21世紀の女子解放論 もっともっと、気持ちいい毎日を

21世紀の女子解放論 もっともっと、気持ちいい毎日を 第1回 湯山玲子×トミヤマユキコ対談

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湯山玲子×トミヤマユキコ対談

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女性は結婚後も絶対に仕事を辞めないほうがいい

湯山玲子

心が動くって、生存のためにすごく重要。そして、最大級の刺激はほぼ対人関係から生まれる。(湯山)

トミヤマ:湯山さん、女性にとっての「仕事」についてはどう思いますか?

湯山:仕事はしたほうがいいです。結婚したあとも、絶対に。

トミヤマ:私も、学生に仕事は辞めないほうがいいって言ってます。これだけ情報化社会になってしまうと、同世代で活躍する女がいっぱい出て来ているのをネットとかで見なきゃいけないし、ベランダで育てたトマトでラタトゥイユ作って幸せ感じられるはずがないんですよ(笑)。週1でもいいから仕事をして社会と繋がっていることが、心を殺さないことに繋がると思う。会社で辛いことがあって「上司の馬鹿野郎!」って思っても、その怒りさえもが心を殺さないための活力になり得る。

湯山:そうだね。心が動くって、生存のためにすごく重要。そして、最大級の刺激はほぼ、対人関係から生まれる。

トミヤマ:「家庭」というコミュニティーでは、誰かのためにぐっと我慢しなきゃいけないことが多いけれど、会社の上司が馬鹿だったら酒飲んで愚痴ってもいいわけで。どんなかたちでもいいから、社会に居場所があるというのが、精神衛生上いいのかなと思います。

湯山:先ほどの例ではないけれど、女にとって「家庭」だけが居場所になると、自己実現も何もかも、子育てに集約してしまう危険がある。実際、子どもというのは成長して親元を離れていくわけですが、それが自分の唯一の居場所の快適な小宇宙が崩壊するような恐怖になるわけで……ちなみに、私は子どもを産まなかったけれど、私という存在が大きく人生に影響したと思われる年下男女はかなりいて、子育て育成欲はそんなことでも満たされる可能性がある。

トミヤマ: 固定観念から自由になると、知らない家の子だろうと、ある意味自分の子どもとして受け入れられるというのはよくわかります。

湯山:仕事はよくダークサイドが取りざたされるけれど、基本的に「悪くない」ものでもあるんですよ。仕事というのは、自分と全く馬が合わない嫌な人間とも付き合わなくてはダメですが、そこで苦労してやり続けていると、信頼関係が生まれて気が合わない者同士だったはずが味方にすらなる、という事実が本当に存在する。そして、ずーっとその先には人生のグランドフィナーレとしての葬式があって、みんなが自分のために泣いてくれるわけ(笑)。

トミヤマ:全人格を肯定してくれる誰かを探すんじゃなくて、仕事とか趣味とか、部分で繋がれる人をたくさん持てってことですよね。最近の女子は、早婚願望が強くて、若いうちに稼ぎのある男を捕まえたら人生安泰と思っている人が多い。Plan-Do-See(計画、実行、評価を繰り返し、課題の解決を図ること)のサイクルをめんどくさがって結婚に逃げてるんですけど、そのめんどくさそうなことがいかに面白いことだったかがわかるのは、結婚して仕事を辞めてからなんですよね。そういう人たちに「今からでも遅くないから始めようよ」って伝えられたらいいんですけど。

湯山:うん、結婚して家庭に入ってからでも遅すぎることはない。そういう人には「SNSを使えば?」っていつも言いますね。例えばコーヒーについてちょっと面白いことを言ったら、「その視点の角度に惚れた!」って人が集ってくる。1年後にはコーヒー評論家にだってなってるかもしれない。

トミヤマ:私にとっては、パンケーキがそんな感じです(笑)。

湯山:昔は仕事でしか体験できなかった喜びが、今は手軽に得られるよね。そこにカネがついてきたら、もうそれは仕事じゃん。そういう可能性に満ちているにもかかわらず、主婦で何にもできないって思い込むのは残念ですよ。

いつだって自分が人生の「主人公」であるべき

トミヤマユキコ

人生は、自分の中にある「いろんな私」を育てていく「育成ゲーム」ですよ。(トミヤマ)

トミヤマ:人生は、自分の中にある「いろんな私」を育てていく「育成ゲーム」ですよ。ゲームに失敗することは怖いかもしれないけど、「この私」はダメでも「あの私」はうまく育つってこともあるし。

湯山:自分が人生の主人公になることが大切。承認欲ってみんな持っているものだから、どうせそれがあるのであれば、「なんちゃって」じゃなくて本格的にやってみたらいいんじゃない?

トミヤマ:旦那さんに愛してもらえるのは最高だけど、たった1人の男の愛にすがって生きていかなきゃって考える必要はないですよね。湯山さんの場合、文章でも、知識でも、身につけている指輪でも褒められて、みんながくれる小さな愛をダイソン掃除機のような強い吸引力で「ザーっ!」と吸って、自分の幸せに変えていく。それって、1人当たりにかかる愛の負担も少ないから、お互いにとっていい愛の在り方になると思います。

湯山:いいこと言いますね。ちなみに、愛されたいという欲求を1人の男に限定した先に待っているのは、束縛とDVですよ。先ほどから言っているように、男性からは「1人の女性を、『男として』目一杯愛さなければいけない」なんていう漫画『花の慶次』(原哲夫)的パワーを持った人なんていないから。いくらパワーがあっても、女の欲求のほうがはるかに大きい。そして、それが息子に行っちゃうと、もう……。

トミヤマ:夫への愛がないとなると、全部子どもに向かいますからね。全力で甘やかし続けた結果、足腰の弱い子ができあがる。

湯山:今話題の新書『ルポ 中年童貞』(中村淳彦 / 幻冬舎新書)はそのあたりに言及していますね。

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