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耳が聴こえない両親の日常を娘の視点で映す 記録映画『きらめく拍手の音』

『きらめく拍手の音』
『きらめく拍手の音』

ドキュメンタリー映画『きらめく拍手の音』が6月から東京・ポレポレ東中野ほかで全国公開される。

『山形国際ドキュメンタリー映画祭2015』アジア千波万波部門で特別賞を受賞した同作は、耳の聞こえない両親の日常を、聴者である娘のイギル・ボラ監督の視点から捉えた作品。声の代わりに手と表情で会話する両親の日常や家族への思いと、彼らの愛情を受けて時に苦悩しながらも成長する監督とその弟の姿を映し出す。

監督のイギル・ボラは韓国芸術総合学校でドキュメンタリーを学んだ27歳。『きらめく拍手の音』が劇場公開デビュー作となる。4月16日には東京・下北沢シネマで行なわれる『優れたドキュメンタリー映画を観る会』で先行上映を実施。上映後には監督による舞台挨拶が行なわれる。

なお同作は、セリフだけでなく話者の表記や環境音、音楽の説明も交えたバリアフリー字幕版での公開を予定。クラウドファンディングプラットフォームのMotion Galleryでは4月28日まで字幕制作費用への支援を募っている。目標金額は50万円となり、支援金額に応じたリターンには試写会への招待や、パンフレット、ウェブサイトへの名前のクレジット、劇場鑑賞券などが用意されている。

イギル・ボラ監督のコメント

私は子どもの頃からずっと通訳したり説明したりしなければならない立場にありました。「私の母と父はろう者です」と言うと、いつも困惑した表情を浮かべたり、同情や憐みのまなざしで見られたりしました。でも、私が見た両親の世界は特別で美しかった。だから多くの人にそのことを知らせたいといつも思っていました。手話で話すとき、顔の表情がどれほど豊かに見えるか、表情がどれほど繊細か、聞こえる人はあまり知らないし、言葉だけで説明しても理解してもらえない。そういったことを知らせたいという欲が大きくなり、映画で説明したいと自然に考えるようになりました。
大半の人たちは聴覚障碍者についてよく知りません。もし、健常者が視覚障碍者の困難を知るための体験をするとすれば、目隠しをして歩けばいい。しかしろう者の体験はできません。どんなに自分の耳をきつく塞いでも自分の話す声が聞こえ、世界の音が聞こえてきます。私たちは寝ている間さえも音を聞いています。私もろう者の両親を持ちましたが、映画を作りながら、「音が聞こえない」というのはどんなことなのか悩むようになりました。聞こえない経験をしたことがないため、想像するのはとても難しい。だから見過ごしている部分がたくさんあると思います。外見だけではろう者かどうか分からず、「健康だから問題ないだろう」と思われ、それがこの社会とろうの社会を次第に遠ざけているように思います。

『きらめく拍手の音』
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