている「感情」を、たった10分でこじ開けてしまう魔法のようなミュージックビデオ。現在地を確かめながらも、徐々に感情を回転させていくアフロの言葉とあら恋の音。人を傷つけるのではなく、慈しみ輝かせるためのエモーションが天井知らずの勢いで駆け上がっていった先に待ち構えている景色が、普段とは違ったものに見える。これが芸術の力だと言わんばかりに、潔く堂々と振り切っていて気持ちがいい。柴田剛監督のもと、タイコウクニヨシの写真と佐伯龍蔵の映像にも注目。(柏井)

  1. ドラマ『ここぼく』が描いた日本社会のいま。危機感と真実の追及 1

    ドラマ『ここぼく』が描いた日本社会のいま。危機感と真実の追及

  2. 佐藤健とシム・ウンギョンが共演 サントリーウイスキー「知多」新動画 2

    佐藤健とシム・ウンギョンが共演 サントリーウイスキー「知多」新動画

  3. 記録映画『東京オリンピック2017』に七尾旅人らがコメント ポスター到着 3

    記録映画『東京オリンピック2017』に七尾旅人らがコメント ポスター到着

  4. スチャとネバヤン、同じ電波をキャッチしちゃった似た者同士 4

    スチャとネバヤン、同じ電波をキャッチしちゃった似た者同士

  5. 羊文学を形づくる「音」 6つの日本語曲を選んで3人で語り合う 5

    羊文学を形づくる「音」 6つの日本語曲を選んで3人で語り合う

  6. 坂口恭平が語る「死なないという勝ち方」。画狂老人・北斎に学ぶ 6

    坂口恭平が語る「死なないという勝ち方」。画狂老人・北斎に学ぶ

  7. ジム・ジャームッシュ特集上映ポスター&チラシ12種、大島依提亜がデザイン 7

    ジム・ジャームッシュ特集上映ポスター&チラシ12種、大島依提亜がデザイン

  8. 青春音楽映画『ショック・ドゥ・フューチャー』予告編、石野卓球らコメント 8

    青春音楽映画『ショック・ドゥ・フューチャー』予告編、石野卓球らコメント

  9. 自己不信や周囲の目にどう向き合う? 女性アスリートの6篇の物語 9

    自己不信や周囲の目にどう向き合う? 女性アスリートの6篇の物語

  10. ちゃんみなが経験した、容姿に基づく中傷と賛美 自らラップで切る 10

    ちゃんみなが経験した、容姿に基づく中傷と賛美 自らラップで切る