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秀吉×えつこ対談「会社に所属しない選択」を実践する幸せな二人

秀吉×えつこ対談「会社に所属しない選択」を実践する幸せな二人

秀吉『ロックンロール』
インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:田中一人 編集:矢島由佳子 取材協力:CARBON

ロックバンド・秀吉の新作『ロックンロール』は何よりその「迷いのなさ」に心打たれる作品である。かつては中心人物の柿澤秀吉が弱い自分を認めた上で、「それでも」と刹那的なエネルギーを放射する、その瞬間にこそバンドの魅力があったわけだが、結成10年目にあたる2014年に自主レーベル「sirosiba record」を設立して以降、彼らはとにかく前だけを見て歩みを進めている。新作に向けては、クラウドファンディングで「フルアルバム制作プロジェクト」を立ち上げ、目標を大きく上回る252%もの支持を得たのも、今の秀吉の姿に多くの人が期待を寄せたことの表れに違いない。

そんな『ロックンロール』の完成に大きく貢献したのが、全曲のコーラスを担当したえつこである。ソロプロジェクト・katyushaとして活動すると共に、近年はindigo la Endとゲスの極み乙女。のサポートメンバーとしてレコーディングからライブまで欠かせない存在となっていて、その経験が秀吉の楽曲の美しいメロディーをさらに引き立てている。

秀吉もえつこも、ここ数年でキャリアの大きな変化を経験したわけだが、それ以前からの付き合いだからこそ、今話せることがある。そんな両者の相思相愛ぶりにもご注目を。

雰囲気がいいボーカルは結構いるけど、こんなにちゃんと歌が上手い人は久々に聴いたなって思った。(秀吉)

―お二人はいつ頃からのお知り合いなのでしょうか?

えつこ:私は千葉に住んでて、稲毛のK'S DREAMによく出入りしてるんですけど、4年前くらいに秀くん(秀吉)が弾き語りで出ていたんです。その打ち上げで、知り合いに紹介してもらいました。私、普通に『へそのお』(2008年発売、秀吉の1stミニアルバム)を自分で買って持っていたので、仲良くなれて嬉しかったんです。

秀吉:仲良くなって、そのまま先輩たちと一緒にえっちゃん(えつこ)家で宅飲みをしたんだよね。そうしたら、『相棒』がいっぱい録画してあって、「こいつは絶対にいいやつだな」って(笑)。

えつこ:私、刑事ドラマすごく好きで、『相棒』がドンピシャだったんですけど、熱狂的に好きな人って周りにほとんどいなくて。秀くんはめっちゃ好きだっていうから、Twitterでも『相棒』についていろいろやりとりしたり(笑)。

左から:えつこ、柿澤秀吉
左から:えつこ、柿澤秀吉

秀吉:このあいだのシーズンが終わったときは、「『相棒』ロス」を共有しました(笑)。で、その初めて会ったときにkatyushaのCDをもらって、めっちゃいいなと思ったんです。バンド界隈って、雰囲気がいいボーカルは結構いるけど、こんなにちゃんと歌が上手い人は久々に聴いたなって。それからずっと「何か一緒にやりたい」という話をしていて、今回やっと実現できました。

自分たちでやれることは自分たちで一からやっていこうという感覚でした。(秀吉)

―秀吉とkatyushaのここまでの歩みを振り返っておくと、秀吉は結成10年目の2014年に自主レーベルを設立して、前作『テルハノイバラ』をリリースしました。その経緯を改めて話していただけますか?

秀吉:前のドラムが脱退するという話になって、当時所属していたレーベルからのリリースの話が一回ストップしちゃったんです。で、新しいドラムはわりとすぐに決まったんですけど、その後もズルズルとリリースタイミングを逃してしまっていたんですよね。自分たちとしては、曲がたくさんたまっているし、そろそろ作品にしたいという気持ちが強かったんですけど、なかなか上手く進まなくて。それで、レーベルと相談した上で、意を決して「(自主レーベルで)やるか」って。

柿澤秀吉

―「地元・群馬の先輩バンドの活動を見ていたから、自主でやることもある種必然のように感じた」って、前に話してくれましたよね。

秀吉:そうですね。G-FREAK FACTORYとかLACCO TOWERとか、そういう先輩たちが不遇の時代を経て、今はすごくいい状態になっているのを見てきたんです。G-FREAKなんて、40歳過ぎて「今が一番売れてる」って言ってましたからね。そう考えると、結成10年なんてまだまだだなって。だったら、自分たちでやれることは自分たちで一からやっていこうという感覚でした。

―えつこさんも、専門学校時代に結成したバンド「katyusha」として、事務所に所属しながら活動していた時期もあったそうですね。

えつこ:20歳のときにYAMAHAの大会(『YAMAHA 2nd Music Revolution』)に出させてもらって、東京ファイナルで1位になって全国大会まで行ったりもしたので、「katyushaいいね、一緒にやろうよ」と言ってくださる方が何人かいたんですけど、どうも上手くいかなくて。

―サポートの仕事はどういうきっかけだったんですか?

えつこ:事務所を転々としていて、「どうすればいいんだろう?」と思っていたときに、先輩のアルカラのレコーディングの仕事をいただいて、何本かライブも一緒にやらせてもらったんです。そこで初めて大きな舞台でのサポートを経験させてもらって、人のバックで音楽を飾りつける仕事も素敵だなって思ったんですよね。

えつこ

―今に至るきっかけはアルカラのサポートだったんですね。

えつこ:その後も横のつながりでHUSKING BEEに参加させてもらったり、今はindigo la End(以下、インディゴ)やゲスの極み乙女。(以下、ゲス)に参加させてもらって、毎日充実した生活を送らせてもらっています。自分の音楽だけでやりたい気持ちもあったけど、今は今で、別の形だけど音楽を仕事にできてるし、それを喜んでくれる人がいるから、すごくやりがいを感じていますね。

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リリース情報

秀吉『ロックンロール』
秀吉
『ロックンロール』(CD)

2016年8月3日(水)発売
価格:2,500円(税込)
SRSB-005

1. 明日はない
2. 叫び
3. 潮騒
4. 明けない夜
5. ヌル
6. ナイフ
7. はなればなれのそのあとで
8. ロックンロール
9. メリーゴーランド
10. まっくらやみの中で

イベント情報

『秀吉のロックンロールツアー!』

2016年8月20日(土)
会場:東京都 新代田 FEVER

2016年8月28日(日)
会場:福島県 郡山 CLUB #9

2016年9月2日(金)
会場:宮城県 仙台 enn 2nd

2016年9月3日(土)
会場:福島県 福島 OUT LINE

2016年9月9日(金)
会場:茨城県 水戸 LIGHT HOUSE

2016年9月10日(土)
会場:栃木県 宇都宮 HELLO DOLLY

2016年9月30日(金)
会場:大阪県 心斎橋 Pangea

2016年10月1日(土)
会場:富山県 富山 MAIRO

2016年10月10日(月・祝)
会場:埼玉県 熊谷 MORTAR RECORD 2F

2016年10月15日(土)
会場:山梨県 甲府 KAZOO HALL

2016年10月23日(日)
会場:北海道 札幌 SPIRITUAL LOUNGE

2016年10月29日(土)
会場:千葉県 稲毛 K's Dream

2016年11月5日(土)
会場:滋賀県 大津 B-FLAT

2016年11月11日(金)
会場:愛知県 名古屋 CLUB ROCK'N'ROLL

2016年11月13日(日)
会場:長野県 長野 J

2016年11月20日(日)
会場:神奈川県 横浜 club Lizard

2016年11月23日(水・祝)
会場:新潟県 新潟 CLUB RIVERST

2016年11月26日(土)
会場:広島県 広島 4.14

2016年11月27日(日)
会場:福岡県 福岡 UTERO

2016年12月4日(日)
会場:群馬県 高崎 club FLEEZ

プロフィール

秀吉
秀吉(ひでよし)

柿澤秀吉(Vo,Gt)、町田龍哉(Ba)、神保哲也(Dr)によって、群馬で結成された3ピースロックバンド。その異色のバンド名はVo&Gt柿澤秀吉の本名によるもの。群を抜いたメロディーセンスと圧倒的なバンドサウンド。優しさと力強さを兼ね備えた歌声、独特な歌詞世界が胸を打つ。2008年にアルバム『へそのお』でデビュー。2010年には宮崎あおい主演映画『ソラニン』の挿入歌に抜擢され、同年発表された『むだい』のジャケットアートワークを浅野いにおが手がけ話題となる。2014年12月に自主レーベルを発足。2016年には突如クラウドファンディングで新作の製作を行うことを発表し、結果目標人数252%達成という快挙を成し遂げる。ファンと共に作り上げた待望のフルアルバム『ロックンロール』が8月3日にリリース。

えつこ

東京都生まれ。ピアノ教師である母親の影響でピアノを始め、高校文化祭でのバンドブームの影響で歌を始める。卒業後は音楽の専門学校に入学。本格的に音楽を志し始める。19歳のとき、小学校からの幼なじみと、その先輩からの誘いにより、バンド「katyusha(カチューシャ)」を結成。専門学校の応募枠で挑戦した『YAMAHA 2nd Music Revolution』にて、7699組中の17組に残る。しかし、その後バンドメンバーが脱退。名前はそのまま残し、ソロ名義に変更。地道に活動を続ける。アルカラ、HUSKING BEE、ゲスの極み乙女。、indigo la Endなど、他のアーティストのサポート業も行っている。

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