2021年で4回目の開催となる『やんばるアートフェスティバル』は、自然豊かな沖縄北部のやんばるエリアを会場とする地域芸術祭。
会場となる「山原(やんばる)」は、文字どおりの亜熱帯の森のほか、美しい河川も流れる自然豊かなエリアで、そのほとんどが国立公園に指定されているほど。海やビーチとはまた違う沖縄の魅力が、近年多くの人を惹きつけています。
『やんばるアートフェスティバル』では、現代アート作品の展示だけでなく、やちむん(陶器)や木工などを手掛ける沖縄の工芸作家を一堂に集め、その作品を実際に購入できるのも大きな特徴。そこで今回は『やんばるアートフェスティバル』と一緒に楽しめる、ローカルな工芸作家を扱うお店や工房をご紹介します。
※本記事は『HereNow』にて過去に掲載された記事です。
琉球藍で染められた暮らしの道具たち。森に溶け込む工房『藍風』
名護市中心部から車で約20分、山間の急な坂道を登っていくとたどり着くのが、琉球藍染め工房『藍風』。正面には藍染を体験できる工房があり、階段を登っていくとカフェ&ギャラリーショップがある。
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工房の庭に目をやると、琉球藍の葉が風に揺れている。近隣の農家さんから仕入れたり、自分たちで育てたりした琉球藍の葉からつくった泥藍で染めているそう。そのほかフクギや月桃など、沖縄ではおなじみの植物での染物も。衣服や手ぬぐい、マスク、アクセサリーなど、暮らしに寄りそうものをつくっている。
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抗菌作用があるだけでなく、人の目に好ましい藍色は、不思議と見ているだけでも心が落ち着く。
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「山奥までいらっしゃった方に、ちょっとくつろいだり、楽しんでもらうために」と開かれているカフェ&ギャラリーでは、そんな『藍風』のオリジナル商品のほか、店主のあらきみずえさんがセレクトしたさまざまなクラフトが販売されている。
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地元のつくり手たちによる竹細工の籠や、パイナップルにも似た亜熱帯、熱帯エリアの植物・アダンでつくられた雑貨など、やんばるの暮らしのなかで生まれたクラフトは、どこかおおらかで自由。
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テラス席に座って風に吹かれれば心地良く、自然のエネルギーを感じられる。やんばるの自然とクラフトに触れ、のんびりと過ごすのにおすすめです。
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藍風
住所 :沖縄県国頭郡本部町伊豆味3417-6
営業時間 :11:00~17:00
定休日 :火曜、水曜
電話 :0980-47-5583
駐車場 :あり
URL : https://www.aikaze.okinawa
世界遺産にもほど近い、木工所をリノベして生まれたカフェ『波羅蜜・PARAMITA』
のどかな風景とうつくしい海、世界文化遺産「琉球王国のグスク及び関連遺産群」のひとつである『今帰仁城跡(なきじんぐすく)』のある「やんばる」のなかでも人気のエリア「今帰仁村(なきじんそん)」
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その仲宗根という集落のなかに『波羅蜜・PARAMITA』というカフェがある。もともとは木工所だったというコンクリートづくりの建物を、2年の歳月をかけてオーナーの西郡潤士さんが家族とともにリノベーションした。
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天井が高く、沖縄らしいコンクリートブロックと手づくりの木の椅子やテーブル、入り口付近に無造作に置かれた植物たちが絶妙なバランスで共存し、窓からやさしく差し込む日差しが空間の美しさを際立たせる。沖縄のもの、自分でつくったもの、旅のなかで仕入れてきたものが混じり合う。
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料理は妻の根本きこさんが担当。地元のもの、旬のものを中心に日替わりのプレートで。潤士さんは珈琲やスイーツを担当している。
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この日提供してもらったチャイは、沖縄の陶芸家たちの工房が集まる『やちむんの里』で購入したポットで。カップとチーズケーキのお皿は読谷村にアトリエを構える『nakamurakenoshigoto』、プリンは那覇市のデザインショップ『Luft shop』オリジナルのお皿に乗せて。
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使いやすさやデザインはもちろん、「絵でたとえるとキャンバスだと思うので、気をてらわずに、料理が映えるものを選んでいる」という器たち。なるほど潤士さんの言葉どおり、出される料理やスイーツは、アートのような佇まいの美しささえ感じさせる。
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波羅蜜・PARAMITA
住所 :沖縄県国頭郡今帰仁村仲宗根278-3
営業時間 :10:00~16:00
定休日 :火曜、水曜、木曜
電話 :090-8511-0607
駐車場 :あり
URL : https://www.instagram.com/paramitajunji/
畑と台所がつながる「旬」の料理を提供したい。毎日メニューが変わる『笑味の店』
長寿の村として知られる国頭半島西部の大宜味村。名護市中心部から車で約50分、海沿いの国道58号を北上するとたどり着く『笑味の店』。お店の前は通りを挟んで海が広がり、裏には畑もある。
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店主の笑子さんは、自らの畑で収穫したものや、地域の農家さんたちから譲り受けた旬の野菜を使って、昔ながらの優しい味わいの料理をつくる。地域のもので、旬のもの。おじぃおばぁがしてきたような、畑と台所がつながる昔ながらの暮らしや料理を伝えたくて、1990年にお店をオープンした。
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「まかちぃくみそぅれ」はウチナーグチ(沖縄の方言)で、「お任せください」という意味。折々の季節で旬の食材が違うから、毎日少しずつ素材やメニューが変わるのだ。苦菜、雲南百薬、フーチバー、パパイヤ、すもも、シークァーサー、パッションフルーツなどなど、沖縄ならではの素材を楽しむことができる。
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「料理が庶民の素朴なものだから、少し豪華に見えるかね」と、器は少し華やかなものを選ぶ。年に一度開催される大宜味村の工芸家を集めたクラフトフェア『いぎみてぃ ぐま』で購入したり、大宜見村に工房を構える「田村窯」や「工房 福田」などつくり手に直接注文したり。「ここのものしか使いませんよ」と。
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畑と台所がつながる、その暮らしにそっと寄り添うやちむんに触れることができる。沖縄の昔ながらの暮らしの一端が、このお店で感じることができる。
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笑味の店
住所 :沖縄県国頭郡大宜味村字大兼久61
営業時間 :9:00~17:00
定休日 :火曜、水曜、木曜
電話 :0980-44-3220
駐車場 :あり
URL : https://eminomise.com
やんばるのクラフトが勢揃い。自分でセレクトする楽しさが味わえる『山原工藝店』
耐熱ガラスをバーナーで溶かしてつくられた、亀や海ぶどうなどの可愛らしいアクセサリーは『耐熱ガラス工房・Araruna』の津田亮さんによるもの。カラフルで大胆な絵柄で人気のかばんやストールは、『天底びんがた工房』の宮城友紀さんのもの。
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さらにはユーモアセンスあふれる作家「meimei」のアクセサリーなど、見ているだけで楽しい気分になる自由な作品が並ぶ『山原工藝店』。その名のとおり「やんばる」を拠点に活動するつくり手の作品が並ぶ店だ。
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店主の山上晶子さんは、陶芸家である夫の學さんとともに16年前に来沖。「やんばるのつくり手たちの作品に地元でまとめて触れられる場がなかった」と、2017年にこのお店をオープンした。
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「セレクトショップではないんです」と山上さん。お店のセンスで予め作品を厳選して並べている、ということではなく、お客さんには「やんばる」の自然から生まれた自由で個性的な作品たちを「自分でセレクトする楽しさ」を味わってほしいという。
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やちむんに紅型、ガラスや染物など、たくさんのやんばるのクラフトにであえる、唯一のお店。ゆっくり吟味して、あなたにとってのお気に入りをぜひ見つけてみて。
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山原工藝店
住所 :沖縄県国頭郡国頭村浜521
営業時間 :11:00~18:00
定休日 :火曜
電話 :0980-41-3070
駐車場 :あり
URL : https://www.instagram.com/yambarucraftworks/
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やんばるアートフェスティバル 2020-2021
今年で4回目の開催となる、自然豊かな沖縄本島北部地域を会場とする地域芸術祭。現代アートと沖縄のクラフトをキーコンテンツに、やんばるでしか観ることのできないアート展示や、やちむん(陶器)、木工などクラフト商品の展示販売も行われる。
期間:2021年1月23日(土)~ 2月21日(日)
会場:沖縄県本島北部地域の各会場
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