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WANIMAの歌が人の痛みに寄り添う理由。最新作までの道程を綴る

WANIMAの歌が人の痛みに寄り添う理由。最新作までの道程を綴る

WANIMA
テキスト・編集
矢島大地(CINRA.NET編集部)
撮影:瀧本JON...行秀
2019/10/31

昨年は『Everybody!!』が35万枚以上の売り上げを記録し、そのリリースツアーは、ファイナルのメットライフドーム2days公演を含めて20万人を動員した。そうしてデビューからたったの5年弱で、名実ともに「みんなの歌」へと駆け上がったWANIMAだが、その状況とは裏腹に、今年3月にリリースされた4thシングル『Good Job!!』では<このままじゃ終われないから>(“アゲイン”)という切迫した言葉が歌われ、劇場版『ONE PIECE STAMPEDE』の主題歌となった“GONG”には、<生まれてきたこと恨んでいた時も あったけれど>という、KENTAの歌に滲んできた痛みの根源を感じさせる言葉が曝け出されていた。より一層巨大化していく状況と歌の輪の中にあって、さらに深く自身の人生に向き合い告白する歌を放ってきたのが2019年のWANIMAだった。

その歌に宿ってきた異様なほどの「痛み」と、痛みを知るからこそ人に寄り添おうとする「優しさ」。それらすべての原風景になっているであろう故郷・天草への凱旋ライブが行われたことをはじめ、彼らにとっての原点を再確認するように走ってきたWANIMA。10月23日にリリースされ、2作連続となる週間チャート1位を獲得した2ndアルバム『COMINATCHA!!』(カミナッチャ!!)までの軌跡を総ざらいすることで、改めてWANIMAの歌の本質を探った。

故郷・天草のライブを前に改めて見つめ直した「WANIMAの歌が宿す情景」

2019年7月6日。3月にリリースした4thシングル『Good Job!!』のリリースパーティーとして、KENTAとKO-SHINの生まれ故郷である熊本県・天草でライブが開催された。

この『“WANIMA 天草の乱~「﨑津集落」世界遺産登録1周年~”』が行われた本渡町広瀬で暮らしているのは約3210人とのことだが、なんとこの日のライブに訪れたのは、1万5000人。普段は草原と海だけが広がる大矢崎緑地公園に、天草中はもちろん、本州からもラスタカラーを身につけたリスナーが多く集った。しかも本公演のタイトル通り、天草の﨑津集落が世界遺産に登録されてからの1周年を記念したライブということもあって、ステージエリアの外には地元の有志によって運営される入場無料のお祭り広場までが開かれていた。WANIMAの歌が日本中の人にとっての拠り所になったことは言うまでもないが、その歌・存在は天草中の人にとっての誇りでもあるのだと感じさせる、「のどかなお祭り騒ぎ」が早い時間から繰り広げられていた。

左から:FUJI、KENTA、KO-SHIN<br>プロフィール:WANIMA(わにま)<br>KENTA(Vo,Ba)、KO-SHIN(Gt,Cho)、FUJI(Dr,Cho)による、熊本県出身の3ピースロックバンド。2010年結成。2014年10月、PIZZA OF DEATH RECORDSから『Can Not Behaved!!』でデビュー。2017年5月よりunBORDEとタッグを組み、2018年1月にリリースしたメジャー1stフルアルバム『Everybody!!』は35万枚を超えるセールスを記録。同作のツアーファイナルでは、メットライフドーム2daysで7万人を動員した。2019年3月6日に4thシングル『Good Job!!』をリリース、さらに7月17日には5th『Summer Trap!!』を発表し、10月23日には2ndアルバム『COMINATCHA!!』をリリースし、アルバムとして2作連続で週間チャート1位を獲得。
左から:FUJI、KENTA、KO-SHIN
プロフィール:WANIMA(わにま)
KENTA(Vo,Ba)、KO-SHIN(Gt,Cho)、FUJI(Dr,Cho)による、熊本県出身の3ピースロックバンド。2010年結成。2014年10月、PIZZA OF DEATH RECORDSから『Can Not Behaved!!』でデビュー。2017年5月よりunBORDEとタッグを組み、2018年1月にリリースしたメジャー1stフルアルバム『Everybody!!』は35万枚を超えるセールスを記録。同作のツアーファイナルでは、メットライフドーム2daysで7万人を動員した。2019年3月6日に4thシングル『Good Job!!』をリリース、さらに7月17日には5th『Summer Trap!!』を発表し、10月23日には2ndアルバム『COMINATCHA!!』をリリースし、アルバムとして2作連続で週間チャート1位を獲得。

交通の便から見て、天草は非常に出にくい場所だ。しかしそこに1万人もの観衆が集ったのは、WANIMAの歌の核心には強烈な「故郷への想い」があることを理解している人が多かったからだろう。

その「故郷への想い」とはなんなのか。たとえばWANIMAの名が知れ渡るきっかけになった“1106”。KENTAの育て親であった祖父が亡くなったことをきっかけに創られたこの歌が、天草の情景そのままの雄大なメロディを宿していたことが表していた通り、KENTAの大きな歌は、常に還るべき場所を想い、あるいは目指すようにして生まれてくることが多かった。

KENTA<br>2019年7月6日 天草公演より
KENTA
2019年7月6日 天草公演より

そこに綴られた<想うように歌えばいいと>というラインはKENTAが亡き祖父にかけられたという言葉だが、その言葉が彼の心の拠り所になってきたからこそ、WANIMAがunBORDEとのタッグ結成を飾った“CHARM”では「今度はWANIMAの歌があなたの還る場所になる」という覚悟が大きなメロディへと繋がり、“シグナル”の<好きにやって駄目なら戻って来い>という突き抜けたエールが生まれた。実際、以前彼らにインタビューした際、KENTAは「いつも天草を思って、忘れないように歌っている」と話してくれたことがある。WANIMAの歌に宿る郷愁と土着感の背景には、故郷――つまり自分を形成した日々を忘れないという想いがある。人を選ばぬ「みんなの歌」として受け入れられていくのもきっと、その歌に誰もが己の故郷を想起したり、自身の人生をそのまま重ねたりするからなのだと思う。

WANIMA『Everybody!!』を聴く(Apple Musicはこちら

そして、WANIMAが「心の故郷」を歌い続けるのはなぜか。故郷を象徴にした「生きてきた道のり」の上に、未だ拭えぬ巨大な痛みと闇と傷が残り続けているからだ。その痛みに軋む心を癒したくて、「壊れてしまった何か」を元の形にしたくて、溢れてきた涙の数々も肯定したくて、その傷を花火のようなメロディで打ち上げて、供養するように彼らは歌う。逆に言えば、痛みの土砂降りに耐えてきた道のりこそが、ひたすら前へ走る強さと自負になってWANIMAの歌を支えているのだと思う。今や彼らを代表するアンセムになった“ともに”が<どれだけ過去が暗くて辛くても>から始まるように、最新曲である“夏のどこかへ”でも<悲しみ脱ぎ捨て 何度も / 誰よりも照らせ太陽>と切り出すように、WANIMAの笑顔と明るさの奥にあるのは、楽観でもでもなんでもなく、未だ得体の知れない傷だらけの過去をこれからの人生によって超え、赦そうとする心なのだ。

2019年7月6日 天草公演より
2019年7月6日 天草公演より
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リリース情報

WANIMA『COMINATCHA!!』初回限定版
WANIMA
『COMINATCHA!!』初回限定版(CD+DVD+フォトブック)

2019年10月23日(水)発売
価格:4,400円(税込)
WPZL-31671/2

[CD]
1. JOY
2. 夏のどこかへ
3. Like a Fire
4. BOUNCE
5. GONG
6. 宝物
7. シャララ
8. BROTHER
9. Drive
10. Baby Sniper
11. 渚の泡沫
12. ここに
13. りんどう
14. アゲイン
15. GET DOWN

[DVD]
『1 CHANCE DISC』
「Good Job!! Release Party」の面影@県立幕張海浜公園S2O JAPAN特設会場
1. オドルヨル
2. ANSWER
3. リベンジ
4. エル
5. ともに
6. 花火

プロフィール

WANIMA
WANIMA(わにま)

KENTA(Vo,Ba)、KO-SHIN(Gt,Cho)、FUJI(Dr,Cho)による、熊本県出身の3ピースロックバンド。2010年結成。2014年10月、PIZZA OF DEATH RECORDSから『Can Not Behaved!!』でデビュー。2017年5月よりunBORDEとタッグを組み、2018年1月にリリースしたメジャー1stフルアルバム『Everybody!!』は35万枚を超えるセールスを記録。同作のツアーファイナルでは、メットライフドーム2daysで7万人を動員した。2019年3月6日にシングル『Good Job!!』をリリース、さらに7月17日には『Summer Trap!!』を発表し、10月23日には2ndアルバム『COMINATCHA!!』をリリース。この作品で「Everybody!!」に続き2作連続オリコンチャート週間1位を獲得。

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