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人生の大事な転換期、30代をどう生きる? 秦 基博インタビュー

人生の大事な転換期、30代をどう生きる? 秦 基博インタビュー

秦 基博『青の光景』
インタビュー・テキスト
柴那典
撮影:西田香織
2015/12/14
  • 172

「ミッドライフ・クライシス」という言葉がある。30代や40代になり、社会の中でも地位や役割が定まってきた中年期になって、それまで思ってもみなかった自分の本心に気付いたり、価値観が揺さぶられたり、葛藤にさいなまされたりすることを示す言葉。多くの人に訪れる、人生の大事な転換期なのだという。

秦 基博のニューアルバム『青の光景』を聴いたとき、最初に思い浮かんだのが、この言葉だった。本作は、タイトルの通り青という色をモチーフにした1枚。そこには爽やかでポジティブな感情だけでなく、憂鬱や苦悩や苛立ちや悲哀や、人生の中で感じる様々な感情が投影されている。

ロングヒットを記録した“ひまわりの約束”で今まで以上に広く知られるようになった秦 基博。デビュー10年目となり35歳となった今、音楽を通して何を表現しようと考えたのかを語ってもらった。

生きていく上で「悲哀」は切っても切り離せないものだろうし、アルバム全体でそこを含めて描けたらいいなと考えていました。

―アルバムは『青の光景』というタイトルですが、最初からこの言葉やコンセプトがあったんでしょうか?

:青というイメージは最初からありましたね。“ダイアローグ・モノローグ”がこのアルバムの中で最初にできた曲だったんですけれど、その時点で青みがかった色のアルバムにしようとは思ってたんです。そこからイメージを形作っていって、今年の夏頃にはどういう音像でどういう言葉で歌っていくかハッキリしていました。

秦 基博
秦 基博

―前にお話を聞いたときにも、アルバムは隅々まで自分のサウンドが反映されたものにしたいと言っていましたよね。それはどういう考えから?

:前作の『Signed POP』(2013年)を作る頃から、パソコン上のソフトを使ってデモ音源を作るようになってきて、アレンジも全て自分でやったほうが、曲のイメージやニュアンスをより伝えられるんじゃないかと思ったんですね。曲や詞の世界を研ぎ澄ませていくことは当たり前として、少し歪でもいいからとにかく自分の音が立ち上がってるアルバムにしたい、という。

―なるほど。最初にできたのが“ダイアローグ・モノローグ”だということですが、これはある程度人生を歩んできたがゆえの迷いや不安や葛藤が表現されている曲ですよね。そのときに青というイメージが浮かんでいたというのは、どういう感じだったんでしょう?

:まずはサウンドのイメージですね。アルバム全体でもそうなんですけど、どこか滲んでいたり揺れていたりする音が入っているサウンド感。曲としても、あの曲は過去の自分と対話していくのがテーマで、昔だって今だってもがいてるし、それでも生きていく。そういうところを書いている。そのあたりは、アルバム全体にも通じてるんじゃないかと思います。

秦 基博

―最初から一貫していたんですね。

:作ったときはそこまで明確なコンセプトを持っていたわけではないんですけれど、きっとアルバムで表現しようとしている世界観に向かいつつあったんだとは思いますね。

―では、“ダイアローグ・モノローグ”から、制作はどう広がっていったのでしょう?

:次に作ったのが『STAND BY ME ドラえもん』の主題歌になった“ひまわりの約束”なので、まずはシングル曲のリリースが続いたんですが、この曲もアルバムのイメージの範疇で、なおかつあの映画に対して自分が何を歌うことができるかを考えていました。なので、アルバムの中で“ひまわりの約束”を聴いてもらうと、全体でどういうことをやろうとしていて、その中のどういう位置にあるのかがわかってもらえるんじゃないかな。

―“ひまわりの約束”という曲は、もちろんこの曲だけでも成立するメッセージを持っているわけですが、アルバムの中で聴くと、一方に“嘘”や“ダイアローグ・モノローグ”があるように、人生のいろんな側面の中での1つのピースになっている感じがします。

:そうですね。この曲には優しさや温かさが表現されているし、それだけじゃなく、別れがあるからこそ、そばにいることの大切さを知るということも描いている。そこには寂しさや悲しみもあって、『青の光景』という作品全体を通して表現しようとしていることに通じてると思うんです。

―“ひまわりの約束”も、温かさだけを描いているわけではない。

:青という色が持ってる物悲しさが、あの曲にもあって。生きていく上で「悲哀」は切っても切り離せないものだろうし、“ひまわりの約束”に限らず、アルバム全曲の中にそういったものが入ってきてると思います。そこを含めて描けたらいいなと考えていました。

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リリース情報

{作品名など}
秦 基博
『青の光景』初回限定盤(CD+DVD)

2015年12月16日(水)発売
価格:4,500円(税込)
AUCL-192/3

[CD]
1. 嘘
2. デイドリーマー
3. ひまわりの約束
4. ROUTES
5. 美しい穢れ
6. Q & A
7. ディープブルー
8. ダイアローグ・モノローグ
9. あそぶおとな
10. Fast Life
11. 聖なる夜の贈り物
12. 水彩の月
13. Sally
[DVD]
・ドキュメンタリー映像『Behind of“青の光景”~interview, recording & live~』
・“Q & A”“ひまわりの約束”ライブ映像(世界遺産劇場 -縄文あおもり三内丸山遺跡-)
・“言ノ葉 -Makoto Shinkai / Director's Cut-”MUSIC VIDEO

秦 基博『青の光景』通常盤
秦 基博
『青の光景』通常盤(CD)

2015年12月16日(水)発売
価格:3,240円(税込)
AUCL-194

1. 嘘
2. デイドリーマー
3. ひまわりの約束
4. ROUTES
5. 美しい穢れ
6. Q & A
7. ディープブルー
8. ダイアローグ・モノローグ
9. あそぶおとな
10. Fast Life
11. 聖なる夜の贈り物
12. 水彩の月
13. Sally

イベント情報

『HATA MOTOHIRO CONCERT TOUR 2016』

2016年3月5日(土)
会場:福岡県 福岡サンパレス

2016年3月11日(金)
会場:岡山県 岡山シンフォニーホール

2016年3月12日(土)
会場:広島県 広島文化学園HBGホール

2016年3月19日(土)
会場:秋田県 秋田県民会館

2016年3月30日(水)
会場:京都府 ロームシアター京都 メインホール

2016年4月3日(日)
会場:北海道 札幌 ニトリ文化ホール

2016年4月10日(日)
会場:香川県 高松 アルファあなぶきホール 大ホール

2016年4月17日(日)
会場:愛知県 名古屋国際会議場センチュリーホール

2016年4月24日(日)
会場:新潟県 新潟県民会館

2016年4月28日(木)
会場:神奈川県 神奈川県民ホール

2016年5月3日(火・祝)
会場:宮城県 仙台サンプラザホール

2016年5月11日(水)
会場:埼玉県 大宮ソニックシティ 大ホール

2016年5月18日(水)
会場:大阪府 オリックス劇場

2016年5月19日(木)
会場:大阪府 オリックス劇場

2016年5月26日(木)
会場:石川県 本多の森ホール

2016年6月3日(金)
会場:東京都 東京国際フォーラム ホールA

2016年6月4日(土)
会場:東京都 東京国際フォーラム ホールA

プロフィール

秦 基博
秦 基博(はた もとひろ)

2006年11月にシングル『シンクロ』でデビュー。強さを秘めた柔らかな歌声と叙情的な詞世界、そして耳に残るポップなメロディーで大きな注目を浴びる。日本武道館での全編弾き語りライブ(2011年)、独創的な映像演出を取り入れた『Visionary live-historia』(2013年)を成功させるなど、ライブアーティストとしての評価も高い。2014年に映画『STAND BY ME ドラえもん』の主題歌として書き下ろした“ひまわりの約束”が100万ダウンロードを超える大ヒットを記録し、弾き語りによる初のベストアルバム『evergreen』が第56回日本レコード大賞企画賞を受賞。2015年12月16日に約3年ぶりとなるオリジナルアルバム『青の光景』を発表。最新MV“聖なる夜の贈り物”は日本初となる横型&縦型同時公開し話題を呼んでいる。

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