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ONE OK ROCKの現在地から考える、海外で勝負できる日本人の音

ONE OK ROCK『Ambitions』
テキスト
兵庫慎司
編集:矢島由佳子
ONE OK ROCKの現在地から考える、海外で勝負できる日本人の音
撮影:JulenPhoto

新作『Ambitions』は、単なる「海外仕様」ではない

アメリカ進出の第一歩だった前作『35xxxv』(2015年)には、まだ残っていた――というか、あえて残していたところもあると思うが――日本っぽい情緒的なメロディーや曲展開を取り去ったアルバム。

演奏も、アレンジも、それぞれの楽器やシーケンス等の録り音も、どの音がどのタイミングでどの位置で鳴っているかなどの細部まで含めて、本当に海外仕様な、ワールドワイドクラスなスケールの鳴り方をしているアルバム。そういった音像でありながら、緻密さや精巧よりも、豪快で荒々しいグルーヴを聴き手にぐっさりと残すアルバム。

そして。2015年から活動の軸足をアメリカに移したことも含めて、このアルバムからはある程度、国内のファンが振り落とされていってもやむを得ない、それでもこっちに進むのが正しいんだ、という決意までして、腹をくくって作ったアルバム。

本人たちの発言や、現在バンドを取り巻く状況を鑑みた上で、ONE OK ROCKのニューアルバム『Ambitions』を位置づけるなら、そんなような作品だ、ということになるのだろう。しかし、国内の聴き手は、結果的に誰も振り落とされないのではないか。みんなただただ狂喜するばかりなのではないか。そう思えてくる、何度も聴けば聴くほど。

ONE OK ROCK『Ambitions』ジャケット
ONE OK ROCK『Ambitions』ジャケット(Amazonで見る

ここには、日本でヒットした洋楽バンドの「メロディー感」がある

完全海外仕様を目指しても、そのために自らのドメスティックな要素を除外したとしても、それであってもどうしても曲ににじんでしまう、自然に出てしまう、(言葉が平易で申し訳ないが)日本的な叙情性みたいなもの。ここまででっかいスケールの音のアルバムになっても、それが感じられるのである。

しかも、ストレートにそうなのではなくて……かなり変なたとえだが、1970年代や80年代の頃から、デビューの時点で「これ日本でウケそうだなあ」と思わせるメロディーを書く洋楽ロックバンドがいくつかいた。そういったバンドは、先に日本で火がついて、そのあと本国でブレイクしたりした。というようなバンドたちに近い、なんというか、ナチュラルなハードルの低さというか、聴き手を拒絶しない匂いがあるのだ、このアルバムのONE OK ROCKのメロディーは。

QUEENもCheap Trickも、最初に売れたのは日本で、そのあと本国でも認められた――という有名な例に関しては、僕は時代的に間に合わなかったのだが、自分がリアルタイムで知っている例を挙げるなら、BON JOVIがデビューした時、「うわ、これ日本でウケそうだ」と思ったらやっぱり熱烈に歓迎されて、その2年後くらいにアメリカでブレイクした例を思い出す。

と書いてみて自分で思った。全然似てねえよ、初期BON JOVIのメロディーとONE OK ROCKのメロディー。QUEENともCheap Trickとも似てねえよ、もちろん。でも「ハードルの低さ」、あるいは「聴き手を拒絶しなさ」を持っている叙情的なメロディー、というふうに言えば、やはり、通じるものはないことはないような気がする。

「懐かしいメロディー」ということではない。海外産だけどなぜか日本にハマる、という意味合いである(もちろんONE OK ROCKは海外産ではないが、ロサンゼルスを拠点に録音された今作は、ある意味海外産だと言っていいと思う)。

過去に海外進出を果たしたアーティストの発言から考える、ONE OK ROCKの可能性

そして、そういうアルバムだからこそ、逆にインターナショナルな規模でも可能性を感じる、というところがある。あたりまえだが、インターナショナルなレベルまで「上げる」ことと「合わせる」ことは別ものだ。で、もっとあたりまえだが、海外のロックファンは「海外と同じもの」を日本のロックバンドに求めているわけではなくて、「日本にしかないもの」「そのバンドにしかないもの」こそを聴きたいと思っている。これらは、実際に海外に行ったアーティストがよく言うことだ。

「これワールドワイド仕様でしょう!」という音で海外へ出ていったが、いまいちハマらなかった例もある。逆に、どう考えても日本でしか生まれないからこそ、海外で大ウケした例もある。

坂本九の時代から現在まで、日本のアーティストの海外進出の例はいろいろあるが、ここからのONE OK ROCKは、そのどの軌跡を辿るのでもない。まったく新しい、オリジナルな活躍のしかたを見せてくれるだろう。「うわ、そうか、こんな方法があったのか!」とびっくりさせてくれるのではないだろうか。確かに「世界レベル」とか「本格」という形容がふさわしいと思うが、そういった形容だと全然収まりきらないものも大量に搭載しているこのアルバムを聴いて、そう思った。

同曲の英語バージョンと日本語バージョン

リリース情報

ONE OK ROCK『Ambitions』初回限定盤
ONE OK ROCK
『Ambitions』初回限定盤(CD+DVD)

2017年1月11日(水)発売
価格:3,780円(税込)
AZZS-56

1. Ambitions - Introduction
2. Bombs away
3. Taking Off
4. We are
5. 20/20
6. Always coming back
7. Bedroom Warfare
8. Lost in Tonight
9. I was King
10. Listen (featuring Avril Lavigne)
11. One Way Ticket
12. Bon Voyage
13. Start Again
14. Take what you want (featuring 5 Seconds of Summer)
[DVD]
1. We are(Studio Jam Session Vol.3)
2. Bombs away(Studio Jam Session Vol.3)

ONE OK ROCK
『Ambitions』通常盤(CD)

2017年1月11日(水)発売
価格:3,240円(税込)
AZCS-1062

1. Ambitions - Introduction
2. Bombs away
3. Taking Off
4. We are
5. 20/20
6. Always coming back
7. Bedroom Warfare
8. Lost in Tonight
9. I was King
10. Listen (featuring Avril Lavigne)
11. One Way Ticket
12. Bon Voyage
13. Start Again
14. Take what you want (featuring 5 Seconds of Summer)

イベント情報

『ONE OK ROCK 2017 “Ambitions” JAPAN TOUR』

2017年2月18日(土)
会場:静岡県 静岡エコパアリーナ

2017年2月19日(日)
会場:静岡県 静岡エコパアリーナ

2017年2月22日(水)
会場:和歌山県 和歌山ビッグホエール

2017年2月25日(土)
会場:大阪府 大阪城ホール

2017年2月26日(日)
会場:大阪府 大阪城ホール

2017年3月4日(土)
会場:宮城県 宮城セキスイハイムスーパーアリーナ

2017年3月5日(日)
会場:宮城県 宮城セキスイハイムスーパーアリーナ

2017年3月8日(水)
会場:徳島県 アスティとくしま

2017年3月9日(木)
会場:徳島県 アスティとくしま

2017年3月14日(火)
会場:愛知県 名古屋 日本ガイシホール

2017年3月15日(水)
会場:愛知県 名古屋 日本ガイシホール

2017年3月18日(土)
会場:兵庫県 神戸 ワールド記念ホール

2017年3月19日(日)
会場:兵庫県 神戸 ワールド記念ホール

2017年3月25日(土)
会場:埼玉県 さいたまスーパーアリーナ

2017年3月26日(日)
会場:埼玉県 さいたまスーパーアリーナ

2017年3月31日(金)
会場:新潟県 朱鷺メッセ 新潟コンベンションセンター

2017年4月1日(土)
会場:新潟県 朱鷺メッセ 新潟コンベンションセンター

2017年4月8日(土)
会場:千葉県 幕張メッセ国際展示場9・10・11ホール

2017年4月9日(日)
会場:千葉県 幕張メッセ国際展示場9・10・11ホール

2017年4月15日(土)
会場:北海道 真駒内セキスイハイムアイスアリーナ

2017年4月16日(日)
会場:北海道 真駒内セキスイハイムアイスアリーナ

2017年4月20日(木)
会場:神奈川県 横浜アリーナ

2017年4月22日(土)
会場:神奈川県 横浜アリーナ

2017年4月23日(日)
会場:神奈川県 横浜アリーナ

2017年4月29日(土・祝)
会場:福岡県 マリンメッセ福岡

2017年4月30日(日)
会場:福岡県 マリンメッセ福岡

2017年5月4日(木・祝)
会場:沖縄県 沖縄コンベンションセンター

2017年5月5日(金・祝)
会場:沖縄県 沖縄コンベンションセンター

2017年5月11日(木)
会場:熊本県 B.9 V1

2017年5月12日(金)
会場:熊本県 B.9 V1

2017年5月16日(火)
会場:広島県 広島 グリーンアリーナ

2017年5月17日(水)
会場:広島県 広島 グリーンアリーナ

プロフィール

ONE OK ROCK
ONE OK ROCK(わん おく ろっく)

2005年にバンド結成。エモ、ロックを軸にしたサウンドとアグレッシブなライブパフォーマンスが若い世代に支持されてきた。2007年にデビューして以来、全国ライブハウスツアーや各地夏フェスを中心に積極的にライブを行う。これまでに、日本武道館、横浜アリーナ、横浜スタジアム2Days、大規模な全国アリーナツアーなどを成功させる。また、日本のみならず海外レーベルと契約をし、アルバム発売を経てアメリカ、ヨーロッパ、アジアでワールドツアーを成功させるなど世界基準バンドになってきている。2016年9月に、静岡・渚園にて2Daysで11万人を動員する大規模野外ライブを開催した。

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ハリウッドザコシショウ“ゴキブリ男(Video Edit)”

ハリウッドザコシショウの歌手デビュー曲“ゴキブリ男”のPV。石野卓球が作詞・作曲・プロデュースを手がけたと知って納得。キワモノに聴こえない仕上がりには流石の一言です。コーラスにはピエール瀧も参加しており、電気グルーヴ仕様にも俄然興味が湧く。なお、卓球は「こう言っちゃなんだけど、ゴキブリの歌が売れるわけねえだろ!」とコメント。(山元)