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ジョン・レノンが時代に残す闘いの爪痕、ヨーコがもたらしたもの

ジョン・レノンが時代に残す闘いの爪痕、ヨーコがもたらしたもの

『IMAGINE<イマジン>』
テキスト
村尾泰郎
野中モモ
リードテキスト・編集:山元翔一(CINRA.NET編集部)

「若い頃の写真を見ると、僕はマーロン・ブランドのようになりたい自分と、繊細な詩人、つまりオスカー・ワイルドのようにしなやかで女性的な自分とに引き裂かれていた。その二つの間で常に揺れ動いていて、大抵は男らしい方を選んでいたんだ。もう片方の自分を見せるなんて、死も同然だったから」

ジョン・レノン生誕80年目を迎えた10月9日から行われている展覧会『DOUBLE FANTASY - John & Yoko』の会場の一角に、こんなテキストが記されていた。これは『Rolling Stone』誌によるジョン・レノン生前最後のインタビューで語られた言葉として知られている。ジョンが女性的な面(feminine side)と男性的な面(macho side)の間で苦しんでいたことは、『女性上位万歳』で女性解放運動を歌ったオノ・ヨーコとの数々の活動も踏まえて、極めて現代的な意味を持っていると考えていいはずだ。「Toxic masculinity(有害な男らしさ)」なんて言葉がなかったであろう時代から、ジョン・ウィンストン・オノ・レノンという男は孤独に闘っていた。その足跡は、一人の男性が自らの魂に植え付けられた「有害な男らしさ」という毒を取り除こうとする解毒の歴史でもあったのではないか。2020年の今なら、そんなふうに捉えられるように思う。

本稿の目的は、そもそも札付きの不良で、愛と平和の大使、永遠のロックアイコンなど様々な顔を持つジョン・レノンを、2020年的な感性とリアリティを通じて見つめること。書き手に村尾泰郎と野中モモを招き、ジョンという一人の男が時代に残した闘いの爪痕に触れることを試みた。展覧会のみならず、新たなベスト盤『Gimme Some Truth.』のリリース、そしてジョン&ヨーコの生きた時間を鮮烈に捉えた映画『IMAGINE<イマジン>』の国内初の劇場公開と、2020年はジョン・レノンという人に触れるよい機会かもしれない。この記事を通じて、あなたのなかにジョン・レノンに向ける新たな視点が生まれることを願って。

左から:ジョン・レノン、オノ・ヨーコ / ©2018 YOKO ONO LENNON<br>ジョン・レノン<br>1940年10月9日、英リバプール生まれ。1960年代はThe Beatlesのメンバーとして活躍。1966年、オノ・ヨーコと出会い、1969年3月結婚。二人は共作したコンセプチュアルアート『Acorn Peace(平和のどんぐり)』『Bed In(ベッド・イン)』『WAR IS OVER! (if you want it)』などの平和運動とともに、『Give Peace A Chance(平和を我等に)』発表後、Plastic Ono Bandとして活動。The Beatles解散後の1970年『John Lennon/Plastic Ono Band(ジョンの魂)』を発表しソロキャリアをスタート。1975年、息子ショーンが生まれた事を機に主夫として生活、しばらく音楽活動を離れる。1980年、5年の沈黙を破りジョン&ヨーコ名義での『Double Fantasy』で音楽シーンに再登場。しかし、リリース直後の12月8日、凶弾に倒れ悲劇的な死を迎える。享年40歳。<br><br>オノ・ヨーコ<br>1933年2月18日、東京都生まれ。1950年代後半よりNYで芸術活動を開始。コンセプチュアル・アートの先駆者、前衛芸術家、音楽家として60年以上にわたり全世界へ向けてメッセージを発信し続ける。1964年『Grapefruit(グレープフルーツ)』を出版。1966年、ロンドンのインディカ・ギャラリーで開催した個展でジョン・レノンと出会い、その後共に音楽・芸術活動を行なう。ジョンは生前“Imagine”は『グレープフルーツ』から着想を得ていたと語っており、1971年のリリースから46年後の2017年にジョンの希望通り、ヨーコの名前が共作者として正式にクレジットされるに至った。一貫してアートと日常生活の境界を崩すことを試み、彼女ならではの前衛的な方法で愛と平和を訴え続けている。
左から:ジョン・レノン、オノ・ヨーコ / ©2018 YOKO ONO LENNON
ジョン・レノン
1940年10月9日、英リバプール生まれ。1960年代はThe Beatlesのメンバーとして活躍。1966年、オノ・ヨーコと出会い、1969年3月結婚。二人は共作したコンセプチュアルアート『Acorn Peace(平和のどんぐり)』『Bed In(ベッド・イン)』『WAR IS OVER! (if you want it)』などの平和運動とともに、『Give Peace A Chance(平和を我等に)』発表後、Plastic Ono Bandとして活動。The Beatles解散後の1970年『John Lennon/Plastic Ono Band(ジョンの魂)』を発表しソロキャリアをスタート。1975年、息子ショーンが生まれた事を機に主夫として生活、しばらく音楽活動を離れる。1980年、5年の沈黙を破りジョン&ヨーコ名義での『Double Fantasy』で音楽シーンに再登場。しかし、リリース直後の12月8日、凶弾に倒れ悲劇的な死を迎える。享年40歳。

オノ・ヨーコ
1933年2月18日、東京都生まれ。1950年代後半よりNYで芸術活動を開始。コンセプチュアル・アートの先駆者、前衛芸術家、音楽家として60年以上にわたり全世界へ向けてメッセージを発信し続ける。1964年『Grapefruit(グレープフルーツ)』を出版。1966年、ロンドンのインディカ・ギャラリーで開催した個展でジョン・レノンと出会い、その後共に音楽・芸術活動を行なう。ジョンは生前“Imagine”は『グレープフルーツ』から着想を得ていたと語っており、1971年のリリースから46年後の2017年にジョンの希望通り、ヨーコの名前が共作者として正式にクレジットされるに至った。一貫してアートと日常生活の境界を崩すことを試み、彼女ならではの前衛的な方法で愛と平和を訴え続けている。
ジョン・レノン『Gimme Some Truth.』を聴く(Apple Musicはこちら

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作品情報

『IMAGINE<イマジン>』
『IMAGINE<イマジン>』

2020年10月9日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国順次公開

監督:ジョン・レノン、オノ・ヨーコ
出演:
ジョン・レノン
オノ・ヨーコ
ジョージ・ハリスン
アンディ・ウォーホル
フィル・スペクター

リリース情報

ジョン・レノン
『Gimme Some Truth.』(2CD+1Blu-ray)輸入国内盤仕様・完全生産盤

2020年10月9日(金)発売
価格:9,350円(税込)
UICY-79255

[CD1]
1. Instant Karma!(We All Shine On)
2. Cold Turkey
3. Working Class Hero
4. Isolation
5. Love
6. God
7. Power To The People
8. Imagine
9. Jealous Guy
10. Gimme Some Truth
11. Oh My Love
12. How Do You Sleep?
13. Oh Yoko!
14. Angela
15. Come Together(live)
16. Mind Games
17. Out The Blue
18. I Know(I Know)

[CD2]
1. Whatever Gets You Thru The Night(w Elton John)
2. Bless You
3. #9 Dream
4. Steel And Glass
5. Stand By Me
6. Angel Baby
7. (Just Like)Starting Over
8. I'm Losing You
9. Beautiful Boy(Darling Boy)
10. Watching the Wheels
11. Woman
12. Dear Yoko
13. Every Man Has A Woman Who Loves Him
14. Nobody Told Me
15. I'm Stepping Out
16. Grow Old with Me
17. Give Peace a Chance
18. Happy Xmas(War Is Over)

[Blu-ray Audio]
1. HDステレオ・オーディオ・ミックス(24bit/96kHz)
2. HD5.1サラウンド・サウンド・ミックス(24bit/96kHxz)
3. HDドルビー・アトモス・ミックス
※36曲(CD1&CD2)のHDオーディオを収録

ジョン・レノン
『Gimme Some Truth.』(2CD)

2020年10月9日(金)発売
価格:3,960円(税込)
UICY-15941/2

[CD1]
1. Instant Karma!(We All Shine On)
2. Cold Turkey
3. Working Class Hero
4. Isolation
5. Love
6. God
7. Power To The People
8. Imagine
9. Jealous Guy
10. Gimme Some Truth
11. Oh My Love
12. How Do You Sleep?
13. Oh Yoko!
14. Angela
15. Come Together(live)
16. Mind Games
17. Out The Blue
18. I Know(I Know)

[CD2]
1. Whatever Gets You Thru The Night(w Elton John)
2. Bless You
3. #9 Dream
4. Steel And Glass
5. Stand By Me
6. Angel Baby
7. (Just Like)Starting Over
8. I'm Losing You
9. Beautiful Boy(Darling Boy)
10. Watching the Wheels
11. Woman
12. Dear Yoko
13. Every Man Has A Woman Who Loves Him
14. Nobody Told Me
15. I'm Stepping Out
16. Grow Old with Me
17. Give Peace a Chance
18. Happy Xmas(War Is Over)

ジョン・レノン
『Gimme Some Truth.』(CD)

2020年10月9日(金)発売
価格:2,750円(税込)
UICY-15940

1. Instant Karma!(We All Shine On)
2. Cold Turkey
3. Isolation
4. Power To The People
5. Imagine
6. Jealous Guy
7. Gimme Some Truth
8. Come Together(live)
9. #9 Dream
10. Mind Games
11. Whatever Gets You Thru The Night(w Elton John)
12. Stand By Me
13. (Just Like)Starting Over
14. Beautiful Boy(Darling Boy)
15. Watching the Wheels
16. Woman
17. Grow Old with MeO
18. Give Peace a Chance
19. Happy Xmas(War Is Over)

イベント情報

『DOUBLE FANTASY – John & Yoko』

2020年10月9日(金)~2021年1月11日(月・祝)予定
会場:東京都 ソニーミュージック六本木ミュージアム

プロフィール

ジョン・レノン

1940年10月9日、英リバプール生まれ。1960年代はThe Beatlesのメンバーとして活躍、史上最高のロックンローラー。1966年、オノ・ヨーコと出会い、1969年3月結婚。二人は共作したコンセプチュアルアート『Acorn Peace(平和のどんぐり)』『Bed In(ベッド・イン)』『WAR IS OVER!(if you want it)』などの平和運動とともに、『Give Peace A Chance(平和を我等に)』発表後プラスティック・オノ・バンドとして活動。The Beatles解散後の1970年『John Lennon/Plastic Ono Band(ジョンの魂)』を発表しソロキャリアをスタート。1971年、ヨーコとともに拠点をニューヨークへ移し、同年『Imagine』を発表、英米日で1位を獲得。1972年にはヨーコと共に『Some Time in New York City』を発表。その後も1973年『Mind Games』、1974年『Walls and Bridges(心の壁、愛の橋)』、1975年『Rock’N’Roll』とコンスタントにアルバムを発表する。1975年、息子ショーンが生まれた事を機に主夫として生活、しばらく音楽活動を離れる。1980年、5年の沈黙を破りジョン&ヨーコ名義での『Double Fantasy』で音楽シーンに再登場。しかし、リリース直後の12月8日、凶弾に倒れ悲劇的な死を迎える。享年40歳。ジョンが遺した作品、メッセージは今もなお人々の心に寄り添い、時代を超えて生き続ける。

オノ・ヨーコ

1933年2月18日、東京都生まれ。1950年代後半よりNYで芸術活動を開始。コンセプチュアル・アートの先駆者、前衛芸術家、音楽家として60年以上にわたり全世界へ向けてメッセージを発信し続ける。1964年『Grapefruit(グレープフルーツ)』を出版。1966年、ロンドンのインディカ・ギャラリーで開催した個展でジョン・レノンと出会い、その後共に音楽・芸術活動を行なう。ジョンは生前“Imagine”は『グレープフルーツ』から着想を得ていたと語っており、1971年のリリースから46年後の2017年にジョンの希望通り、ヨーコの名前が共作者として正式にクレジットされるに至った。一貫してアートと日常生活の境界を崩すことを試み、彼女ならではの前衛的な方法で愛と平和を訴え続けている。

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