イスラム原理主義と闘う女性描く 『パピチャ 未来へのランウェイ』予告編

映画『パピチャ 未来へのランウェイ』が10月30日から東京・渋谷のBunkamura ル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国で公開。日本版予告編とビジュアルが発表された。

『第72回カンヌ国際映画祭』ある視点部門に正式出品され、『第45回セザール賞』新人監督賞、有望若手女優賞を受賞した同作の舞台は、イスラム原理主義が蔓延し、「暗黒の10年」と言われた1990年代のアルジェリア。ナイトクラブで自作のドレスを販売し、世界中の女性の服を作るデザイナーになることを夢見る大学生のネジュマが、ある悲劇的な出来事をきっかけに、自分たちの自由と未来のため、命がけでファッションショーを行なうことを決意する様を描く。現代は『PAPICHA』。アルジェリアのスラングで「愉快で魅力的で常識にとらわれない自由な女性」を意味する。

ファッションデザインを通じて祖国の現実と向き合う主人公ネジュマ役に、ウェス・アンダーソン監督最新作『The French Dispatch』にも出演したアルジェリア出身のリナ・クードリがキャスティング。監督を『パピチャ 未来へのランウェイ』が長編映画監督デビュー作となるムニア・メドゥールが務めた。ムニア・メドゥール監督はアルジェリアに17歳まで暮らしており、同作の物語は監督自身の自身の経験から生まれたとのこと。

昨年12月に大統領選を控え、政治情勢が不安定となっていたアルジェリアでは、昨年9月に実施が予定されていた同作の先行上映が当局によって説明なしに中止された。エントリー要件を満たさないとして『第92回アカデミー賞』国際長編映画賞の代表選出を危ぶまれたが、制作陣が政府からの圧力があったと訴え、最終的に特例措置でアルジェリア代表として認められ選考に進むことが許可された。メドゥール監督は「この映画が、女性たちの心の扉を開き、声を上げるきっかけになることを願ってやまない」とコメント。

予告編では、ネジュマが大学寮の門限を破り、ナイトクラブのトイレでドレスのオーダーを受ける姿をはじめ、「大学でファッションショーをやる!」と決意を口にする様子、ヒジャブの着用を強制するポスターに「何これ」と驚愕するシーン、男性たちの「女は家から出ずに信心深く暮らせ」「外国語を学ぶ必要はない、ヒジャブをかぶれ」という言葉、ネジュマが「服装は関係ない、その偏見が女たちを殺すのよ」と声を荒げる場面、「自由を纏い、私たちは輝く」というナレーションなどが確認できる。

ネジュマが仲間たちと海辺で肩を寄せ合う姿が写し出されたビジュアルには、「わたしらしく、闘う。」というコピーが添えられている。

作品情報

『パピチャ 未来へのランウェイ』

2020年10月30日(金)からBunkamura ル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国で公開
監督:ムニア・メドゥール 出演: リナ・クードリ シリン・ブティラ アミラ・イルダ・ドゥアウダ ザーラ・ドゥモンディ 上映時間:109分 配給:クロックワークス
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