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hozzy(藍坊主)×筧昌也 音楽、絵、映像の共通点から見る時代感

hozzy(藍坊主)×筧昌也 音楽、絵、映像の共通点から見る時代感

インタビュー・テキスト
タナカヒロシ
撮影:豊島望
2014/11/14
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近年、ミュージシャンが自身でアートワークを手がけることは珍しくないが、プロのデザイナーが並ぶ『MUSIC ILLUSTRATION AWARDS 2014』で大賞を受賞するほどの絵を描き、自らミュージックビデオ(MV)を制作し、さらにはレコーディングで使うマイクの設計から制作まで行うなど、多方面に才能を発揮している藍坊主のボーカルhozzyは、かなり稀有な存在だと言っていいだろう。そのhozzyにMV制作を勧めたのが、『Sweet Rain 死神の精度』『美女缶』などの映画監督として知られ、現在放送中のドラマ『素敵な選TAXI』でもチーフ監督として非凡な才能を発揮している筧昌也だ。この二人にMV制作に至った経緯やその感想をそれぞれの立場から語ってもらうと、音楽と映像の興味深い類似性や、これからの時代における表現の形が見えてきた。

完成品だけに興味を持つんじゃなくて、作り方もカスタマイズすることで、結果的に自分らしいものができるよね。(筧)

―hozzyさんは先日発表された“夏の銀景”のMVをご自身で制作されて、そのきっかけが筧さんだったそうですね。二人はいつからの仲なんですか?

hozzy:出会いは10年くらい前ですかね。筧さんが監督・脚本を手がけた『美女缶』という作品が、小田原の映画祭で上映されたんですよ。自分たち(藍坊主のメンバー)も小田原出身で、当時リリースした作品のMVを作ってくれたモリカツさんが『美女缶』のカメラマンをやっていたというつながりもあって、俺たちも映画祭に呼んでもらって。

左から:hozzy、筧昌也
左から:hozzy、筧昌也

:確か『美女缶』を流す前に、藍坊主のMVを流していたんだよね。それでトークショーもしようということで、僕とモリカツと藍坊主のみんなでトークをしたんです。それから藍坊主のギターの(田中)ユウイチくんとは付き合いが続いていて。

hozzy:それで2年前に“星霜、誘う”のMVの監督を筧さんにやっていただいたんです。その後もライブ演出用の映像を作っていただいたり、いろいろ関わっていただくなかで、打ち上げにも来ていただくようになり(笑)。

―そこからhozzyさんがMVを作ることになったのは?

:去年の年末に藍坊主のライブを観に行って、打ち上げにも行ったときだよね。

hozzy:そうですね。そこで「監督業って、どんなことやってるんですか?」みたいなことを訊いていたんですけど、「hozzyくんも映像とか作ってみたらいいじゃん」っていう話になって。そのときまで映像を作るという選択肢が頭のなかになかったんですけど、「いまの時代だったら、やろうと思えばできるよ」みたいに簡単な感じで言われて(笑)。

:それは、音楽で使われているPro Tools(音を録音・編集するソフト)と、我々が映像で使っているソフトが、ずっと前から似ていると思っていたんですよ。楽器の数と同じようにアニメーションにもレイヤーがあって、タイムラインがあって、音楽と映像の関係ってめちゃくちゃ似てて。これに芝居が入ると話が変わってくるんですけど、アニメーションなら自分たちの意図で操れるから、hozzyくんが絵を描くことも知っていたし、できるんじゃないかと思ったんですよね。

hozzyが描いたイラスト
hozzyが描いたイラスト

hozzy:プロでやられている監督がそう言うんだったら、やる価値があるんじゃないかなって。これが、あんまり知らない人とか、ただの友達とかから言われたんだったら、多分やらなかったと思うんですけど。

:それをすぐに実行したのがすごいなって思いますよね。1月くらいにメールが来て、もうソフトを買ってたんですよ。

hozzy:その話をした2日後くらいに、After Effects(映像編集やグラフィックス制作用のソフト)の参考書を買って、ソフトも入れてみました。

―完全にゼロから始めたんですね。

hozzy:Photoshopもそのときに一緒に始めましたね。スキャナは家にあったので買う必要はなかったんですけど、いま思うとタブレットで描いたほうが効率よかったのかなと思ったりも(笑)。でも、ちょうど音楽のほうでもアナログなことを実験していた時期で、そこに通じるところがあったんですよね。マイクも作っていた時期(詳しくは後述)だったし。

:本当に凝り性だよね。僕は音楽業界のことはわからないけど、自分でマイクを作るミュージシャンは多いの?

hozzy手作りのマイク
hozzy手作りのマイク

hozzy:マイクはあんまりいないですね。ギターのエフェクターを作る人は多いですけど。

:完成品だけに興味を持つんじゃなくて、作り方もカスタマイズすることで、結果的に自分らしいものができるよね。僕らも同じようなことがあって、映画やドラマは関わるスタッフの人数が多いから、ベルトコンベアで流していくみたいなやり方になりがちなんですよ。「普通はこう撮るよね」とか、「普通はこう進めるよね」とか。そのほうが効率がいいから、現場の人たちは気持ちいいんです。でも、効率のよさばかりに目を向けていると、できあがった作品は普通のものにしかならない。だから監督って存在は大事で。「普通はこうだけど、それじゃ面白くないよね」って、ちょっとだけ面倒なほうに反旗を翻していくんです。音楽も、ボーっとしてたらベルトコンベアでできちゃうでしょ?

hozzy:そうですね。昔だったらプロのエンジニアさんじゃないとできなかったことが、いろんなソフトが安く手に入るようになったことで、誰でもある程度の音楽を作れるようになったじゃないですか。そうなってくると、デジタルを使うにしても、アナログがどうだったのかを踏まえて使えたほうが、より強い作品が作れるんじゃないのかなと思うんです。すごくめんどくさいんですけど、そういうことをちゃんと考えたほうがいいのかなって。

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リリース情報

藍坊主『ココーノ』初回限定盤(2CD+DVD)
藍坊主
『ココーノ』初回限定盤(2CD+DVD)

2014年12月10日(水)発売
価格:3,888円(税込)
TFCC-86495

[DISC1]
1. バタフライ
2. ネガティブフィードバック
3. 春の覚書
4. 賢者の忘れ物
5. ラブミーテンダー
6. あなたと空と星と夜明け
7. 向日葵
8. エチカ
9. 鬼灯
10. チョコレート
11. 夏の銀景
12. 靄がかかる街
13. 星霜、誘う
[DISC2]
1. 冒険風
2. myself
3. ベルガモット
4. Lumo
5. そらみるたまご
6. コンセント
7. オセロ
8. スタンドバイミー
9. クラゲ
10. 花のなはなの花
11. ワンダーランドのワンダーソング
12. ブルース
13. タイムバッファロウ
14. 風の国と地上絵
15. She is the beautiful
16. オーケストラ
[DVD]
1. 星霜、誘う
2. 青空
3. 宇宙が広がるスピードで
4. 虫の勾配
5. 向日葵
6. 夏の銀景

藍坊主『ココーノ』通常盤(CD)
藍坊主
『ココーノ』通常盤(CD)

2014年12月10日(水)発売
価格:3,024円(税込)
TFCC-86496

1. バタフライ
2. ネガティブフィードバック
3. 春の覚書
4. 賢者の忘れ物
5. ラブミーテンダー
6. あなたと空と星と夜明け
7. 向日葵
8. エチカ
9. 鬼灯
10. チョコレート
11. 夏の銀景
12. 靄がかかる街
13. 星霜、誘う

イベント情報

藍坊主
『aobozu TOUR 2015 ~時計仕掛けのミシン~』

2015年1月16日(金)
会場:千葉県 LOOK

2015年1月18日(日)
会場:埼玉県 HEAVEN'S ROCK 熊谷 VJ-1

2015年1月24日(土)
会場:大阪府 BIGCAT

2015年1月25日(日)
会場:愛知県 名古屋 CLUB QUATTRO

2015年1月31日(土)
会場:長野県 ALECX

2015年2月1日(日)
会場:新潟県 GOLDEN PIGS RED STAGE

2015年2月7日(土)
会場:岡山県 IMAGE

2015年2月8日(日)
会場:広島県 Cave-Be

2015年2月11日(水・祝)
会場:福岡県 DRUM Be-1

2015年2月14日(土)
会場:高知県 X-pt

2015年2月20日(金)
会場:宮城県 仙台 CLUB JUNK BOX

2015年2月22日(日)
会場:北海道 札幌 cube garden

番組情報

『素敵な選TAXI』
『素敵な選TAXI』

プロフィール

藍坊主(あおぼうず)

hozzy(Vo)、藤森真一(Ba)、渡辺拓郎(Dr)、田中ユウイチ(Gt)による、神奈川県小田原市出身の4人組ロックバンド。2003年2月12日、インディーズデビューアルバム『藍坊主』をリリース。その後、マキシシングル『雫』『空』を2か月連続でリリースしインディーズチャート上位に次々ランクイン。2004年5月にアルバム『ヒロシゲブルー』でメジャー進出。その後もフェスへの出演や、自主企画イベントを行うなど勢力的に活動を続け、 2011年5月には日本武道館にて「藍空大音楽祭 ~the very best of aobozu~」を開催し大成功に収めた。秀逸なメロディーと多くの人に共感される身近なテーマを題材にした歌詞、そしてライブを積み重ねることで身に付けた確かな演奏力と透明感のあるボーカルが魅力なバンド。

筧昌也(かけひ まさや)

映像ディレクター、イラストレーター。1977年東京生。大学卒業後、企業VPの制作会社に入社。主にグラフィック映像を制作する。退社後、フリーディレクターとして活動。2004年、自主映画『美女缶』が劇場公開。05年には『世にも奇妙な物語 春の特別編』にて妻夫木聡を主演に迎えセルフリメイク。連続ドラマ『ロス:タイム:ライフ』(08年2月~フジテレビ)では原案、チーフ監督、脚本を務める。同年春、初の長編映画『Sweet Rain 死神の精度』(主演:金城武)が劇場公開。その後、連続ドラマ『死神くん』(2014年、大野智主演)、『素敵な選TAXI』(2014年、竹野内豊:主演、バカリズム:脚本)のチーフ監督などを歴任。藍坊主「星霜、誘う」、SUPER★GiRLS「BELIEVE IN LOVE」など、PVも手掛ける。

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Spoon“Can I Sit Next To You”

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