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開発好明の作家活動を再考、『開発再考 Vol.1 初期ビデオ作品』展が開催

Roll, 1998, Video  ©︎Yoshiaki Kaihatsu
Roll, 1998, Video ©︎Yoshiaki Kaihatsu

開発好明の個展『開発再考 Vol.1 初期ビデオ作品』が、本日10月19日から東京・天王洲アイルのANOMALYで開催される。

1966年生まれの開発好明は、参加型の作品を中心に国内外で活動する美術家。2001年に『岡本太郎現代芸術賞』優秀賞を受賞、2004年には『ヴェネチア・ビエンナーレ第9回国際建築展』で日本館の作家として選出され、代表作ともいえる発泡シリーズを発表した。2011年の東日本大震災の際には、トラックに作品を詰めて被災地を巡回し、「アートによる心の繋がり」を運ぶ『デイリリー・アート・サーカス』を主催。原発事故後の南相馬に『政治家の家』という休憩所を建て、政治家へ招待状を送り続けるなど、社会的な出来事への関心は開発の制作において重要な要素の一つとなっている。2016年には千葉・市原湖畔美術館で『中二病』展を開催。1990年代の作品から新作までを振り返る回顧展を行なった。

『開発再考 Vol.1 初期ビデオ作品』展では、開発好明の初期のビデオ作品をまとめて展示。作品やアプローチが多岐にわたる開発の作家活動を再考する展示になっているという。展示作品の1つである『Roll』は、1998年ニューヨークに滞在中に制作されたパフォーマンス作品。ワンカット、ワンアクションというシンプルな方法で撮影され、可能な限り感情やストーリーを排除して、自ら決めた行為のみを行うというルールをもとに作られた。前転し続ける開発の背景には、2001年9月11日にアメリカ同時多発テロ事件の標的となったワールドトレードセンターが映り込んでいる。

10月19日にはオープニングレセプションとパフォーマンスイベントを開催。詳細はANOMALYのオフィシャルサイトをチェックしよう。

開発好明のコメント

1992年6月 僕はドイツのドクメンタ9に向かった。

美術雑誌で知った4年に一度の国際展。チーフキュレターはヤン・フート氏で日本でも
展示を行っていたので、それもあって行きやすかったのかもしれない。

4年に一度という事もあり、美術界のオリンピックなのだと思い込み、呼ばれてもいない世界の舞台で玉砕するために、天使の格好で体にビデオ作品を貼り付け、会場内で2週間毎日6時間ほど滞在し続けた。目的は、排除される事。世界の舞台で排除される事で、
自身のアーティストの出発点としたかったのだ。

しかし、幸か不幸か毎日怒られることもなくパフォーマンスをし続け、しまいにはヤン・フートまで作品を覗き込んで行く始末。美術館内で行う僕のパフォーマンスは、観客には出品作家としてしか目に映らなかったのだ。

また、抱えた台座の上に「私はあなたのオモチャ、名前は開発」と書かれたカードを置き、誰でも手に取る事ができた。これは、常にあなたの側で作品を作り続けたいという意味を込めている。

こうして作家としてのスタートを切れた。

それから数年して、念願のニューヨークに行くことになる。

最初は怖くて、夜8時には部屋に戻り、サイレンと何かの弾ける音にビクビクしていた。
数週間して夜9時ごろ外に出ると、子供が犬の散歩をしていて案外安全なんだと気づく。
長い間、たいした事もせず戻ってきてしまったという記憶だったが、今回の展示のために資料をひっくり返していたら、なんだかんだ毎月1本パフォーマンスや、インスタレーションや作品を作っているじゃないか。

当時は、来たのが遅すぎたと思っていたけど、まだチクチクするようなNYの雰囲気と訳も分からず期待に胸を膨らませた作家のパフォーマンスが、画面に映し出されている。
見れば懐かしくもあり、変わらずあり続けると思っていた物が消えていたり、否応無しに映像は時代を写し取っている。

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