新型コロナの影響で世界の休校が1年続く 1億6800万人の子供が学校に通えず

新型コロナウイルス感染症の影響が、世界に大きな打撃を与えていることを示す新たなデータが発表された。報告によると、世界で1億6800万人以上の子供たちの通う学校が約1年間にわたって休校状態にあり、さらに約2億1400万人の子供が対面学習の4分の3以上を受けられなかったという。

このレポートはユニセフ(国連児童基金)が本日3月3日に発表したもの。報告では2020年3月から今年2月まで、14か国が休校措置を取り続けていること、その3分の2がラテンアメリカ・カリブ海諸国であり、約9800万人の子供たちが影響を受けていることが指摘されている。厳しい環境にあって遠隔授業を受けられない子供たちは、学校に戻ることができず、児童婚や児童労働に追い込まれるリスクが高いこともあわせて指摘されている。ユネスコ(国連教育科学文化機関)のデータによれば、世界では8億8,800万人以上の子供たちが完全休校や部分休校による教育の中断に直面しているとのこと。

ユニセフ事務局長のヘンリエッタ・フォアは、「パンデミックから1年が経とうとしている今は、世界的なロックダウンがもたらした壊滅的な教育危機の状況にあらためて目を向ける機会です。学校に通うことができない子供たちは、日を追うごとにますます遅れをとっており、特に、最も置き去りにされた子供たちが最も重い代償を払っています。この子供たちが、今年も学校での学習を制限されたり、あるいいは全く行なわれないままでいてはなりません。学校を開校し続ける、あるいは再開計画の中で学校を優先するための努力を惜しむべきではありません」と呼びかけている。ユニセフでは学校の再開計画として、学習の遅れを取り戻すための補習、保健と栄養、メンタルヘルスと保護といった要素を盛り込んだ包括的なサービスを提供することを各国政府に求めるとしている。

ユニセフではこの状況を訴えるためのインスタレーション『Pandemic Classroom』を公開。168台の空の机が配置された教室を模した作品で、約1年間にわたって何百万人もの子供たちの使う教室が空いたままになっていることを表現しているという。

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