レポート

木(KI)、I Saw You Yesterdayら5組が見せた「合奏音楽」の凄み

インタビュー・テキスト
天野史彬
撮影:垂水佳菜 編集:中田光貴(CINRA.NET編集部)
木(KI)、I Saw You Yesterdayら5組が見せた「合奏音楽」の凄み

メロウにたゆたいながらも、熱さと激しさを見せつけたMellow Youth

2月28日、CINRAと音楽アプリ「Eggs」の共同主催による無料音楽イベント『exPoP!!!!!』が、渋谷のライブハウスTSUTAYA O-nestにて開催された。

この日の一番手を飾ったのは、平均年齢22歳の5人組バンド、Mellow Youth。

Mellow Youth(めろう ゆーす)<br>2016年結成。平均年齢22歳。ツインボーカル、ツインギター、ベース、ドラムの編成。AOR / Acid Jazz / Pop / Rock様々な要素を取り込み、独自の空気感、世界観で奏でる5人組バンド。
Mellow Youth(めろう ゆーす)
2016年結成。平均年齢22歳。ツインボーカル、ツインギター、ベース、ドラムの編成。AOR / Acid Jazz / Pop / Rock様々な要素を取り込み、独自の空気感、世界観で奏でる5人組バンド。
石森龍乃介(Mellow Youth)
石森龍乃介(Mellow Youth)
伊佐奨(Mellow Youth)
伊佐奨(Mellow Youth)

ブラックミュージックのグルーヴ感を昇華したバンドアンサンブルは、SuchmosやNulbarichといった、近年の国内シーンでも重要な位置を占めるバンドたちからの系譜を感じさせる。しかし、曲の随所に現れるロックでエモーショナルなギターが、このバンドにしか出せない熱さと激しさを際立たせている。

木立伎人(Mellow Youth)
木立伎人(Mellow Youth)
肥田野剛士(Mellow Youth)
肥田野剛士(Mellow Youth)
阿部優樹(Mellow Youth)
阿部優樹(Mellow Youth)

そのバンド名の通り、メロウにたゆたいながら、しかし、穏やかなだけではいられない若さゆえの焦燥をアグレッシブなギターサウンドに託して、バンドのアイデンティティを見せつけるようなステージングを披露した。

Mellow Youth
Mellow Youth

メロウ・イエロー・バナナムーンが鳴らす、多国籍なルーツを昇華した先にある普遍的なポップス

2番手に登場したのは、キーボードとパーカッションを含む6人組バンド、メロウ・イエロー・バナナムーン。

メロウ・イエロー・バナナムーン<br>2015年夏頃、大学の音楽サークルで出会ったメンバーが「野外フェス出たいね」を合言葉に集合。翌年春より本格的に活動開始。ポップ、中南米音楽、ロック、黒人音楽、ケルト音楽など多種多彩な音楽を聴いたりやったり揉みつ揉まれつしてきたメンバーによる、にぎやかなポップミュージックが魅力。2017年11月にバンド初の全国流通版ミニアルバム『かくも素晴らしき日々』をリリース、2019年春には1st EP『Tropicália』をリリース。
メロウ・イエロー・バナナムーン
2015年夏頃、大学の音楽サークルで出会ったメンバーが「野外フェス出たいね」を合言葉に集合。翌年春より本格的に活動開始。ポップ、中南米音楽、ロック、黒人音楽、ケルト音楽など多種多彩な音楽を聴いたりやったり揉みつ揉まれつしてきたメンバーによる、にぎやかなポップミュージックが魅力。2017年11月にバンド初の全国流通版ミニアルバム『かくも素晴らしき日々』をリリース、2019年春には1st EP『Tropicália』をリリース。
緒方利菜(メロウ・イエロー・バナナムーン)
緒方利菜(メロウ・イエロー・バナナムーン)
宮田泰輔(メロウ・イエロー・バナナムーン)
宮田泰輔(メロウ・イエロー・バナナムーン)

大学の音楽サークルから始まり、ロックやポップスだけでなく、中南米音楽や黒人音楽、ケルト音楽なども摂取してきたメンバーが集まったバンドだけあって、その音楽性は国籍を感じさせない雑食的なものになっている。しかし、曲の聴き心地に難解さや複雑さは一切なく、リズムやメロディ、歌からは、童謡や子守唄のような、普遍的な優しさや懐かしさを強く感じさせる。

岩井百合香(メロウ・イエロー・バナナムーン)
岩井百合香(メロウ・イエロー・バナナムーン)
樋口敏寛(メロウ・イエロー・バナナムーン)
樋口敏寛(メロウ・イエロー・バナナムーン) 
加藤亜実(メロウ・イエロー・バナナムーン)
加藤亜実(メロウ・イエロー・バナナムーン)
礒部拓見(メロウ・イエロー・バナナムーン)
礒部拓見(メロウ・イエロー・バナナムーン)

この日は、4月に新作ミニアルバム『Tropicália』をリリースすることを発表し、そこからの新曲も披露。この先のバンドの行く末の大部分を担っていくであろう緒方利菜(Vo)の、目いっぱい歌を届けようとする歌声に、若さと豊かさを感じた。

メロウ・イエロー・バナナムーン
メロウ・イエロー・バナナムーン

獰猛な音の塊の中に鳴り響くフルートとファゴットで、会場を揺さぶったTHE RATEL

3番手に登場したのは、THE RATEL。吉田ヨウヘイgroupの一員だった池田若菜(フルート)と内藤彩(ファゴット)を中心に、畠山健嗣(Gt / H Mountains)、溝渕匠良(Ba / TOURS)、富樫大樹(Dr / サンガツ、harineko)といった、東京のインディシーンで活躍してきたメンバーが集まった5人組バンドだ。

THE RATEL(ざ らーてる)<br>元吉田ヨウヘイgroupのフルート池田若菜とファゴット内藤彩を中心に、畠山健嗣(Gt / H Mountains)、溝渕匠良(Ba / TOURS、ex.SuiseiNoboAz)、富樫大樹(Dr / サンガツ、harineko)と東京インディシーンで活躍するメンバーを迎え結成されたポストハードコア / オルタナティブロックバンド。2018年12月に初の4曲入りシングル『Focus EP』を発売。
THE RATEL(ざ らーてる)
元吉田ヨウヘイgroupのフルート池田若菜とファゴット内藤彩を中心に、畠山健嗣(Gt / H Mountains)、溝渕匠良(Ba / TOURS、ex.SuiseiNoboAz)、富樫大樹(Dr / サンガツ、harineko)と東京インディシーンで活躍するメンバーを迎え結成されたポストハードコア / オルタナティブロックバンド。2018年12月に初の4曲入りシングル『Focus EP』を発売。
池田若菜(THE RATEL)
池田若菜(THE RATEL)
内藤彩(THE RATEL)
内藤彩(THE RATEL)

彼らが鳴らす音は、静かに、激しく、重い。地響きのような重低音、空間を埋め尽くすノイズ、その獰猛な音の塊の中で優雅に、ふくよかに鳴るフルートとファゴット、そして内藤の呟くような歌声(それはときに、言葉すら捨て去った叫びへと変わっていった)。そのすべてが混然一体となって、怒りのような、祈りのような、その両方が混ざり合ったような、音楽にしか創造しえない美しくも異形の空間を創造していく。

畠山健嗣(THE RATEL)
畠山健嗣(THE RATEL)
溝渕匠良(THE RATEL)
溝渕匠良(THE RATEL)
THE RATEL

彼らの音に身を任せながら深く沈んでいくのは、とてもヒリヒリとしながらも、不思議と、とても心地のよい体験でもあった。

THE RATEL
THE RATEL
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イベント情報

『Eggs×CINRA presents exPoP!!!!! volume118』

2019年2月28日(木)
会場:東京都 渋谷 TSUTAYA O-nest

出演:
I Saw You Yesterday
木(KI)
THE RATEL
メロウ・イエロー・バナナムーン
Mellow Youth

『Eggs×CINRA presents exPoP!!!!! volume122』

2019年6月27日(木)
会場:東京都 渋谷 TSUTAYA O-nest

出演:
新しい学校のリーダーズ
vividboooy
ほか
料金:無料(2ドリンク別)

プロフィール

Mellow Youth(めろう ゆーす)

2016年結成。平均年齢22歳。ツインボーカル、ツインギター、ベース、ドラムの編成。AOR / Acid jazz / pop / Rock様々な要素を取り込み、独自の空気感、世界観で奏でる5人組バンド。

メロウ・イエロー・バナナムーン

2015年夏頃、大学の音楽サークルで出会ったメンバーが「野外フェス出たいね」を合言葉に集合。翌年春より本格的に活動開始。ポップ、中南米音楽、ロック、黒人音楽、ケルト音楽など多種多彩な音楽を聴いたりやったり揉みつ揉まれつしてきたメンバーによる、にぎやかなポップ・ミュージックが魅力。2017年11月にバンド初の全国流通版ミニアルバム「かくも素晴らしき日々」をリリース、2019年4月には1st EP「Tropicália」をリリース。

THE RATEL(ざ らーてる)

元・吉田ヨウヘイgroupのフルート池田若菜とファゴット内藤彩を中心に、Gt.畠山健嗣(H Mountains)、Ba.溝渕匠良(TOURS,ex.SuiseiNoboAz)、Dr.富樫大樹(サンガツ,harineko)と東京インディシーンで活躍するメンバーを迎え結成されたポストハードコア/オルタナティブロックバンド。2018年12月に初の4曲入りシングル『Focus EP』を発売。2019年1月のレコ発ではチケット前売り完売。初期4AD~ツインピークス的とも言えるゴシックな世界観の中、管楽器のハーモニーとアヴァンサイケなギターが絡むタイトル曲などを披露。

I Saw You Yesterday(あい そう ゆー いえすたでい)

東京にて活動する4人組インディ・ポップ・バンド。USインディ直系のギター・ロック・サウンドで、90年代オルタナティブやシューゲイザーからの影響が強く、疾走感のあるインディポップを鳴らす。一方で、ライブではラウド感が強く、その音は形容し難いが、日本で唯一無二の音を鳴らすバンドといっても過言ではないだろう。2016年9月にはりんご音楽祭へ出演。その後も数々の海外バンドの前座も務めながら、2017年4月には待望のデビュー作『Dove』をリリース。2018年にはミツメらとタイの音楽フェスPOW! FESTに出演し、初の海外進出を実現。同年には1年ぶりとなる新作『Topia EP』をリリース。

木(KI)

きいたことないけど、みたことある。ぼくらはそれを見つけた。もしかするとマスターキーかもしれない。扉を開けて聴いてみて、昨日のことを思い出すように。

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