OORUTAICHI with SPECIAL BAND『HOTOKENO』3月発売&ウリチパン郡の再発も

OORUTAICHI with SPECIAL BANDの新作『HOTOKENO』が3月10日にリリースされる。

現在放送中のテレビアニメ『映像研には手を出すな!』の劇伴を手掛けているオオルタイチ。OORUTAICHI with SPECIAL BANDはオオルタイチ(Vo,Gt)、植野隆司(Gt,Sax / テニスコーツ)、石田多朗(Pf, Syn, Gong)、トンチ(Steelpan, Cho / トンチトリオ、滞空時間)、田中馨(Ba / Hei Tanaka、ショピン)、岸田佳也(Dr / トクマルシューゴバンド)、成田七海(Vc)、川村蕗倭皇(Vla,Vl)で構成される。『HOTOKENO』は新曲“ほとけの”、水曜日のカンパネラへの提供曲をリアレンジした“愛しいものたちへ”、2010年にキセルをフィーチャーして発表した“燃えるひみつ”のセルフカバーなど全5曲を収録。

また、同日にウリチパン郡の『ジャイアント・クラブ』を再発することも発表された。2010年をもって無期限活動休止となったウリチパン郡はオオルタイチ、YTAMO、千住宗臣(ex.BOREDOMS、PARA)、カメイナホコ(三田村管打団?、moonfaceboys)によるバンドで、2008年発売の『ジャイアント・クラブ』は全10曲を収録。2008年のリリース時には坂本龍一、UA、トクマルシューゴ、内田也哉子、岸野雄一、内橋和久、山本精一がコメントを寄せた。

坂本龍一のコメント

POPSの究極のすがたは、わらべうたかな?
このアルバムを聴いていて、フトそんなことを思いました。
すごく時間をかけて、ていねいにつくってあるね。

UAのコメント

黒潮にのってやってきた!?こんな爽やか変態、聴いたことない。

トクマルシューゴのコメント

こんな音楽に出会えた事が嬉しくて仕方がない。間違いなく日本屈指のポップグループ。
アルタナティブなポップのひとつの極みであるのに、未来を感じる音楽だ。

内田也哉子のコメント

デジャヴュにも、予感にも当てはまらない正真正銘、生まれて初めて聞いた音なのです。
しかしながら、私の小指あたりの細胞が実に楽しげに弾けているところをみると、どうやら現在の私には知り得ない記憶で繋がっていそうな気もするわけで、、、
ウリチパン郡の小気味良い謎は深まるばかり。

岸野雄一のコメント

「ウリチパン郡の国からこんにちは」
音楽から地域性が失われて久しい。農耕といった集団作業では、かろうじて、麦踏みの歌などのレパートリーが残ったが、産業革命以降、まず、機械がモノ作りのレパートリーの数々を奪っていった。しかしながら、機械の紡ぐリズムは我々を魅了し、それは新たなる共感覚=連帯を生み出していった。それはそのままテクノの誕生までつながるであろう感覚である。さて、地域コミュティからネット・コミュニティに移行した現代、せっかく規模はWWWまで広がったのに、かつてあったスケールの大きな、全人類への呼び掛けのような歌(六文銭「旅立ちの歌」や三波春夫「世界の国からこんにちは」等)は、絶滅の危機に瀕している。誰もがチマチマとしたマーケッティングで、友人が誉めてくれるような小規模コミュニティ・ミュージックしか作りやがらねえからだ。そんななかで、架空のフォークロアへの憧憬を音楽化し続けてきたウリチパン郡の新作は、まるで21世紀の理想郷での労働歌のようにスケールが大きい。ここに新しい広義の意味でのポップスが始まる予感がある。

内橋和久のコメント

ウリチパン郡という地には、秘密の道があるという。世界の何処へも通じる、秘密の道。その道を知るのは、たった4人の音楽家。今ぼくらに必要なのは、世界を繋ぐ、彼らの音楽。

山本精一のコメント

ウリチパン郡・新作に寄す
いつ聴いても不思議な音楽だ。
不思議だけど、でも、ずっと以前から聴いていたような感覚にもなる。
おそらくその理由は、この音楽が持つ、ある種の普遍性が、我々の琴線に触れるという事なんだと思う。特にメロディにはそのことを強く感じさせられる。このメロは、我々モンゴロイドが共通に持つ(宿す) タネが発芽したものだ。メロだけではない。声や、リズムや、曲自体のカタチや、全体の空気まで、なんとも懐かしい斬新さに襲われる。そして、それでいて、というか、それだからこそか、ウリチパン郡は、完璧に彼らだけの「律」を持っている。ちょっとこういう芸当はできないし、おいそれとこんなバンド出てこないのである。
平成二十年一月某日

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